2017年03月24日

世界の鉄道:マンションの中に駅がある! 重慶のモノレール(中国・重慶市)

Chongqing-Liziba-China-TheGuardian-Mar.2017.jpg
Best photographs of the day (The Guardian, 19 March 2017)
https://www.theguardian.com/news/gallery/2017/mar/19/best-photographs-of-the-day-st-patricks-day-parade-and-kolkata-taxis


「世界の鉄道」シリーズも今回で10回目。これまでは面白そうなキーワードや興味ある言葉などから検索して、自力で動画や画像を探したものをピックアップしていたけれど、今回はニュース記事から知った情報。最初見たときはすごいびっくりした。
英サイト、ザ・ガーディアンの「今日のベスト・ショット」というコーナーがあって、週末あたりにわりとよく見ている。このコーナーは、その日、世界中で撮られた写真(フォトエージェンシー等から編集部に送られたもの)の中から、エディターの人たちがこの日の出来事を最も良く現しているものをセレクトしたもので、その写真の数々を見ていると、同じ一日の中、世界にはすごい瞬間がこんなにもあったんだなと思ってしまう。写真の選び方から、ザ・ガーディアンの方向性が垣間見えたりして、そういう意味でも面白かったりする。
https://www.theguardian.com/news/series/ten-best-photographs-of-the-day

そのコーナーの3/19付記事にあった一枚の写真に目が止まる。19階建てのマンションの中から列車が出てくる写真(6階から8階をぶち抜いて中に駅がある)。ややくたびれた建物の外観からアジア圏、多分中国のどこかだろうとは想像はつくが、これまで見たことのないシチュエーションと構図だったので、瞬間的にこの場所がどこなのかという事とその詳細を知りたくなった。ガーディアン記事のキャプションにはアルファベット表記の「チョンチン(重慶)」とだけしかなく、情報として物足りない。なのでそこから調べてみるが、ヒットした他のネット記事なんかも同じような情報か流用写真だけしかなく、重慶のどのあたりにあるのかは具体的には載ってなかった(ガーディアンに載ったこの写真が発端になっていたのかどうかはわからないが、その翌日あたりにまとめ記事や動画がいくつかあった)。仕方ないんで、まず重慶のメトロの路線図を探し、同時に動画を見ながら地形と路線図の合いそうな箇所を付き合わせ、そこから予想した駅名を検索ワードにして、調べていく内にどの場所かが絞れた。始めの頃に見ていた動画の中で川沿いの風景がちらっと映っていたのが幸いし、闇雲に探す手間は省けたがそれでも10分弱はかかっている(ほんと、こういうのはも少し詳しく書いてくれよと思いつつ、けっこう重慶に行く気満々になって探している自分もいたりして)。それにしてもマンションの中に駅があるなんて、SF映画のようだ。その建物に住んでいれば、一歩も「外」の空間に出る必要なく生活が出来てしまうという、J.G.バラードの「ハイライズ」にも通じる世界。

ここは、重慶モノレール2号線の「Liziba(李子坝 / *ba は簡体表記: "土へんに貝")」という駅。けっこう複数の路線が交錯する中心部にあったので驚いた。重慶は中国でも大きな都市のひとつだし、人口も多いはずなのに、何で今までこれが話題にならなかったのか不思議な気もする。Lizibaという場所が分かってからは、もう少し別な動画も引っかかってきたりして、撮ってる人はやっぱりいた。ただ、Youtube上にある動画はどれもあまりいいものがなく、またいいのが見つかりそうな予感もないんで深く探すのはやめた。駅名を割り出すのでけっこう時間かかったもんね。wiki によると、この2号線は2005年に開通、事業工費の約半分が日本からの融資(円借款)だそう。

重慶軌道交通の路線図(画像は下記リンクより)
RouteMap-ChongqingRailTransit-Large.jpg

RouteMap-ChongqingRailTransit-Liziba.jpg
CRT's Route Map : http://www.chongqingtrip.org/transportation.htm



重慶軌道交通二号線 (1) Chongqing Rail Transit Line 2
* 0'30" あたりからマンションの中にある Liziba駅に到着する。


Train goes through the centre of a 19-storey block of flats in China's 'Mountain City'. A special railway station was built into the block of houses, set into the sixth to eighth floors. Residents can hop on Chongqing Rail Transit No.2 at their own Liziba station.
https://www.youtube.com/watch?v=BAOQb6I3Qf8


重慶軌道交通(Chongqing Rail Transit)- wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E6%85%B6%E8%BB%8C%E9%81%93%E4%BA%A4%E9%80%9A



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2017年03月22日

ピンチョンとオザケンが繋がる、意外なライン



驚くべきことに世間にはピンチョンを読んでいる女性は想像以上に多いようで、一体何故ピンチョンなぞ読む気になったのだと訊くとほぼ例外なく小沢健二の影響だと言われて、まったくもって訳が分からないと思っていたのだが、小沢健二は学生時代に柴田元幸に師事していたのを知って納得した。


fumi(2017年3月6日)さん、より
https://twitter.com/fumi_1980/status/838777442055553024


ピンチョンの調べものをしていたら、ツイッターに面白い情報があったので、ちょっと気になり飛んでいった。最近は以前よりピンチョンの知名度上がっている気配がけっこうあって(トランプの影響でバカ売れしてるハヤカワ文庫のオーウェル「1984」での解説もまた後押ししてるだろうし)、何でだろう? と思っていたら上ツイートにあるような理由が少し関係しているのかな。にしても柴田さんとオザケンって、こんな繋がりがあったとは、うーんビックリ。そして、もひとつ似たような関係性を加えると、ピンチョンはナボコフに師事していたというエピソード。
オザケンの1stアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」って、カポーティのエッセイ集の冒頭に書いてあるアラブのことわざ "The dogs bark, but the caravan moves on." と(訳が)同じやったんで、きっとそこから引用したんだろうなと思っていたんだけど、上ツイートに書いてあるように柴田さんに師事していたという話を聞くと、その線はやっぱり濃厚な感じ。大元は当時フランスが統治していた、たぶんマグレブあたりのアラブ語・ことわざがまずフランス語に訳され、さらに英語圏に広まった感じなんだろう。そして、1990年代に日本のポップミュージックの中で使われたと。言葉が地球を半周して、しかも十年二十年と残る作品の中に組み込まれ僕たち多くが知るところとなった。もし、日本在住のアラブ圏の人たちが、「犬は吠えるが」のアルバムを目にし、「あれ、これって俺たち故郷のことわざと似てるな」なんて気づいたとき、「言葉」が人を介し世界をぐるり一周したことになる。




The Dogs Bark but the Caravan Moves On – Arab proverb
T. Capote use it for an anthology title: The Dogs Bark(anthology)

https://forum.wordreference.com/threads/the-dogs-may-bark-the-caravan-goes-on.1660568/



Les chiens aboient, la caravane passe.
【逐語訳】 「犬が吠え、隊商は通る」(犬は吠えるがキャラバンは進む)

北鎌フランス語講座 「やさしい諺(ことわざ) 4」、より
http://hayasiya7.hatenablog.com/entry/2016/05/19/015058



で、けっこう貴重な対談を載せた記事があったんで紹介。文学とネオアコ、みたいな感じ。オザケンの2nd「LIFE」ってポール・オースター読みながら作っていたとか、これ、面白い話だな。



小沢 本を読むときは、レコードとかかけるんですか。
柴田 本を読むときはあまりかけないけど、翻訳してるときは必ずかけますね。だから、訳した本と特定のアルバムが結びつくのよ。たとえば、ポール・オースターの『孤独の発明』とフリッパーズ・ギターの『カメラトーク』なのね(笑)。
小沢 いやいや、やめてくださいよ(笑)。僕は逆に、『孤独の発明』読みながら次のアルバムつくってましたよ。なんだか反響してますね。

昼の軍隊さん、より
「LES SPECS 1992年11月号 小沢健二×柴田元幸」
http://hayasiya7.hatenablog.com/entry/2016/05/19/015058

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2017年03月21日

イギリスから本が届いた、の巻(3)

Book-Rawavesjp-Mar-2017.jpg
アマゾン、マーケットプレイスにあるRarewavesから届いた封筒。内側はエアパッキン。
今回は発送メールのあと11日目に到着。中身はアンナ・カヴァン。


去年、J. G. バラードの短篇集を買ったのをきっかけに、ときどき、アマゾンのマーケットプレイスで洋書小説も買うようになってきた。ペーパーバックって、印刷はラフだし紙質もそう良くないのに、なんでだろう、どうも魅力的だ。

以前アマゾンでは、写真集や現代美術家の作品集、旅ガイドのロンプラを買うことが多かった。が、それもこの何年かは買ってはいない。写真に関してはフォトグラファーのHPや Tumblr、Flickr、500px 等ネットにあるギャラリーの方がボリュームもあるし(画質もいい)、取材情報のテキストなども適時に更新されたりするので、写真集という形態で写真を見ることがほとんどなくなってしまい、また求めなくもなった。「本としての写真集」に面白さや魅力がなくなってしまったとは決して思わないが、ネットが普及した今の時代に求められる写真集の存在意義が、これまでとはまったく違ってきているとは思う。もし写真集でなければ表現できない、あるいは写真集でなければならない、という必然性がないかぎり、画像の載った紙の束としか見れなくなていたり、どうしても欲しい! という気持ちにはならなくなってしまった。写真で表現し、なにか形にする難しさは、誰でも撮れるようになった今、以前より増している感じはする。

旅のガイドブックに関してもきっと同じようなものがある。こっちは情報の新しさがより重要になってくるから、写真よりももっとネット情報の方が有効的に思えたりする。旅行者のBLOGをサーフしていく方が、好みの情報を得やすいし、鮮度はきっといい。ただもちろん、そういうものはネット(スマホ)環境のある場所でしか見れなかったりするので(辺鄙な場所では当然見れないし、そもそも事前情報なんていらないという人もいるだろうが)、完全にいらないということもないけれど、観光地に行く位の短い旅程なら、地図や翻訳機能の入ったスマホが一台あればやっぱりそれで十分だなと思ってしまう。でも紙の地図の大事さが分かる人は、きっといい旅人だろうな。


ちょっと脱線。

出だしのところで写真集はもう興味ないので見ない、なんて書いてしまったけれども、それでも情報として多少見聞きはしている。最近見た写真集の中ではクリストファー・ハーウィグさんの「ソヴィエト・バス・ストップス」というのがよかった(といってもwebで、彼の写真や記事を見ただけだが)。これはタイトル通り、ソヴィエト時代に作られたユニークなバス停を撮ったもの。アブハジア、シベリア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、エストニアなど旧ソ連邦を構成していた国にあった奇妙なバス停が集められた写真集。モニュメント風の小さな建造物だけれども、その土地の特色がそれぞれに表れていて面白い。そのまま単に建築物としてみることもできるだろうし、ここにやってくるバスや人(きっと派手なスカーフをかぶった恰幅いいロシアのおばちゃんたちが近くのルイノクに行くために、ペットボトルに入れた自家製のケフィアを抱えながら談笑しているだろう姿)を想像しながら、これら地域のコミュニティなんかも思い浮かべてみたり。バス停はどれも皆、野ざらしなので朽ちかけ一歩手前だけれども、廃墟のような死の香りはせず、どこか生活のニオイがにじみでている。それにしてもこれらのバス亭、一帯誰が音頭をとって建てたんだろう? 構造の安全性や、重力バランスを完全に無視した見た目重視のものがけっこうあって、写真で見る分には楽しいが、実際この場所で落ち着いてバスを待つにはちょっと勇気いるかも。
この写真集は日本の amazon.jp でも買える、2,900円。それにしても、こんな値段でアマゾンにあったら、写真集専門店で買えなくなってしまう。本屋のディスプレーや棚の中から、知らない本を偶然見つける喜びがなくなるのはさみしいけれど、ネットはネットでまた知らないリンクが目に入って、そこに飛んでいき、また違った意味での偶然の発見もあったりするので、似たようなものか。

SovietBusStops-ChristopherHerwig.jpg
"Soviet Bus Stops" Christopher Herwig (画像は下記リンクより)
http://tagong-boy.tumblr.com/post/158584414201/


今回はRarewavesで

さて、いつもイギリスからロイヤル・メールで送ってもらっているのはUK BOOKS & MUSICというお店なんだけど、今回はちょっと浮気をしてしまい、Rarewavesというお店での注文だった。価格の差がさほどなければ、最安値でなかったとしても、同じところで頼んだほうが多分いいだろうと思うので、僕の場合あまり値段重視というわけでもない。まぁ、今回はたまたま欲しい本がいつもの店になかったことと、他の店での到着日数なんかも気になったし、何か違いがあるのか、なんてのも少し興味あった。
これまでの注文した経験からすると、(英国→日本は)日曜から週明けの月曜に注文すると早く届くことが多かった。金曜日に注文すると(多分営業・発送業務をしてない)土日をはさんでしまうため、2日分待つ時間が長くなる。日本とイギリスは9時間の時差があるから、そのあたりも考え、向こうの営業時間の早いうちに注文をしたり、いろいろ試していた。もちろん在庫状況や輸送事情なんかも絡んでくるので確実ではないが、少なくとも週前半までに注文したときがスムーズだった。忘れかけた頃に、突然ポストに見慣れない封筒がコツンと入っていてけっこう楽しい。おおよそ平均、10日から12日で届く。
Rarewavesさんから届いた封筒はエアパッキンの入った白い紙封筒だった。本はきれい。そして本と一緒に、落丁本や注文とは違ったものが届いた場合用の(納品書を兼ねた)返信宛名シールが同封されていて、これは便利だなと思った。



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