2010年11月18日

タッカウの船着場 -Vietnam, 2010-

■ ラックザーからタッカウへ
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バスの中、まるで座席を予約していたかのように前部のクッションシートに腰掛け、ポケットから取り出したお金を数えはじめる渋いおっちゃん。くわえ煙草も様になっている。

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ラックザー市内。

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国道61号線沿いにある小さなクメール寺。

ラックザーでの宿「Hotel Thu Van」前を走る通りは東に200メートル程歩くとローカルバスの発着するバスターミナルがり、回送を終えたバスが停車している。宿を出るとちょうど赤と黄色のペイントされた「1番」のシールがフロントガラスに張られたローカルバスが停まっていた。
国道61号線沿いにある「TAC CAU」という船着場へ行きたかったので、その方面のバスを探していた。カマウからラックザーへ来るときに見た車窓で、国道沿いに大きな壁画看板がかかっていて、それがどうも気になっていた。もう一度そこへ立ち寄ってみたいと思っていた。バスに乗っていた運転手に行き先をたずねるとちょうど「TAC CAU」へ行くとの事だった。さっそく乗り込んだ。誰もいない一番乗りのバス。前日壁画を見た側が右手方向だったのを思い出し、今度は反対方向になるので左側の席に座った。運賃:7,000ドン。
バスは12時前に発車。ラックザー市内を走り抜けラックソイを通過しタッカウへと向かった。はじめはまばらだった乗客も、停車するごとに乗客を拾っていき次第に満員となった。白いアオザイ姿の女子学生が沢山乗り込んできて古びた車内が少し華やかになる。12時45分、バスは終点のタッカウへと到着した。お目当ての大きな壁画は、途中走った国道61号線沿いにあった。帰りに寄ることにしバスを降りる。

■ タッカウの船着場
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目の前をカイロン川 (Song Cai Lon) がゆったりと流れている。川からは狭まった細い運河が伸びていて、向こう岸のXeo Roとを結んでいる。

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バス乗り場近くの通り。

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船着場のバイク専用ゲートの入口。

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ゲートの中。けっこう長い。

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フェリーが到着するまではこの柵の中で待つ。
わずかな待ち時間ながら、軽食の売り子が集まってくる。
動物園にいる動物になったような気分。

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宝くじ売りの女の子とおばさん。

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発馬機の中でかまえる馬のよう。

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対岸のXeo Roからフェリーが到着し、乗せていた荷がはけるとゲートが開いてところてんが押し出てくるように威勢よくバイクが飛び出てくる。

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Xeo Roからフェリーが着岸したところ。

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ラックザーの入口にあるゲート。

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ラックザー市内へ到着。リキシャと並走。

■ タッカウからラックザーへ
タッカウの船着場周辺を撮影した後、ラックザーへと戻る事にした。船着場の近くにあるバス乗り場にちょうどバスが停まっていたので、運転席でくつろいでいた運転手にラックザーへ行くのかを尋ねると、「ああ、これに乗ってきな」という返事が返ってきたので、そのままバスに乗り込んだ。行きしは「1番」のバスだったが今度は「2番」のバスだ。運賃は行きと同じ、7,000ドン。
14時前にバスは発車。乗客は僕を合わせて3人と少ない。バスは国道61号線をラックソイ (迪秋) に向かって走る。10分と少しを走ったところで、気になっていた大きな壁画が建っている場所を通過した。運転手に一声かけて降ろしてもらう。そして、国道61号線沿いを来た方向に戻るように撮り歩いた。
サッカースタジアムの前で、再びラックザー行きのバスが来るのを待つ。国道沿いを撮り歩いていた時は頻繁に走っていたバスも、いざ乗るために待つとなった途端にパタリと通らなくなった。そうしてる間にバイクやスクーターが目の前をびゅんびゅん走っていくのでうらやましげに姿を追っていた。日が傾き始める。そして、少し経ったところで待望のラックザー行きのバスが現れた。運賃は6,000ドン。少し安いのは途中乗車だからか、その料金のバスだからかは不明。時刻は15時40分。バスは、ラックソイ (迪秋) を経由して、16時20分、ラックザーへと到着した。キエン川の橋 (Cau Song Kien) を渡ったところでバスを降りた。


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カマウからラックザーまでの簡略移動地図。

越南 | 迪石 (建江省)
ベトナム・ラックザー(キエンザン省)
Rach Gia, Kien Giang Province, Vietnam
*キエンザン (ラックザー) はクメール名で「クラムオンサル」という。「白いろうそく」の意味がある。

2010年11月02日

Sketches of "Rach Gia" -Vietnam, 2010-

■ ラックザー素描(ベトナム・メコンデルタの街)
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■ 「楽じゃ」ないラックジャーの発音
ラックザーはメコンデルタの大きな街カマウに比べると建物密度が広く、徒歩での移動だとけっこう距離を歩くことになる。全体的に広いがために街の中心となる場所 (その多くは市場になるが) が見当たらない。街の真ん中を流れるカイロン川に沿って河口へと歩いていくと、フーコック島への船着場が見えてくる。
「ラックザー」の発音はむつかしく、ちゃんと言おうと思ったら少し練習しないといけない。カタカナ表記では「ラックザー」と書くのが最も浸透しているが、「ラックヂャ」の方が随分とその発音に近い。それでもまだ十分ではなく、「ヂャ」の部分にカタカナでは表現できない粘りがある。
カタカナがむつかしいければ、アルファベットでなら随分と近い発音を言う事が出来る。アルファベットの綴りは「Rach Gia」。問題の「Gia」の部分を言い表すには、「d」と「j」をフードプロセッサーに放り込んで8回転半、程なく混ざったところを取り出せば、これで完璧。
いや、日本人だからどうしてもカタカナにこだわりたい!のなら、少し暴力的になるけれど、顔面を壁にぶちつけて鼻血を2、3滴たらしながら「また今度」の気持ちを込めて「ぢゃ!」と言えば多少は通じやすくなる。どちらにしても、上手くこの街の名を呼ぶのには工夫がいる。

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フーコック行きの埠頭からタイ湾に沈む夕日を望む。黄金色に輝く水平線。錬金術師の溶炉を覗いたかのような海の中には二艘の小さな木舟が浮かんでいた。

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埠頭に建つ展望塔。

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帰宅途中の女の子。

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タイ湾に沈む夕日。

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ボートが着くやいなやセーオムの運転手達の猛烈な客引き合戦が始まる。

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キエン川の河口。

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■ フーコック島行きの埠頭
キエン川がタイ湾へと流れ出る河口付近には幾艘もの漁船が停泊している。タイ湾に面した側にはフーコック (富国) 島行きのフェリーが接舷する。キエン川沿いには、フーコック (富国) 島への乗船券を販売する代理店がいくつか並んでいて、客を目当てに軽食の販売やセーオム (バイクタクシー) の運転手が集まっていてにぎやかだ。フランス人旅行客を何組か見かける。

埠頭付近は海の眺めがいいので、アオザイ姿の女子高生らが帰宅途中に立ち寄っておしゃべりに花を咲かせる場所になっている。係船柱に腰掛けて夕日を眺めながら、近くの屋台でご飯を買ってきてわいわいやっている姿は微笑ましい。ほお張っていたのが、お菓子でなくちゃんとしたご飯だったから食べ盛りなのかな、けっこう恥ずかしそうにしていた。

埠頭に建つ展望塔に昇ろうとらせん階段を一段ずつ上がっていくと、一周ほどした途中の段で女の子二人が夢中になって漫画を読んでいた。手にしていた本を見せてもらったら、なんとビックリ!「あさりちゃん」のベトナム語版だった。ベトナムではすごく人気があるそうだ。階段の先には扉があり、鍵がかかっていたので展望塔の途中までしか昇れなかった。

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夕日に透けるブーゲンビリア。

■ Duong Phan Boi Chau周辺の路地裏
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古壁とおんぼろバイク。

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電柱に咲く花。

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厨房裏にて。

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建築現場そば。

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白壁と青窓。


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国道61号線沿いにあったかわいい門扉
(Rach Soi - Tac Cau)


越南 | 迪石 (建江省)
ベトナム・ラックザー(キエンザン省)
Rach Gia, Kien Giang Province, Vietnam
*キエンザン (ラックザー) はクメール名で「クラムオンサル」という。
「白いろうそく」の意味がある。

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2010年09月10日

Sketches of Soc Trang・ソックチャン素描 -Vietnam, 2010-

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■ 宝くじ売りの少年
ヴィンロンからソックチャンへ到着し宿を探す。「フンヴォン通り (Duong Hung Vuong)」を歩いていると、「ねぇねぇ、どこ行くの?」と人懐っこい男の子が駆け寄ってくる。「泊まるところ探してるんだよ。近くにないかな?」と返すけれども、当然この子に分かるわけなく「それよりさ、宝くじ買ってくれない?」と手にしている宝くじの券を広げてみせる。くじには一等の一戸建て新築住宅の写真がきらびやかに印刷されている。「もし、当たってもきっともらえないからね。」と言ってみるけれども、男の子は暇つぶしを兼ねてしばらくの間付き添うように僕のあとをついて来た。


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■ ソックチャンの造り醤油屋「香合-HIEP HUOUNG」
ソックチャンの繁華街にある市場「Cho Trung Tam Thanh Pho Soc Trang」の近くにある一軒の邸宅。ここが普通の家とちょっと違っていたのは、敷地の中にいくつもの瓶が並んでいたこと。瓶にはベトナム人がよく被っているノンラー (平べったい円錐形の藁帽子) のような蓋がかぶせられている。少しずらされていた蓋の下からは、瓶の口までいっぱいに満たされた褐色の豆のようなものがのぞいていた。あ、これはきっと醤油だなと思い、どんな味なのかを試してみたくなり門の前から家の人を呼んで中へと入れてもらった。

呼ばれるままに現れたおばさんは上品な身のこなしで、自分を呼んだ相手がお得意さんじゃなかったのがわかると、途中で止めた用事の続きをするために「もうちょっと待って」と一度ひっこんだ。そして、数分後に再び現れる。並んでいた瓶の中で発酵している豆をのぞき込んで、おばさんに「これ、醤油?」と尋ねてみると、「ちょっとすくってみな」と笑みをうかべる。

間近で見るこの漆黒の液体にどこか威勢を感じる。そっと、この液体に小指をひたしすくい上げる。小指の先は褐色の液体でつややかに光っている。そのまま口の中に入れ味を確かめた。確かに醤油だ。ふくよかな甘味がある。九州の甘口の醤油と似ていて、醤油というよりもソースに近い感じだった。おばさんに礼を言ってここを出た。


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■ Bao Tang Tinh Soc Trang
ソックチャンのバスターミナルを南東へ、「フンヴォン通り (Duong Hung Vuong)」をしばらく歩くと左手に広い敷地が見え、中の広場には塗り直されピカピカに磨かれた戦車や大砲、水陸両用車が置かれていた。あまりの保存状態の良さにまるでプラモデルの展示を見ているかのようだった。ここはベトナム戦争の資料館のようだ。当の施設はまだ完成はしてない様子で、奥の建物を訪ねたが誰もおらずでもぬけの殻だった。 (2010年1月時点)

今はこうして、動かない戦車に近づき目の前に見ることが出来るけれども、戦争当時はこれが田んぼしかないこの一帯を火を噴きながら走りまわっていたのを想像するとゾッとする。40年以上も前のこと。

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マスペロ川沿いに規則正しく並んだパステル調の家。

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標識の裏側が気にかかります。駐輪禁止!やったりして。

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バイクの修理工の店。

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駄菓子売りの屋台。

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ベトナムやのに「昭和モダン」を感じさせる石造りの建物。築地あたりにありそうなたたずまい。

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味壁。土台の煉瓦がむき出しに。


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夕日に染まるマスペロ川。夕空に網が投げ込まれたような雲が浮かぶ。

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夕涼みをしに川岸にやって来たおばちゃん。

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川面に街灯がにじむ宵のマスペロ川。
川沿いの遊歩道は夕涼みにとてもいい。


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米粉を練っているところ。けっこうな力仕事。

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練った米粉を押し出して熱湯でゆがく。

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冷水で麺を絞めている。手作業です。
そして、適当な分量で分けてざるで水を切った後乾燥させる。

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■ ソックチャンの製麺所
マスペロ川にかかる「30/40橋 (Cau 30/40)」の西側、川沿いにある小さな製麺所。
水蒸気がもうもうと立ち込め熱気がすごい。
近所中から野次馬が沢山集まってきた。


越南 | 蓄臻 (朔庄)、蓄臻省
ベトナム・ソックチャン (ソックチャン省)
Soc Trang, Soc Trang Province, Vietnam
*ソックチャン (カインフン) のクメール名は「クレアン」という。

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2010年08月26日

おべんちゃら少年

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少年「ぼく昨日から何〜も食べてないんだ。ねー、ちょっとお金ちょうだい。お腹ペコペコだよ。」
おねえさん「・・・」

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少年「おねえさん、その真っ赤なアオザイすっごい似合ってるネ。スタイルもバッチリだし、素敵ダナ。すらっとした足にクラクラしそう」
おねえさん「そんな事ばっか言って、すぐにお金がもらえると思ったら大間違だからね。。仕方ない、これでちゃんと食べるのよ」

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少年「うん!ありがとー。」
おねえさん「ホンットにもう。。こんな小さい子が物乞いをするなんて。。でも、きっとワタシの美しさも、、いけないのよね。。ふう」

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俺「おい坊主!お前、ガキのくせになかなかやるやないか。」
少年「エヘッ!」


「Cho Nong Hai San」前の通りにて。


越南 | 迪石 (建江省)
ベトナム・ラックザー(キエンザン省)
Rach Gia, Kien Giang Province, Vietnam

2010年08月18日

Sketches of Vinh Long・ヴィンロン素描 -Vietnam, 2010-

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■ 朝食散歩
ヴィンロンで一泊した翌朝は早朝の6時を過ぎた頃に目覚める。身仕度をし7時半過ぎに外へと出た。前日のサデークでの撮影が充実していた為に、ヴィンロンでは小休憩する事に決めていたのでのんびりと街を散策出来る。宿のあるフンヴォン通りを南に歩くと、突き当たった右の角地からもくもくと白煙が道をふさぐように立ち込め、同時に肉を焼く香ばしい匂いが漂っていた。狼のようになった鼻が率先して身体を煙の中へと導いていく。煙の素性は、カリカリに焼かれた骨付きのスペアリブだった。この角地にある簡易屋台は、役所のような敷地の駐車場を利用して営業されていて、おそらく仕事の始まる時間になると店じまいになる様子だった。ガレージセールのような雑然とした雰囲気がいい。胃袋がキュイっと鳴ったので、そのままテーブルについてさきほどのスペアリブとご飯を注文した。骨付きのスペアリブとご飯、サラダ、スープ付で2万ドン。空いたテーブルの向いにおっちゃんが腰掛ける。ちょっとした会話のあと「ソックチャン」までの行き方を尋ねると、ちょっと待ってとポケットからケータイを取り出して何やら検索しはじめた。グルグル。少し経った頃に僕にケータイの画面を見せてくれた。そこにはヴィンロンからソックチャンまでのルートが示されていた。「オー、進化してるねベトナムのケータイ」と言うと、おっちゃんはニヤリと笑って「こういう風に行けばいいのさ」とケータイをポケットに仕舞った。「ありがとう(うん、まぁ、場所は分かってるんやけどね。どうやって行ったらいいのかを聞きたかったんだよなぁ)。」と、お礼を言うか言わないかの間にもうおっちゃんは目の前の朝食を黙々と食べ始めていた。間もなく、僕の頼んだのもやってきて甘辛のソースを付けながら夢中で食べた。お腹が満たされたので、もう一歩きして宿へ戻ることにする。ガレージ屋台を出ると「2 Thang 9」通りを左に進む。少し先に橋が見えたのでそこまで歩いた。ロンホー運河に架かる「Cau Thieng Duc」という全長106mの橋だった。橋の中腹で朝日に輝く運河を眺める。橋を反対側まで渡り切るがすぐに引き返す。帰り道は橋のたもとから伸びた「30 Thang 4」通りを北に歩いて宿へと戻った。

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■ Cho Vinh Long
ヴィンロンにある大きな市場。「3 Thang 2」通りをまたいで2つの棟が渡り廊下でつながっている。北側の棟には衣料・装飾品の店がひしめきあう。

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「Cho Vinh Long」向いにあるローカルバスのターミナル前にて。なかなかりりしい顔つきの犬。

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■ レトロ観覧車
ヴィンロンの街の入口にある大きなロータリーを西の方角へ。国道1号線 (QL1) をしばらく歩き進むと、右手にエリンギきのこのような形をした給水塔が見えてくる。道路 (QL1) を挟んだその斜め向いにはさびれた遊園地があって、日が暮れる頃になるとゴーカートやジェットコースターがガラゴロと音を立て動きはじめる。「スタートレック」の舞台セットにありそうな近未来的な香りのするゲートをくぐった入口正面に小さな観覧車がぽつんと置かれていた。遊園地の奥には中学校の体育館がありにぎやかな声が響いている。

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「国道1号線 (QL1)」沿いに店をかまえる寝具店の看板と時計台。時計は9時5分を指したまま止まっている。

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ヴィンロンの街の入口にある大きなロータリーを西の方角に。国道1号線 (QL1) に1km弱程を歩くと、右手にエリンギきのこの形をした塔が見えてくる。西の空はオレンジ色に輝き、大きなキノコもその柔らかな光を浴び一段と大きく育っているようだった。

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バインミー(Banh Mi= ベトナムのサンドイッチ)の屋台の調理場。ハムが美味しそう。

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Lo橋 (Cau Lo) から、カイカ運河に浮かぶ水上ハウスの眺め。

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ヴィンロン市場 (Cho Vinh Long) 前の交差点。

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フンヴォン通り (D. Hung Vuong) にある屋台に夕食を買いに来た若いカップル。

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閉店間際の屋台。フンヴォン通り (D. Hung Vuong) にて。


越南 | 永隆 (永隆省)
ベトナム・ヴィンロン (ヴィンロン省)
Vinh Long, Vinh Long Province, Vietnam
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2010年06月02日

Sketches of Ha Tien・ハティン素描 -Vietnam, 2010-

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ハティンとサーシアの間をつなぐまっすぐに伸びた一本の道。両わきには水田が広がっている。小学校?を目印にY字に枝分かれをしている。にぎやかな声。制服を着た少年、少女らのグループが時折通り過ぎていく。自転車は牛が歩く程のゆっくりとした速度で、おしゃべりに夢中。アスファルトを走るタイヤはさざ波のような音を立て、小石をはじく。蹴飛ばされた小さな石は、新天地を求めて路肩を歩いていた蛙の目の前をかすめて転がっていった。驚いた蛙は小さな目玉をくるりと半回転させ、再び見知らぬ地へと歩みはじめる。

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長く閉ざされすっかりと錆び果ててしまった門扉が緑の中に埋もれている。門番として咲き続けるブーゲンビリア。緩やかな弧を描いて花枝はしなだれ、あでやかな花弁は風に揺られるたびに地面にやさしく口づける。

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泥だらけのバイク (Muddy Wheel)

ハティエンからカンボジアとの国境サーシアへ向う途中、民家(食堂?)の軒先に停めてあったバイク。カンボジア側は未舗装の赤土(ラテライト)の道なので、良くカンボジアへは行っているんだろうな。

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■ 風速YELLOW
前方からやってきた自転車には花柄の黒帽子、ピンクのフリルのシャツ、黄色の上着を羽織った行商のおばちゃんが乗っていて、力一杯ペダルを漕ぎながらカンボジアとの国境「サーシア」へと急いでいる。荷台にはつめるだけ積んだ売り物の数々。鮮やかな黄色の上着をなびかせ、こぶし二つ程のわずかな間隔ですれ違った。

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ハティンからカンボジアとの国境サーシアへと続くまっすぐに伸びた道。(ハティン側に向かって)
左奥に見える突起した岩山は「タッダン」。

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学校を終え仲良く下校。

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To Chau通りとChi Lang通りの角地に建つモダンなガラス張りの建物。一階は店舗 (雑貨屋) になっている。

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時計や電卓などの修理をしているおっちゃん。ダンディやね。大きなパラソルの下に白枠のショーケースを置いて、そのすぐ横にあるリクライニングチェアでのんびりと客を待っている。

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なんだか妙に色気のあるシーツ。Chi Lang通り(Duong Chi Lang)にて。

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ハティエンは、トーチャウ橋の東側たもとから街の中心部が広がっている。トーチャウ橋を挟んだすぐ西側は造成の真っ最中で、敷き詰められた砂利の道に沿って芽生えたもやしのような街灯の電柱が無数に並んでいた。

越南 | 河仙 (建江省)
ベトナム・ハティン(キエンザン省)
Ha Tien, Kien Giang Province, Vietnam
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2010年05月27日

トーチャウ橋 -Ha Tien, Vietnam 2010-

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アオザイ姿でスクーターをかっ飛ばすカッコ良さ。長い黒髪をなびかせるのが流儀です。

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タイ湾の彼方、水平線に夕陽が近づこうとしている。トーチャウ川に架かる大きな「トーチャウ橋」から西の海を望む。一面に広がる深い藍の海は潮の香りのするテーブルクロス。シャンパン色に輝く夕日が藍色のテーブルクロスにさざ波の模様をつける。はじける笑い声が橋に響く。柔らかな光に包まれ、学校帰りの真っ白のアオザイを着た少女たちが橋の上を滑り抜けていく。シャンパングラスの中に浮かぶ泡のように、現われては消え、現われては消えと。夕陽は水平線に触れた。海と反対側の街にネオンが灯りはじめる。小さな街だからネオンと言っても全く派手なもんじゃない、プラスティック製のおもちゃのような可愛らしい光。

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トーチャウ橋からタイ湾に広がる西の空を望む。

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トーチャウ橋からの夕景。インディカ米のように細長いボートが何艘か漁に繰り出す為、河口から海へと走る。本当に海に「米粒」が浮かんでいるように見えた。

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西の空を背に、橋から街を望む。クリーム色に塗られた市場「Cho Ca」が少し先に見える。

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橋のたもとの一角は再開発で更地になり造成中だった。のんびりとした街には似合わない大きな建物の着工が進んでいる。トーチャウ川の川上側にあったもうひとつの橋、ボートをつなげて作った「浮き橋」はもう無くなっていた。これからどんな街に変わっていくんだろうなと、しばらくの間、街灯りをぼんやりとながめていた。


越南 | 河仙 (建江省)
ベトナム・ハティン(キエンザン省)
Ha Tien, Kien Giang Province, Vietnam

2010年03月19日

サデーク川とティエン川の中洲へ -Sa Dec, 2010-

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中洲からティエン川(Song Tien / Tien River)の眺め。

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サデーク橋 (Cau Sa Dec)を渡って東側の対岸へ。橋の向こう側はティエン川と呼ばれるメコン川とサデーク川の中洲になっている。橋を渡り直進するとティエン川にぶつかる。ティエン川に出るとそのまま右に折れ、南の方角へと伸びた一本の道を川沿いに歩いて行く。道が狭まりカラフルなパステル調の壁が迫って来る。Sの字のカーブを越えると視界が開ける。その先は、まっすぐに伸びた道の両脇には民家がずらりと続き、区画の名?が記された看板が掲げられている。日本の長屋の雰囲気がある懐かしい雰囲気で、皆、家の前に出ては談笑しあっている。ここを道なりに南下し、しばらく歩き続けると道は途切れ二つの川をつなぐ水路にはばまれる。さらに向こうに見える島へと渡るには、この間を往復している船に乗らなければならない。船着場からは大きな、大きなティエン川がゆったりと流れているのが見える。

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NHAM DAN PHUONG 4 QUYET TAM DOAN KET
XAY DUNG DOI SONG VAN HOA !

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■ 白砂の道
すくすく育った緑はくすくすと笑い、わさわさと繁った緑がさわさわ揺れる。サデーク川に浮かぶ小さな中洲を貫く一本の道は白砂で、あたりをにぎやかな緑に囲まれている為、ここを歩いていると海沿いの町にやってきたかのような錯覚になる。

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祭壇の後ろに敷かれた日よけの為のピンクの布は、まるで炎のようにはためき揺れている。サデーク川からは夕日が差し込み、船着場近くにあった建物の床板に長い影をつくっていた。プラスティックの赤椅子は、発光ダイオードが光っているかのような人工的な色になっている。一瞬、潮風が吹いたかのような気がした。

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川の中では少年たちが鬼ごっこ?をしてはしゃいでいた。黄金色に輝く水しぶきが舞い上がる。

サデーク川とティエン川に浮かぶ中洲から見た青空市場のある街側の眺め。この場所は船着場になっていて、小さな渡し船が中洲と街とを定期的に往復している。
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■ 色鉛筆で青空に
サデーク川とティエン川の間に浮かぶ中洲にある船着場。小さな渡し船に乗って川を渡り、青空市場でにぎわう街側へと向う。料金:1,000ドン。
川下の方角にはサデークの街で一番背の高い教会の塔が見える。サデークの街のシンボルだ。夕日を浴びたカボチャ色の塔は、まるで今まさに青空にメッセージを書こうとしている色鉛筆のよう。太陽が沈んでしまう前に、感謝の言葉を残そうとしているんだ。船は旋回し投降口を西に向けた。ちゃぷり、ちゃぷりと船底に波が寄せる。3分程の短いクルーズ。


メコンデルタの河川
http://cantho.cool.ne.jp/mekong/water/river.html


Rivers in the Mekong Delta
http://cantho.cool.ne.jp/mekong/water/river_e.html



越南 | 沙瀝 (同塔省)
ベトナム、サデーク(ドンタップ省)
Sa Dec, Dong Thap Province, Vietnam
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2009年08月23日

Sketches of Sa Dec・サデーク素描 (4) 市場 -Vietnam, 2009-

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■ サデークのオープン・マーケット
サデーク川の沿道に野外市場が続く。びっしりと隙間なく重なる、大きなパラソルやビニールシートの屋根がアスファルトの道に、にょっきり生えてきたキノコのように見える。胞子がふり落ちて、日に日に増殖していく。

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市場で食事中のばっちゃん。ばぁさんの笑顔を見れば、その国が元気なのかが良くわかる。国の豊かさは、貿易総額や保有外貨の量などではなく、そこに住む人の笑顔の数で決まるもの。

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サデーク川沿いの道に野外市場が続いている。川側には魚貝類、橋のふもと側にかけては米や豆の穀物類の店が並んでいる。ベトナムの南部、メコンデルタは三毛作が可能な豊かな穀倉地帯。

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サデーク川にかかる橋のたもとから川沿いにずらりと伸びたオープン・マーケットも200m程歩くと終わりを迎える。ここが市場の尻尾部分。雑然としたのりしろがしばらく続く。

■ Cho Thuc Pham周辺
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サデークの街の台所。精肉と青果の市場。ここを中心に大小の市場が集まっている。中は鉄骨がむき出しで、倉庫のような作り。小型の飛行機が格納出来る程の広さと天井がある。この高い天井と全体を吹抜けにしたおかげで、炎天下の中でもこの市場だけは温度が上がらない。暑さで傷みやすい生物を並べるにとても向いている。光も届かずに真っ昼間でも薄暗く、外との輝度差が激しい。

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大きなレバーの塊

豚肉は捨てるところなく使われる。Cho Thuc Pham内は、西側に精肉売り場が集まり、サデーク川のある東側には生鮮野菜、南側に干物・乾物の店が並んでいる。

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にっこり微笑む豚さん。こうなればもう手も足も出ません。

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ベトナムの通貨「ドン」の由来は古く、16〜17世紀、日本との貿易で銅銭*を決済通貨としていた事に始まっているという。この「銅」が訛って「ドン」と呼ばれるようになった。

*日本の銅銭(寛永通宝)は材質の良さから東アジアの決済通貨の一つとして流通していた模様。
ベトナムでは19世紀、フランスに植民地化されるまでは朱印船による日本との貿易で銅銭が決済に使われていた。


ベトナム戦争の後、ベトナムは自国の経済を立て直す為に1986年12月「ドイモイ(刷新)」政策を掲げ近代化を図る。これは、中国が「改革・開放」路線で市場開放を行った8年後の事。そしてソ連がゴルバチョフのもと、ペレストロイカによる改革とグラスノスチ(情報公開)で社会主義国家としての転換を図った翌年である。政策面で近代化を図ろうとしても、変えられない機構上の大きな問題がいくつかある。そのうちのひとつが、自国で流通している通貨「ドン (VND)」に主権がない事。ベトナムの高額紙幣は「紙」ではなく、オーストラリアと同じ「プラスティック(ポリマー紙幣)」で出来ている。現在ではこのポリマー紙幣を採用している国は沢山あるけれども、驚くのは、自国通貨の印刷をオーストラリアに依託している事で、これでは国の財政状況が筒抜けになってしまうし、経済をコントロール出来ないのでは?と推測出来る。何故、他国に通貨の発行・印刷を任せてしまうのかは理解出来ないけれども、ポリマー紙幣自体は「紙製」のものよりも、破れにくく長く流通が可能だという利点もある。財布の中へと仕舞われたこのプラスティック製のお札は、中でこすれ合い静電気を帯び帯電し、やがて「電子のお金」へと姿を変える。銅という金属から紙幣へ、紙幣はプラスティックのお金へと変わり、最終的には電子通貨へと変貌する。銅から電子へ。これは「通貨」というものが何百年という時間をかけて、人を媒介にして電子分解したという事になるんじゃないだろうか。

参考:「ベトナム新時代」坪井善明、「現代ベトナムを知るための60章」


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■ Cho Sa Dec -Khu An Uong-
ショッピングモールとなったサデーク市場の裏には「Khu An Uong」の看板が掲げられたトタン屋根の市場があり、中では飲食店と青果売りの店が並んでいる。

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Cho Thuc Pham前のバイク置き場。サデークは小さな街なのに、市場前の小さな広場にもかかわらず、スクーターが隙間なくびっしりと並ぶ。皆、一体どっから来てるんだろうと不思議で仕方なかった。

■ サデーク川の渡し船
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青空市場側の船着場「Nha Cho」

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(サデーク川とティエン川の間に浮かぶ)中洲側の船着場。

サデーク川沿いに続く青空市場と対岸の中洲との間を渡し船が往復している。
船着場は青空市場の北側(川上方面)にあり、「Nha Cho」という青い小さな木の板が目印。
対岸へは約3分ほど。料金は、1,000ドン。


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便利!サデークの中心、市場周辺の地図。


越南 | 沙瀝 (同塔省)
ベトナム、サデーク(ドンタップ省)
Sa Dec, Dong Thap Province, Vietnam
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2009年08月13日

Sketches of Sa Dec・サデーク素描 (2) -Vietnam, 2009-

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■ 花の家
立派なブーゲンビリアのあるお家。この家を撮っていると勝手口からお父さんが赤ちゃんを抱きかかえにっこりと現れた。お父さんは自慢げに木を見上げ、「おーぃ、この家の写真撮られたよ」とお母さんを呼びに戻る。

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晴れた日は、洗いたての真っ白なスニーカーを履いて、でっかい青空の中を散歩しよう。歩き疲れたら入道雲のふんわりソファでひと休み。

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■ 白蝶
真っ青な空に、純白の雲が浮かぶ。太陽は肌を焦がそうと、いらぬおせっかいを焼いてくる。正午の街は少しばかり静まりかえる。皆、陽射しを避けようと戸口から出てこない。アスファルトの下からは、ぐんぐんと熱が放射されゆらゆらと視界が揺れる。意識がとろんと落ちた頃、目の前を真っ白な羽衣を着た天女が艶やかな長髪をなびかせ走り抜けて行った。わずかの間、暑さは止まり清涼な風が吹いた。サデークの午後、白い蝶が舞う。

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■ 竹線香
住宅街の片隅で、突然に新種のハリネズミのような放射状のトゲを持った物体が現れた。近づいてみると鮮やかな線香がきれいに並べられている。その色彩に見とれていると民家の倉庫からおじいちゃんが現れた。両手に線香を束ね、まぶした黄色い粉を払い落とす。そして、線香を易占い師のようにじゃらじゃらとほぐした後、一気に地面に線香を広げ並べてみせた。ほんの一瞬の間だった。鮮やかな手つきは手品を見ているよう。おじいちゃんはまたすたこらと倉庫へと戻っていった。
(*日本では、唯一「長崎」でこの竹線香(中国から伝わった)を作っています。)

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真っ青な空。照りつける太陽は眩しくて見えない。正午を過ぎたサデークの街は、皆一目散に日影を求め、そこから当分の間は出てこなくなるのでしんと静まりかえる。一生懸命に輝く太陽は、たくさんの汗をせっせとかいている。流れ落ちた太陽の雫は、2、3時間後に激しいスコールとなって地表に振りそそぎ、上気したアスファルトを冷やしてくれる。

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上空を吹く風は強く、雲はあっという間に流れ去って行く。

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サデーク・ホテルと郵便局とをまっすぐに結ぶフンヴォン通り(Duong Hung Vuong)。

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フンヴォン通りとチャンフンダオ通りをつなぐ横道、Duong Do Chien。

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■ サデークの郵便局
郵便局に入ると、窓口の奥には淡い黄色のシャツを着たお姉さんがいて同僚と楽しげに談笑していた。すごいきれかったのでカウンターごしに町のことを尋ねたりした。左側の棟はインターネット・ルームになっていて、中の部屋には20台ほどのパソコンがテーブルごとに並んでいる。ほぼ満席で、子供たちはオンライン・ゲームに夢中だった。

★日本へのエアメール (airmail to Japan from Vietnam)
葉書(小):8,000ドン
葉書(5x7インチ=2Lサイズ):9,000ドン

■ サデーク川とサデーク橋
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サデーク橋(Cau Sa Dec)からサデーク川の川上を望む。朝の柔らかな光と、空の青が混じり川に溶け込んでいる。小さな木船がポンポンポンと気の抜けたエンジン音を立てながら漁へと繰り出す。

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サデーク橋(Cau Sa Dec)はサデーク川に架かる全長128mの小さな鉄橋。ブークアン寺の向かい、フンヴォン通りから伸びていてチャンフンダオ通りをまたいで対岸へと繋がっている。橋幅は狭いけれど、交通量はとても多い。

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サデーク橋のたもとから見たブークアン寺。バイクが沢山停まっている右側のレストランが賑わっていた


■ Song on Cau Sa Dec
サデーク橋のたもとにあるスピーカーからは、メランコリックなメロディの奇妙な歌がめいっぱいの音量で流れていた。

■ サデーク川の対岸へ
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■ PHAN VAN UT
Cau Sa Dec(サデーク橋)を渡り東側の対岸へ。橋を降りるとロータリーになっていて、左手には手入れの行き届いた綺麗な公園が見える。歩き進むと「PHAN VAN UT(誰?)」と言う名の刻まれた胸像が南の空を見つめていた。

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■ パステルの家
Cau Sa Dec(サデーク橋)の東、橋の左側にはパステル塗装の家が並んでいる。ユニークなアーチの玄関や窓の形状、剥げ落ちた漆喰からのぞくレンガが時代を感じさせる。ここに住んでいる天井裏のねずみ達はタキシードを着て駆けずり回っていそうだ。

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■ 黄壁の家と教会
Cau Sa Dec(サデーク橋)を降り、ロータリーを左へ。「PHAN VAN UT」の胸像を通り過ぎ、川べりへと足を向ける。「Duong Lytu Trong」という路地をまっすぐに進むと、サデーク川が見えてくる。橋のたもとからひと区画をぐるりと一周した格好。川沿いに「Duong Le Loi」と名のついた道が走っている。「Duong Lytu Trong」と「Duong Le Loi」の角には美しい垣根とデコラティブな建物が見える。見上げると小さな教会だった。教会の横には淡いカボチャ色の壁と栗色の窓をした美味しそうな家が並んでいる。橋を渡ったサデーク川のこの東側は、向こう岸のにぎやかなフンヴォン通りとは違ってひっそり静まり返っている。

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■ ぎょろ目の漁船
サデーク川の川岸にはずんぐりむっくりとしたユーモラスな形の漁船が連なり停泊している。赤く塗られた船首には大きな目玉模様があってどこか愛嬌がある。船先に描かれたこの二つ目玉は獲物の魚を探すため、つまり豊漁祈願の意味が込められていて、さらに航海の安全を祈る魔よけの意味もあるという。船尾には居住スペースがあって、一家がここで寝泊まりし暮らしている。ほろ屋根の下では母親が炊事と洗濯をし、父親はハンモックに身を沈め子供達が遊ぶ姿に目を細めながらハンモックを静かに揺らしにこにこと見守っていた。

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自分の足をくわえるあひる。「内臓出てまっせ。」「いやぁ、暑いからちょい風にあててるんです。。」

■ 屋台通り
サデーク川と平行して走る「Duong Le Loi」を川上に、北の方角に向かって歩くと、にぎわいを見せる細い路地があった。その周りでは屋台と小さな青空市が開かれている。歩道にはプラスティックのテーブルと椅子が並べられ、おしゃべりと食が弾んでいる。スクーターで買いに来る夫婦、自転車を降りひと休みするばあさん、ほけっと座っている路地裏に住む近所の子供。湯気とパクチー、臓物の匂いがあたりに漂う。屋台の通りを過ぎると川沿いにココナッツの並木が続く。少し先にド派手な装飾の建物が見えてきた。そこはカオダイ教のサデーク支部だった。

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降りそそぐ陽射しが強ければ強いほど、頬にそよぐ風は心地よい。熱風でも潮風でもない、レースのようにさらさらとした風。サデークの街にあふれた花の香りと鳥たちの歌声をひとつに混じえ吹き寄せる。時折、郵便夫の鼻歌もどこからかまぎれ込んでくるが気にしない。この街で退屈しない方法。何もしないこと。


SA DEC - VIETNAM - MEKONG RIVER
http://www.luxurymekongrivercruise.com/destination/Sa-Dec.html

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