2010年11月18日

タッカウの船着場 -Vietnam, 2010-

■ ラックザーからタッカウへ
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バスの中、まるで座席を予約していたかのように前部のクッションシートに腰掛け、ポケットから取り出したお金を数えはじめる渋いおっちゃん。くわえ煙草も様になっている。

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ラックザー市内。

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国道61号線沿いにある小さなクメール寺。

ラックザーでの宿「Hotel Thu Van」前を走る通りは東に200メートル程歩くとローカルバスの発着するバスターミナルがり、回送を終えたバスが停車している。宿を出るとちょうど赤と黄色のペイントされた「1番」のシールがフロントガラスに張られたローカルバスが停まっていた。
国道61号線沿いにある「TAC CAU」という船着場へ行きたかったので、その方面のバスを探していた。カマウからラックザーへ来るときに見た車窓で、国道沿いに大きな壁画看板がかかっていて、それがどうも気になっていた。もう一度そこへ立ち寄ってみたいと思っていた。バスに乗っていた運転手に行き先をたずねるとちょうど「TAC CAU」へ行くとの事だった。さっそく乗り込んだ。誰もいない一番乗りのバス。前日壁画を見た側が右手方向だったのを思い出し、今度は反対方向になるので左側の席に座った。運賃:7,000ドン。
バスは12時前に発車。ラックザー市内を走り抜けラックソイを通過しタッカウへと向かった。はじめはまばらだった乗客も、停車するごとに乗客を拾っていき次第に満員となった。白いアオザイ姿の女子学生が沢山乗り込んできて古びた車内が少し華やかになる。12時45分、バスは終点のタッカウへと到着した。お目当ての大きな壁画は、途中走った国道61号線沿いにあった。帰りに寄ることにしバスを降りる。

■ タッカウの船着場
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目の前をカイロン川 (Song Cai Lon) がゆったりと流れている。川からは狭まった細い運河が伸びていて、向こう岸のXeo Roとを結んでいる。

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バス乗り場近くの通り。

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船着場のバイク専用ゲートの入口。

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ゲートの中。けっこう長い。

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フェリーが到着するまではこの柵の中で待つ。
わずかな待ち時間ながら、軽食の売り子が集まってくる。
動物園にいる動物になったような気分。

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宝くじ売りの女の子とおばさん。

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発馬機の中でかまえる馬のよう。

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対岸のXeo Roからフェリーが到着し、乗せていた荷がはけるとゲートが開いてところてんが押し出てくるように威勢よくバイクが飛び出てくる。

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Xeo Roからフェリーが着岸したところ。

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ラックザーの入口にあるゲート。

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ラックザー市内へ到着。リキシャと並走。

■ タッカウからラックザーへ
タッカウの船着場周辺を撮影した後、ラックザーへと戻る事にした。船着場の近くにあるバス乗り場にちょうどバスが停まっていたので、運転席でくつろいでいた運転手にラックザーへ行くのかを尋ねると、「ああ、これに乗ってきな」という返事が返ってきたので、そのままバスに乗り込んだ。行きしは「1番」のバスだったが今度は「2番」のバスだ。運賃は行きと同じ、7,000ドン。
14時前にバスは発車。乗客は僕を合わせて3人と少ない。バスは国道61号線をラックソイ (迪秋) に向かって走る。10分と少しを走ったところで、気になっていた大きな壁画が建っている場所を通過した。運転手に一声かけて降ろしてもらう。そして、国道61号線沿いを来た方向に戻るように撮り歩いた。
サッカースタジアムの前で、再びラックザー行きのバスが来るのを待つ。国道沿いを撮り歩いていた時は頻繁に走っていたバスも、いざ乗るために待つとなった途端にパタリと通らなくなった。そうしてる間にバイクやスクーターが目の前をびゅんびゅん走っていくのでうらやましげに姿を追っていた。日が傾き始める。そして、少し経ったところで待望のラックザー行きのバスが現れた。運賃は6,000ドン。少し安いのは途中乗車だからか、その料金のバスだからかは不明。時刻は15時40分。バスは、ラックソイ (迪秋) を経由して、16時20分、ラックザーへと到着した。キエン川の橋 (Cau Song Kien) を渡ったところでバスを降りた。


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カマウからラックザーまでの簡略移動地図。

越南 | 迪石 (建江省)
ベトナム・ラックザー(キエンザン省)
Rach Gia, Kien Giang Province, Vietnam
*キエンザン (ラックザー) はクメール名で「クラムオンサル」という。「白いろうそく」の意味がある。

2010年11月02日

Sketches of "Rach Gia" -Vietnam, 2010-

■ ラックザー素描(ベトナム・メコンデルタの街)
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■ 「楽じゃ」ないラックジャーの発音
ラックザーはメコンデルタの大きな街カマウに比べると建物密度が広く、徒歩での移動だとけっこう距離を歩くことになる。全体的に広いがために街の中心となる場所 (その多くは市場になるが) が見当たらない。街の真ん中を流れるカイロン川に沿って河口へと歩いていくと、フーコック島への船着場が見えてくる。
「ラックザー」の発音はむつかしく、ちゃんと言おうと思ったら少し練習しないといけない。カタカナ表記では「ラックザー」と書くのが最も浸透しているが、「ラックヂャ」の方が随分とその発音に近い。それでもまだ十分ではなく、「ヂャ」の部分にカタカナでは表現できない粘りがある。
カタカナがむつかしいければ、アルファベットでなら随分と近い発音を言う事が出来る。アルファベットの綴りは「Rach Gia」。問題の「Gia」の部分を言い表すには、「d」と「j」をフードプロセッサーに放り込んで8回転半、程なく混ざったところを取り出せば、これで完璧。
いや、日本人だからどうしてもカタカナにこだわりたい!のなら、少し暴力的になるけれど、顔面を壁にぶちつけて鼻血を2、3滴たらしながら「また今度」の気持ちを込めて「ぢゃ!」と言えば多少は通じやすくなる。どちらにしても、上手くこの街の名を呼ぶのには工夫がいる。

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フーコック行きの埠頭からタイ湾に沈む夕日を望む。黄金色に輝く水平線。錬金術師の溶炉を覗いたかのような海の中には二艘の小さな木舟が浮かんでいた。

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埠頭に建つ展望塔。

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帰宅途中の女の子。

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タイ湾に沈む夕日。

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ボートが着くやいなやセーオムの運転手達の猛烈な客引き合戦が始まる。

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キエン川の河口。

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■ フーコック島行きの埠頭
キエン川がタイ湾へと流れ出る河口付近には幾艘もの漁船が停泊している。タイ湾に面した側にはフーコック (富国) 島行きのフェリーが接舷する。キエン川沿いには、フーコック (富国) 島への乗船券を販売する代理店がいくつか並んでいて、客を目当てに軽食の販売やセーオム (バイクタクシー) の運転手が集まっていてにぎやかだ。フランス人旅行客を何組か見かける。

埠頭付近は海の眺めがいいので、アオザイ姿の女子高生らが帰宅途中に立ち寄っておしゃべりに花を咲かせる場所になっている。係船柱に腰掛けて夕日を眺めながら、近くの屋台でご飯を買ってきてわいわいやっている姿は微笑ましい。ほお張っていたのが、お菓子でなくちゃんとしたご飯だったから食べ盛りなのかな、けっこう恥ずかしそうにしていた。

埠頭に建つ展望塔に昇ろうとらせん階段を一段ずつ上がっていくと、一周ほどした途中の段で女の子二人が夢中になって漫画を読んでいた。手にしていた本を見せてもらったら、なんとビックリ!「あさりちゃん」のベトナム語版だった。ベトナムではすごく人気があるそうだ。階段の先には扉があり、鍵がかかっていたので展望塔の途中までしか昇れなかった。

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夕日に透けるブーゲンビリア。

■ Duong Phan Boi Chau周辺の路地裏
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古壁とおんぼろバイク。

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電柱に咲く花。

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厨房裏にて。

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建築現場そば。

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白壁と青窓。


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国道61号線沿いにあったかわいい門扉
(Rach Soi - Tac Cau)


越南 | 迪石 (建江省)
ベトナム・ラックザー(キエンザン省)
Rach Gia, Kien Giang Province, Vietnam
*キエンザン (ラックザー) はクメール名で「クラムオンサル」という。
「白いろうそく」の意味がある。

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2010年09月10日

Sketches of Soc Trang・ソックチャン素描 -Vietnam, 2010-

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■ 宝くじ売りの少年
ヴィンロンからソックチャンへ到着し宿を探す。「フンヴォン通り (Duong Hung Vuong)」を歩いていると、「ねぇねぇ、どこ行くの?」と人懐っこい男の子が駆け寄ってくる。「泊まるところ探してるんだよ。近くにないかな?」と返すけれども、当然この子に分かるわけなく「それよりさ、宝くじ買ってくれない?」と手にしている宝くじの券を広げてみせる。くじには一等の一戸建て新築住宅の写真がきらびやかに印刷されている。「もし、当たってもきっともらえないからね。」と言ってみるけれども、男の子は暇つぶしを兼ねてしばらくの間付き添うように僕のあとをついて来た。


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■ ソックチャンの造り醤油屋「香合-HIEP HUOUNG」
ソックチャンの繁華街にある市場「Cho Trung Tam Thanh Pho Soc Trang」の近くにある一軒の邸宅。ここが普通の家とちょっと違っていたのは、敷地の中にいくつもの瓶が並んでいたこと。瓶にはベトナム人がよく被っているノンラー (平べったい円錐形の藁帽子) のような蓋がかぶせられている。少しずらされていた蓋の下からは、瓶の口までいっぱいに満たされた褐色の豆のようなものがのぞいていた。あ、これはきっと醤油だなと思い、どんな味なのかを試してみたくなり門の前から家の人を呼んで中へと入れてもらった。

呼ばれるままに現れたおばさんは上品な身のこなしで、自分を呼んだ相手がお得意さんじゃなかったのがわかると、途中で止めた用事の続きをするために「もうちょっと待って」と一度ひっこんだ。そして、数分後に再び現れる。並んでいた瓶の中で発酵している豆をのぞき込んで、おばさんに「これ、醤油?」と尋ねてみると、「ちょっとすくってみな」と笑みをうかべる。

間近で見るこの漆黒の液体にどこか威勢を感じる。そっと、この液体に小指をひたしすくい上げる。小指の先は褐色の液体でつややかに光っている。そのまま口の中に入れ味を確かめた。確かに醤油だ。ふくよかな甘味がある。九州の甘口の醤油と似ていて、醤油というよりもソースに近い感じだった。おばさんに礼を言ってここを出た。


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■ Bao Tang Tinh Soc Trang
ソックチャンのバスターミナルを南東へ、「フンヴォン通り (Duong Hung Vuong)」をしばらく歩くと左手に広い敷地が見え、中の広場には塗り直されピカピカに磨かれた戦車や大砲、水陸両用車が置かれていた。あまりの保存状態の良さにまるでプラモデルの展示を見ているかのようだった。ここはベトナム戦争の資料館のようだ。当の施設はまだ完成はしてない様子で、奥の建物を訪ねたが誰もおらずでもぬけの殻だった。 (2010年1月時点)

今はこうして、動かない戦車に近づき目の前に見ることが出来るけれども、戦争当時はこれが田んぼしかないこの一帯を火を噴きながら走りまわっていたのを想像するとゾッとする。40年以上も前のこと。

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マスペロ川沿いに規則正しく並んだパステル調の家。

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標識の裏側が気にかかります。駐輪禁止!やったりして。

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バイクの修理工の店。

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駄菓子売りの屋台。

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ベトナムやのに「昭和モダン」を感じさせる石造りの建物。築地あたりにありそうなたたずまい。

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味壁。土台の煉瓦がむき出しに。


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夕日に染まるマスペロ川。夕空に網が投げ込まれたような雲が浮かぶ。

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夕涼みをしに川岸にやって来たおばちゃん。

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川面に街灯がにじむ宵のマスペロ川。
川沿いの遊歩道は夕涼みにとてもいい。


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米粉を練っているところ。けっこうな力仕事。

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練った米粉を押し出して熱湯でゆがく。

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冷水で麺を絞めている。手作業です。
そして、適当な分量で分けてざるで水を切った後乾燥させる。

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■ ソックチャンの製麺所
マスペロ川にかかる「30/40橋 (Cau 30/40)」の西側、川沿いにある小さな製麺所。
水蒸気がもうもうと立ち込め熱気がすごい。
近所中から野次馬が沢山集まってきた。


越南 | 蓄臻 (朔庄)、蓄臻省
ベトナム・ソックチャン (ソックチャン省)
Soc Trang, Soc Trang Province, Vietnam
*ソックチャン (カインフン) のクメール名は「クレアン」という。

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2010年08月26日

おべんちゃら少年

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少年「ぼく昨日から何〜も食べてないんだ。ねー、ちょっとお金ちょうだい。お腹ペコペコだよ。」
おねえさん「・・・」

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少年「おねえさん、その真っ赤なアオザイすっごい似合ってるネ。スタイルもバッチリだし、素敵ダナ。すらっとした足にクラクラしそう」
おねえさん「そんな事ばっか言って、すぐにお金がもらえると思ったら大間違だからね。。仕方ない、これでちゃんと食べるのよ」

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少年「うん!ありがとー。」
おねえさん「ホンットにもう。。こんな小さい子が物乞いをするなんて。。でも、きっとワタシの美しさも、、いけないのよね。。ふう」

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俺「おい坊主!お前、ガキのくせになかなかやるやないか。」
少年「エヘッ!」


「Cho Nong Hai San」前の通りにて。


越南 | 迪石 (建江省)
ベトナム・ラックザー(キエンザン省)
Rach Gia, Kien Giang Province, Vietnam

2010年08月18日

Sketches of Vinh Long・ヴィンロン素描 -Vietnam, 2010-

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■ 朝食散歩
ヴィンロンで一泊した翌朝は早朝の6時を過ぎた頃に目覚める。身仕度をし7時半過ぎに外へと出た。前日のサデークでの撮影が充実していた為に、ヴィンロンでは小休憩する事に決めていたのでのんびりと街を散策出来る。宿のあるフンヴォン通りを南に歩くと、突き当たった右の角地からもくもくと白煙が道をふさぐように立ち込め、同時に肉を焼く香ばしい匂いが漂っていた。狼のようになった鼻が率先して身体を煙の中へと導いていく。煙の素性は、カリカリに焼かれた骨付きのスペアリブだった。この角地にある簡易屋台は、役所のような敷地の駐車場を利用して営業されていて、おそらく仕事の始まる時間になると店じまいになる様子だった。ガレージセールのような雑然とした雰囲気がいい。胃袋がキュイっと鳴ったので、そのままテーブルについてさきほどのスペアリブとご飯を注文した。骨付きのスペアリブとご飯、サラダ、スープ付で2万ドン。空いたテーブルの向いにおっちゃんが腰掛ける。ちょっとした会話のあと「ソックチャン」までの行き方を尋ねると、ちょっと待ってとポケットからケータイを取り出して何やら検索しはじめた。グルグル。少し経った頃に僕にケータイの画面を見せてくれた。そこにはヴィンロンからソックチャンまでのルートが示されていた。「オー、進化してるねベトナムのケータイ」と言うと、おっちゃんはニヤリと笑って「こういう風に行けばいいのさ」とケータイをポケットに仕舞った。「ありがとう(うん、まぁ、場所は分かってるんやけどね。どうやって行ったらいいのかを聞きたかったんだよなぁ)。」と、お礼を言うか言わないかの間にもうおっちゃんは目の前の朝食を黙々と食べ始めていた。間もなく、僕の頼んだのもやってきて甘辛のソースを付けながら夢中で食べた。お腹が満たされたので、もう一歩きして宿へ戻ることにする。ガレージ屋台を出ると「2 Thang 9」通りを左に進む。少し先に橋が見えたのでそこまで歩いた。ロンホー運河に架かる「Cau Thieng Duc」という全長106mの橋だった。橋の中腹で朝日に輝く運河を眺める。橋を反対側まで渡り切るがすぐに引き返す。帰り道は橋のたもとから伸びた「30 Thang 4」通りを北に歩いて宿へと戻った。

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■ Cho Vinh Long
ヴィンロンにある大きな市場。「3 Thang 2」通りをまたいで2つの棟が渡り廊下でつながっている。北側の棟には衣料・装飾品の店がひしめきあう。

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「Cho Vinh Long」向いにあるローカルバスのターミナル前にて。なかなかりりしい顔つきの犬。

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■ レトロ観覧車
ヴィンロンの街の入口にある大きなロータリーを西の方角へ。国道1号線 (QL1) をしばらく歩き進むと、右手にエリンギきのこのような形をした給水塔が見えてくる。道路 (QL1) を挟んだその斜め向いにはさびれた遊園地があって、日が暮れる頃になるとゴーカートやジェットコースターがガラゴロと音を立て動きはじめる。「スタートレック」の舞台セットにありそうな近未来的な香りのするゲートをくぐった入口正面に小さな観覧車がぽつんと置かれていた。遊園地の奥には中学校の体育館がありにぎやかな声が響いている。

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「国道1号線 (QL1)」沿いに店をかまえる寝具店の看板と時計台。時計は9時5分を指したまま止まっている。

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ヴィンロンの街の入口にある大きなロータリーを西の方角に。国道1号線 (QL1) に1km弱程を歩くと、右手にエリンギきのこの形をした塔が見えてくる。西の空はオレンジ色に輝き、大きなキノコもその柔らかな光を浴び一段と大きく育っているようだった。

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バインミー(Banh Mi= ベトナムのサンドイッチ)の屋台の調理場。ハムが美味しそう。

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Lo橋 (Cau Lo) から、カイカ運河に浮かぶ水上ハウスの眺め。

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ヴィンロン市場 (Cho Vinh Long) 前の交差点。

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フンヴォン通り (D. Hung Vuong) にある屋台に夕食を買いに来た若いカップル。

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閉店間際の屋台。フンヴォン通り (D. Hung Vuong) にて。


越南 | 永隆 (永隆省)
ベトナム・ヴィンロン (ヴィンロン省)
Vinh Long, Vinh Long Province, Vietnam
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2010年06月02日

Sketches of Ha Tien・ハティン素描 -Vietnam, 2010-

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ハティンとサーシアの間をつなぐまっすぐに伸びた一本の道。両わきには水田が広がっている。小学校?を目印にY字に枝分かれをしている。にぎやかな声。制服を着た少年、少女らのグループが時折通り過ぎていく。自転車は牛が歩く程のゆっくりとした速度で、おしゃべりに夢中。アスファルトを走るタイヤはさざ波のような音を立て、小石をはじく。蹴飛ばされた小さな石は、新天地を求めて路肩を歩いていた蛙の目の前をかすめて転がっていった。驚いた蛙は小さな目玉をくるりと半回転させ、再び見知らぬ地へと歩みはじめる。

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長く閉ざされすっかりと錆び果ててしまった門扉が緑の中に埋もれている。門番として咲き続けるブーゲンビリア。緩やかな弧を描いて花枝はしなだれ、あでやかな花弁は風に揺られるたびに地面にやさしく口づける。

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泥だらけのバイク (Muddy Wheel)

ハティエンからカンボジアとの国境サーシアへ向う途中、民家(食堂?)の軒先に停めてあったバイク。カンボジア側は未舗装の赤土(ラテライト)の道なので、良くカンボジアへは行っているんだろうな。

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■ 風速YELLOW
前方からやってきた自転車には花柄の黒帽子、ピンクのフリルのシャツ、黄色の上着を羽織った行商のおばちゃんが乗っていて、力一杯ペダルを漕ぎながらカンボジアとの国境「サーシア」へと急いでいる。荷台にはつめるだけ積んだ売り物の数々。鮮やかな黄色の上着をなびかせ、こぶし二つ程のわずかな間隔ですれ違った。

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ハティンからカンボジアとの国境サーシアへと続くまっすぐに伸びた道。(ハティン側に向かって)
左奥に見える突起した岩山は「タッダン」。

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学校を終え仲良く下校。

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To Chau通りとChi Lang通りの角地に建つモダンなガラス張りの建物。一階は店舗 (雑貨屋) になっている。

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時計や電卓などの修理をしているおっちゃん。ダンディやね。大きなパラソルの下に白枠のショーケースを置いて、そのすぐ横にあるリクライニングチェアでのんびりと客を待っている。

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なんだか妙に色気のあるシーツ。Chi Lang通り(Duong Chi Lang)にて。

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ハティエンは、トーチャウ橋の東側たもとから街の中心部が広がっている。トーチャウ橋を挟んだすぐ西側は造成の真っ最中で、敷き詰められた砂利の道に沿って芽生えたもやしのような街灯の電柱が無数に並んでいた。

越南 | 河仙 (建江省)
ベトナム・ハティン(キエンザン省)
Ha Tien, Kien Giang Province, Vietnam
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2010年05月27日

トーチャウ橋 -Ha Tien, Vietnam 2010-

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アオザイ姿でスクーターをかっ飛ばすカッコ良さ。長い黒髪をなびかせるのが流儀です。

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タイ湾の彼方、水平線に夕陽が近づこうとしている。トーチャウ川に架かる大きな「トーチャウ橋」から西の海を望む。一面に広がる深い藍の海は潮の香りのするテーブルクロス。シャンパン色に輝く夕日が藍色のテーブルクロスにさざ波の模様をつける。はじける笑い声が橋に響く。柔らかな光に包まれ、学校帰りの真っ白のアオザイを着た少女たちが橋の上を滑り抜けていく。シャンパングラスの中に浮かぶ泡のように、現われては消え、現われては消えと。夕陽は水平線に触れた。海と反対側の街にネオンが灯りはじめる。小さな街だからネオンと言っても全く派手なもんじゃない、プラスティック製のおもちゃのような可愛らしい光。

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トーチャウ橋からタイ湾に広がる西の空を望む。

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トーチャウ橋からの夕景。インディカ米のように細長いボートが何艘か漁に繰り出す為、河口から海へと走る。本当に海に「米粒」が浮かんでいるように見えた。

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西の空を背に、橋から街を望む。クリーム色に塗られた市場「Cho Ca」が少し先に見える。

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橋のたもとの一角は再開発で更地になり造成中だった。のんびりとした街には似合わない大きな建物の着工が進んでいる。トーチャウ川の川上側にあったもうひとつの橋、ボートをつなげて作った「浮き橋」はもう無くなっていた。これからどんな街に変わっていくんだろうなと、しばらくの間、街灯りをぼんやりとながめていた。


越南 | 河仙 (建江省)
ベトナム・ハティン(キエンザン省)
Ha Tien, Kien Giang Province, Vietnam

2009年06月22日

独立記念日のミエンタイ・バスターミナル -2009-

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7時半に起き、荷物をまとめてチェックアウト。フロントの兄ちゃんが「どこへ行くんだい?」とたずねてきたので、「サデークへ行くよ」と答えると、ひと呼吸置いて「今日はIndependence Day*だ」とぽつりと言った。この時は、何かの記念日程度なんだなとこの言葉の意味を軽く思って、全く気にもとめなかったけれども、後々にこれが予定を大きく狂わせる事になる。

チャンフンダオ通りを歩いて「ベンタイン・バスターミナル (Ben Xe Ben Thanh)」へ。そこで「2」番のバスに乗り「ミエンタイ・バスターミナル」へと向かう。3,000ドン。8時10分に発車し、8時45分に到着。「ミエンタイ・バスターミナル (Ben Xe Mien Tay)」はホーチミンの南にあるメコンデルタ方面へのバスが発着するバスターミナル。ミエンタイ・バスターミナルが近くなるにつれ、人で溢れかえっている。ゲートをくぐると、その人数に驚く。窓口には人々が殺到していて、とてもたどりつけそうにない程だ。人の波をかき分けて入っていっても、すぐに横から入り込んで来る。群集の熱気で根気、忍耐力が吹き飛ばされなかった人だけが、窓口でチケットを手に出来る。

*4月30日は、南ベトナム開放記念日で祝日。

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窓口に殺到する人々。先頭にたどりついたとしても後ろから圧迫されて息苦しい。

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何故、これほどまでにバスターミナルが混みあっているのかが分かった。4月30日は南ベトナムの開放記念日で祝日、翌日、5月1日はメーデー、そして5月2日・3日は土日なので休み。つまり、この日は4連休の初日だったのだ。窓口でのバス運賃の値段は連休仕様に高騰し、各窓口に掲げられたボードに載っている通常価格の1.7倍*近くになっている。それでもチケットは売り切れ状態で、「いつのバスなら空きがある?」と食い下がっても、「もう今日のチケットはない、明日また来い」の一点張り。

1時間半近く粘ったけれども、中にいる事務員ですら、バスがいつやって来るのかすら分かっていない様子なので、今日の「サデーク」行きは諦める。しかし、明日またやって来たとして、この状態だとバスには乗れそうにもないなと不安がよぎる。他の方法を考えるため、一旦、このバスターミナルの混沌から離れる事にした。「2」番のバスにのり、ベンタイン・バスターミナルへと戻る。3,000ドン。


*サデークまでのバス料金:
窓口の表示では60,000ドンだったけれども、一枚のコピー用紙が貼られ100,000ドンになっていた。
翌日は82,000ドンとの事。混み合う祝日は割り増しになるようだ。


4連休で混み合うバスのチケットをどうやって確保するのかを思案する。また明日、座席が取れるのかも分からないチケットを求めミエンタイ・バスターミナルへ行くのか、それとも、サデーク行きはあきらめてさっさとカンボジアへと向かうのか。今回は日程が短いので、連休が終るまで待つという選択肢はない。いい答えが出ないまま、乗っていた「2」番のバスはベンタインへと着いた。そのままファングーラオ通りへと向かい、朝にチェックアウトしたばかりの「MINH CHAU HOTEL」へと出戻った。フロントの兄ちゃんは、また現れた僕に驚いた顔を見せ迎えてくれた。これまで泊まっていた同じ部屋に案内され、荷物を置いた。一服したあと、De Tham通りに並ぶ旅行代理店へと足を向ける。バスの手配もしているかもしれない、そう思い、何軒かをのぞきながら歩いて「VIETSEA TOURIST Co., LTD」という店のカウンターに座った。店の入口に立っていたおばさんの応対が上品だったから。カウンターの担当の女の子も、きちんとした対応でしっかりとしている。さっそく明日の「サデーク」行きのバスがあるかをたずねた。すると、女の子は受話器を取りどこかへとかけてやりとりを始める。話は長引いた。その間にも僕の気持ちはドキドキもので、電話が終るなり「No, We don't have」という言葉が出ない事を祈った。2、3度、電話を切ったりかけたりをくり返し、受話器を持ちながら女の子の口から時刻と値段の言葉が出てきた。「ここに14時、料金は12ドル」、そして目で僕に了承を求める。僕は、すぐにうなずいた。彼女はチケットの手配を伝えた様子で、それが終ると電話を切った。机の引き出しから書類を手際よく取り出して書き込み、詳細を僕に伝える。「明日14時にここの前に来て、それからバイクタクシーでオフィスまで向かいます。その後、バスに乗って下さい。料金にはバイクタクシーの分も含まれています。」と。乗れるかすら分からないミエンタイのバスよりも、少し高いけれども確実な方が安心だ。財布からドル紙幣を取り出して支払いを済ませる。去り際に、女の子が不思議そうにたずねてきた。「何故、サデークに行くの?」カントーやミトーなど、他のメコンデルタの町でないのを珍しく思ったのだろうか。僕は「名前がキレイだから」と答えた。すると、彼女はくすっと笑って「また明日!」と笑顔で見送ってくれた。


越南 | 胡志明市(西貢・柴棍)
ベトナム、ホーチミン(サイゴン)
Ho Chi Minh City (Sai Gon), Viet Nam


2009年05月26日

Sketches of "Ho Chi Minh" ホーチミン素描 -Vietnam, 2009-

■ タンソンニャット空港からホーチミン市内へ
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Duong Pham Ngu Lao

タンソンニャット空港の入国審査を終え、荷物を背負って空港の出口へと向かう。この空港の新しいターミナルは、2007年の夏に出来たという事でまだピカピカだ。エスカレーターを降りると、出口付近に両替所が数軒並んでいた。まだドン(ベトナム通貨)を手にしていないので、少しだけに両替しておくことにした。財布から10ドルを取り出しわずかにレートの良かった「EXIM BANK」で両替をする。女の子の着ていた真っ青なアオザイの制服がかわいい。

レート(2009年4月時点):
・1 USドル=17,840ドン
・1 ユーロ=23,335ドン
・100円=18,669ドン(*後で市内のレートを見ると日本円は空港の方が良かった。)


空港を出るとタクシーの客引きが寄ってくるが、相手にせずバスの乗場を探す。少しわかりにくかったが、出口を出て少し先の右側の柱の向こうに市内へ行くバスが停車していた。「152」番と書かれたこのバスは、市内中心部のベンタイン・バスターミナルと空港とを往復している。乗客はまだ数名。大阪からやって来た日本人の女の子が乗り込んで来た。発車までの間、互いの旅の予定などの話を少しする。会社を辞め次の仕事を探すまでの間、3週間程ベトナム巡りをするとの事でとてもうれしそうだった。15時30分、バスは発車。間もなく係員が料金の徴集にやって来て、3,000ドンを支払う。夕方の渋滞に巻き込まれながら、バスはたどたどしく走る。道路はバイクで埋め尽くされ、まるで蟻の大群の中にいるかのよう。溢れた連中が歩道にまで乗り出して走っている。16時15分、ベンタイン少し手前のファングーラオ通りにさしかかったので降ろしてもらう。同乗の女の子もここで降り、ネットカフェを探すと言って歩きがてらに別れる。安宿の集まる地区だけに、外国人の密度が高い。呼び込みの声も方々からかかり落ち着いて歩けない。良さそうだと思った宿の値段を何軒か聞いて回り、おおよその相場を頭に入れ、ブイ・ヴィエン通り(D. Bui Vien)にある「MINH CHAU HOTEL」という宿に泊まる事にした。一泊10ドル。エアコン・ホットシャワー付。窓ありの部屋は13ドルだそうだ。17時、チェックイン。部屋に入って、荷物を降ろしベッドの上に転がった。大の字になって、ペパーミントグリーンに塗られた天井をしばらく眺める。

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明け方に降った短い雨は、くすんだホーチミンの街並をつややかにする。でも、それもほんのわずかの間。バイクの縦列と走音が、すぐにまたもとの濁灰色の世界へ変えてしまう。朝の散策。水たまりには空が写っている。大きな雲が足元をゆっくりと流れる。

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信号機

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ホーチミンの中華街、「チョロン地区*」へ行くためベンタイン・バスターミナルへと向かう。

■ ベンタインからチョロンへ
ベンタイン・バスターミナルで、「1」番のバスに乗りチョロン・バスターミナルへと向かう。料金は、3,000ドン。「チャンフンダオ通り(Duong Tran Hung Dao)」をひたすらとまっすぐに走るとチョロン地区へとたどり着く。「チョロン・バスターミナル」までは約30分弱。バスは「Chau Van Liem通り」にさしかかると左折するので、ここでバスを降りた。「チャンフンダオ通り」とこの「Chau Van Liem通り」の交差点に立つと、進行方向、つまり西向きにチャタム教会という大きな教会が、まっすぐに伸びた「チャンフンダオ通り」の先に居座るように建っている。

*「チョロン」とはベトナム語で、大きい(Cho)、市場(Lon)の意で、この地区の中心には、ビンタイ市場(Cho Binh Tay)という大きな市場がある。(ホーチミン市・5、6区(Quan 5,6)にあたる)

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ややくすんだ社会主義的な色の光を放つネオンが灯り、街は夜の化粧をしはじめた。雲はまだ去るのが名残り惜しいのか、藍色の空の下でもくもくとふかしている。すると、あっという間に薄灰色の空へと変わった。小さな雨粒が、熱くなった腕にぽつりぽつりと降り始め肌を冷やす。近くにあった大きなネオン広告の下へ行って雨宿り。見上げると、雨の雫はチカチカと瞬くネオンに照らされ、ビーズ玉のように色付いて落ちて来る。

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「MINH CHAU HOTEL」の一室で少し身体を休めたあと、街へと繰り出すことにした。暑さと湿気が体中の水分を吸い上げ、身体はカラカラの状態。手足の先がしびれてきている。近くの店でミネラル・ウォーターを買い一気に飲み干した。「Tran Hung Dao」通りを歩き、ベンタイン市場(Cho Ben Thanh)へとたどり着く。広い空の下、古いネオンの瞬きと、道から溢れそうな程、沢山のバイクの流れが光の帯を作っている。

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チャンフンダオ通りで見つけたクラブ、「ゴシップ・クラブ」。
Gossip Club
http://gossipclub.com.vn/

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Ky Con通りとYersin通りにはさまれた小島に店を構えるガソリンスタンド「陳天加油站」。
映画のオープニングに出てきそうなたたずまい。

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チャンフンダオ(Tran Hung Dao)通りと、グエンタイホック通り(Duoung Nguyen Thai Hoc)の交差点。小雨がパラつく中、おびただしい数のバイクが道を埋める。


越南 | 胡志明市(西貢・柴棍)
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