2017年04月03日

モービーと空しい平和の合唱団

MobyVPC-AreYouLostInTheWorldLikeMe.jpg
下動画のキャプチャー。ベティちゃんを思い出すキャラクター。


Moby & The Void Pacific Choir - Are You Lost In The World Like Me?
(Official Video)

去年「The Void Pacific Choir」名義で出していた曲。風刺のきいたMVと、ジョイ・ディヴィジョン(というよりも、ジョイ・ディヴィジョンに影響を受けたデヴィッド・ボウイの「Scary Monsters」の音だ)を連想する重いビートがすごくよかった。スマホに取り付かれた人々を皮肉っているわけだけど、これを見る人たちの多くがきっとスマホを介してだろうという事実もあったり。
アニメーションは、STEVE CUTTSというロンドンを拠点に活動しているイラストレーターが制作。1930-1940年代の漫画から影響を受けた作風の絵を描いている人で、モービーと同じくちょっと社会批判が入ったものが多い。
http://www.stevecutts.com/
今はただカワイイだけ、きれいなだけ、技法に長けただけ、といった表面的には見栄えはいいが味気ない絵(音楽も)ばかりだから、こういうのを見たり、聴いたりすると少し安心するところもあったり。やっぱ、どこかにピリッとした辛さがないといけないな。

このMV、気になるところがあって、以前に歌詞訳で紹介したポーター・ロビンソン&マデオンの「シェルター」と、(Youtubeでの)アップロードされた日が2016年10月18日で一緒だったり、他にも、本人と「&をつけた」名義になっているところ、またモービー、ポーター・ロビンソン共にDJであること、そして両曲それぞれオリジナルのアニメーションで映像を作っているところや(片や "A-1 Pictures" 制作による最新の日本のアニメ、片やディズニーのライバル"フライシャー・スタジオ"風の古典アニメという対照性もあり)、そのアニメがディストピアを主題にし強いメッセージを持っている点など、すごくシンクロする部分が多く、このあたりの同時代性というか、そういうものにも興味もった。

PorterRobinson-Shelter-cap1.jpg
歌詞和訳:"Shelter" by Porter Robinson & Madeon(* 画像はMVより)
http://tavola-world.seesaa.net/article/443597608.html



モービーの新プロジェクト
「Are You Lost In The World Like Me」のミュージックビデオを公開

http://amass.jp/79603/
posted by J at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | fav. - sound | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月31日

西友へいこう


サディスティック・ミカ・バンド「ファンキーMahjang」
桐島かれんvocalの再結成ライヴ・ヴァージョン。もろ80年代風のアレンジで、めっちゃポップだった。ステージのライティングや電飾の演出と、桐島かれんの変てこりんな踊りががすごくいい。改めてみるとカンパネラのコムアイっぽいな。オルタナ姫。3rd album "Hot! Menu"にオリジナル・ヴァージョンが入ってる。こんな曲がスーパーでかかってたら嬉しいかも。




店舗BGMを強化したことで、なにか変化は起きましたか?
「SNS上でも弊社BGMが話題となり、より多くの方に“西友”を知っていただけたとは思います。大変うれしく感じております」



店内BGMが気になる:SEIYU編
https://www.kkbox.com/jp/ja/column/showbiz-251-1317-1.html


なんだか、西友でかかっているBGMがお洒落(というかマニアック)で話題だよ、と友達に教えてもらって、ネットを見てみるとけっこう盛り上がっていて面白かった。80年代のこのあたりの音を聴いて育った派って、けっこう少数派だと思うだけに、こうして今スーパー等で自分たちがよく聴いていた音楽がかかっているのを目の当たりにすると、嬉しいものがある。選曲は西友HPでも確認できて、3月はULTRAVOXの「SLOW MOTION」とか、ジザメリの「HAPPY WHEN IT RAINS」なんかがかかっている。ピーター・バラカンさんが選曲してるとか。


SEIYU / 店内BGM
http://www.seiyu.co.jp/campaign/bgm/index.html
posted by J at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | fav. - sound | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月27日

歌詞和訳:"Some Things Cosmic" by Angel Olsen

AngelOlsen-PitchforkMusicFes-2013-Capture.jpg
*下動画のキャプチャー画像。*最後に歌詞の和訳載せてます。

下の埋め込み動画は、エンジェル・オルセンの「Some Things Cosmic」、2013年ピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァルでのライヴ演奏。彼女の穏やかな歌声に浸り、静かに聴き入る観客の姿が映しだされる瞬間はこの動画のハイライトの一つだと思う。オルセンの歌声は誠実だ。今日もし100人の観客を目の前にし歌っていたとしたなら、明日は101人の人に聴いてもらおう、そしてあさっては102人の人に、という風に、決して先を急がない。自分の届けられる歌声を、一人一人本当、大切に伝えているように見える。ステージではギター片手に、マイクの前にりりしく立つ。派手で奇をてらったパフォーマンスをして、短い注目を浴びることなんて決してしやしない。そんな事をしなくても、自分の歌がちゃんと皆の心の奥に響くことを知っているんだろうな。いつまでもつい口ずさんでしまう歌ってそういうものなんじゃないかと。

この曲はオルセンの中でも一番好きな曲で、歌詞の訳をしたかった。歌詞の中で使っている言葉自体はシンプルで、難しい単語なんかはないけれども、どうにも意味が深く読めるせいで色々考えはじめてしまった。和訳の下に記した(グレー文字の)注釈にもあるように、"cosmic force" のところで止まったり、" I don't mean my body" の mean や、冒頭の "draw" の意味合いが難しくて、そのまま放置した状態になっていた。見てみると、下書きをしたのが一年前の二月だった。




Angel Olsen - "Some Things Cosmic" - Pitchfork Music Festival 2013

エンジェル・オルセン「Some Things Cosmic(宇宙にちらばるもの)」歌詞和訳
* 上の邦題は歌詞の内容からイメージして、僕が勝手に付けたもの。
メロディに合わせた詞の改行・分断はせず、なるべく意味の通る一つの文になるようにした。
またコーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。



Before we draw my dear dear friend, I promise you my word. If we should part my dear dear love, you know you're in my heart. And though I may be getting older, know that I'm going with you, know that I'm hanging on to the things that you said.

大切な友を思い描く前に、僕は君に約束するよ。
もし、ぼくの大事な愛が引き裂かれたとしても、僕の心の中には君がいる。そしてそう、僕は年をとっていくんだろう。それでも君と一緒にいるんだろうね。そして君の言ったことに捉われ続けるんだ。


* my word: "You have my word" で「約束する / 保障する」って言い回しがあって、いいフレーズだなと思った。他 "on my word" で「誓って / 必ず」というのがあったり、英語圏では「自分の言った言葉(my word)」が、その人の「責任」や「信頼」を表すものとして捉えられているのかな? キリスト教文化による、神との契約が何よりも先にあることも背景にありそうだし。言葉や文字の記録が人を定義し、社会を形成・発展させてきた文化がこうしたところに滲み出ているような気がした。


I've felt my soul rise up from my body when I look into your blue eyes.
If cosmic force is real at all, it's come between you and I...
I want to be naked, I don't mean my body, I don't need my body, I'm floating away.

君の青い瞳をのぞきこむと、僕の身体から魂が湧き上がるのを感じるんだ。
もし宇宙の真理が存在するとでもいうのなら、それは君と僕とを隔てるもの。
僕はありのままでいたい。身体は重要じゃないんだ。身体なんていらない。僕はどこかへと漂い消えてゆく。


* cosmic force: 単純に訳すと「宇宙の力」になるけれど、精神的・スピリチュアルな深い意味がやっぱりあるように思う。宇宙の法則というかそういう感じのもの。宇宙論の言葉を使うと「人間原理」に近いんじゃないかと思い、少しそのニュアンスを残した造語で "宇宙原理" というのも考えてみたり。そして、母に聞くと「運命みたいなものかな?」という返事があって、ああ確かにその言葉はすごくしっくりとくる。それをヒントに天命や宿命のような意味合いも考えてみた。結局今回は僕のファースト・インプレッションだった "宇宙の真理" にした。と、けっこう真剣に訳してるんだな。


"Some Things Cosmic" - Lyrics (*歌詞は「 Songmeaning.com 」から)
http://songmeanings.com/songs/view/3530822107859446129/


"Some Things Cosmic" by ANGEL OLSEN (at NYC, Apr. 2011)
Cap-AngelOlsen-SomeThingsCosmic-16.Apr.2011.jpg
http://tavola-world.seesaa.net/article/434028332.html
以前、この曲のインストア・ライブを紹介していた。リンク先にある動画では「Some Things Cosmic」のあとに「Drunk And With Dreams」を続けて歌っている。


ピッチフォークでの貫禄を見せたライヴ演奏ももちろんいいけれど、上リンク先のインストア・ライヴ・パフォーマンスは、よりエモーショナルだ(観客の数はずっと少ないとは思うが)。まだこの曲を発表して間もない頃、そしてデビューしたての時期ということもあってか、オルセンは、最近のあくの抜けた歌い方とは違った特徴的な歌い方をしている。抑揚的な声、そして何か魂の奥底から湧きあがるものを観客にぶつけているようなところがあり、心震えるものがある。
"Some Things Cosmic" は2010年にカセット・テープでリリースした彼女のデビューシングルに収録されている。このカセットは6曲入りでミニアルバムといった趣、2011年にBathetic Recordsよりアナログ盤で再発された。カセット・ヴァージョンの "Some Things Cosmic" はエコーが効いていて幽玄的、歌詞をほんと大切に歌っている感じがして新鮮だ。がらんとした廃墟の中で録音したかのように乾いた音で、マジー・スターのデビューアルバムが思い浮かぶ。

"Some Things Cosmic"のオリジナル・ヴァージョン:
https://www.youtube.com/watch?v=W0f6c9BYI48

Angel Olsen ‎– Strange Cacti (オリジナルのカセット・テープと再発盤のレコジャケ)
AngelOlsen-StrangeCacti.jpg
https://www.discogs.com/ja/Angel-Olsen-Strange-Cacti/master/327460
(画像は discog.com より)



posted by J at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋楽の歌詞和訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


バンコク ホテル格安プラン