2017年10月04日

世界の鉄道:洪水のあと、一面水世界となった平野を走る列車(タイ)

ThailandRail-AfterFlood-2011.jpg
* 下動画からのキャプチャー画像

今年の 8/29、インドを襲った豪雨により大都市ムンバイは冠水し、ニュースサイトなどではこのときの街の様子が大きく取り上げられていた。インドの人たちは大きな災害に見舞われた、というよりも、いつもよりちょっと雨が多いね、みたいな感じで、さほど驚いているでもなく、水に沈んだ街の中を行き来していて、バスやトラックなんかも半分くらい浸かりながらも平気で走っていた。このあたりのたくましさというか、感覚の違いって、ちょっとしたことで大騒ぎする日本とは正反対で、都市インフラの精度の高さと快適な安全性に守られることは、人間的というか、人が本来持っている野生性を蝕んでいるように感じてしまう。

下動画は、2011年、タイで洪水が起きたときのもの。進出していた日本企業の工場などが大きな被害を受けたので、日本でも大きなニュースとして取り上げられていたので、この話題、覚えてる人もきっと多いだろうと思う。つい2、3年前のことだとばかり思っていたけど、もう6年も経っていたんだ。この洪水によってタイ平野部は広範囲で水没し、線路だってもちろん水の中。しかし、そういった中でもタイの列車は関係なく運行するもんなんだなと、あまり見慣れないこの類の映像を見ながら思ったり。もしかしたら当時の報道のときに、この動画が少し流れてたような記憶もしつつ、どうやったかはすっかり忘れてしまった。まぁただ、明るい太陽の下、緑がちらほらと見える中で、しぶきをあげながら静まった水面を走る鉄道の映像は「千と千尋の神隠し」の後半シーンを思わせるものがあって、ちょっと異世界っぽく見える。



SRT : Thailand Big Flood 2011 HD , รถไฟไทยลุยน้ำท่วม 19.10.2011
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2017年09月24日

世界の鉄道:ポストイナ鍾乳洞の地中トレイン(スロヴェニア)

Cap-PostojnaCaveTrain-Slovenia.jpg
* 下動画からのキャプチャー画像


ふと、岩窟や岩山の間を走っていく列車の映像が頭の中に浮かび、どこかでそういう動画か映像でも見たっけな? なんて思い返しながら、残像の消えないうちに何かそのイメージに近い動画がないものかと探してみることにした。思い浮かんでいるのは、カッパドキアをもっと荒くしたような岩壁の間をすり抜けてゆく古びた鉄製の車輌。through / cave / railway のキーワードを検索窓に放り込むと、何か見慣れない鍾乳洞のようなサムネイルがいくつか出てくる。おもむろにいくつかをクリックしてみると、けっこうでかい鍾乳洞の中を列車が走っていた。はじめは本物の鍾乳洞ではなく、アミューズメント・パークのアトラクションだと思っていたんだけれど、実はスロヴェニアにある「ポストイナ鍾乳洞」という、大きな鍾乳洞の中に敷設されたれっきとした列車だった。しかも歴史は相当に古く、1872年にできたものらしい。当初は人力で動かしていて、そのうち蒸気機関車が導入され、60年前の1957年に電化されたとか。洞窟の中、約3.7kmほどを走っている。動画を見ていると、「インディ・ジョーンズ〜魔宮の伝説〜」にあったトロッコ・チェイスのシーンを思い出したりして。そうこうしているうちに、探し始めたきっかけになった岩壁鉄道風景のイメージはどこかへすっ飛んでいってしまった。



Postojna Cave Train ride [4K]

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2017年08月01日

世界の鉄道:シムラーのレイル・カーと人力転車台(インド)

ShimlaRailCar.jpg
*下動画のキャプチャー画像


インドのトイ・トレインって「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」が有名だけど、インドはやっぱり国土が広いから、各地にナローゲージ路線が色々走っていて、ゲージの種類もヴァリエーションあるんだな。世界遺産でよく知られている「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」は、当初はこれ一つだけが対象だったが、いつの間にか「ニルギリ山岳鉄道」そして「カールカー=シムラー鉄道」の2路線が加わり、現在は「インド山岳鉄道群(Mountain Railways of India)」という括りで登録されているんだそう。本線から外れた、こうした派生沿線って何かひかれるものがある。

「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」の最高地点はゴーアム(Ghoom or Ghum)の標高 2,258m。走行区間は約88.5km。「ニルギリ山岳鉄道」の最高地点は標高 2,203m。走行区間は約46km。
「カールカー=シムラー鉄道」の最高地点は標高 2,076m。走行区間は96.6km。

と、どれも標高2,000mを越えている。ダージリンとニルギリは紅茶の産地だから、二つの鉄道は物資輸送用に敷設されたと思うけれども(ニルギリ山岳鉄道は20世紀初頭の開設で、時期を考えると少し遅いような気もする)、シムラーは当時インドを統治していた暑さに弱いイギリス人たちの避暑地になっていたとかで、プランテーションとは関係ない様子。なお三つの鉄道開設時には、東インド会社は解散していた。
シムラーはデリーの280km北にあって、チベット圏のラダック、ザンスカール地域の入口にもなっているマナリのちょい下(南約100km)。また北東側に進むと西チベットの阿里地区との境にぶつかる。地図上でみるとちょっと魅力的な場所だ。ここは冬になるとインドでも降雪のある場所。
下動画(と上のキャプチャー画像)は「カールカー=シムラー鉄道」を走るレイル・カーという車輌で、レイル・バスみたいな独特の風貌がなんかかわいい。そして、動画を見ていてびっくりしたのが人力で動かす小さな転車台(ターンテーブル)。狭軌のため車輌が小型だからできるんだろうけど、こういう手づくり感覚ある光景は、コンピューターや全自動で統制された日本の都市部の鉄道を見慣れた目からすると新鮮だ。


Shimla Rail Car(4'00"分過ぎから、大人4人で転車台を回転させるシーンがある)


Mountain Railways of India (UNESCO)
http://whc.unesco.org/en/list/944

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2017年06月13日

世界の鉄道:白銀世界のトレッスル橋(カナダ・オンタリオ州)

TrestleBridge-Pickering.Ontario.Canada.jpg
下動画のキャプチャー。


カナダ・オンタリオ州にあるピカリングという街(トロントのちょっと東)に架かっているトレッスル橋が、古びた廃墟感あって味わい深かったんで埋め込みしてみた。この鉄橋、鉄道黎明期というか、鉄鋼の時代に建造されたような、今みると危なっかしい気もするけど、何か無骨で意外と周囲の自然ともいい具合に調和している。雪景色の光景は映画のワンシーンに出てきそう。でも、相当に錆びているのが映像からもわかり、見る分には郷愁感たっぷりでいいが、いまにも壊れそうで、ちょっとここを走るのは怖い気がする。見てるうちに、ビルマ(ミャンマー)北部シャン州にある有名なゴッティ鉄橋を思い出した(高さと長さが全然違うけど)。
鉄道路線は、街を走る大きな高速道路に挟まれたちょうど中間辺りにあり、グランド・ヴァレー・パークに差し掛かったところにこのトレッスル橋がある(地図でみると、DIXIE Roadと線路が交差するあたりで、近くにチェリーウッド変電所がある)。


Train Trestle, Pickering Ontario


List of 100 Highest Railway Bridges
http://www.highestbridges.com/wiki/index.php?title=List_of_100_Highest_Railway_Bridges

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2017年05月19日

世界の鉄道:岩の間を通過する蒸気機関車(ブルガリア)

BulgarianSteamLocomo-StudenKladenetsReservoir-1.jpg
* 下動画からのキャプチャー


今回は、ブルガリア南東部、ギリシャとトルコ寄りにあるストゥデン・クラデネツ貯水湖(The Studen Kladenets Reservoir / Студен кладенец)のそばを走る鉄道風景。ここは、ブルガリアでは3番目に大きな貯水池なんだそう。ブルガリアの名前はよく耳にするだろうけど、地形をすぐに頭に思い浮かぶ人はそう多くはないと思う。ルーマニアとハンガリーとどっちがどうだっけ? みたいに。このストゥデン・クラデネツ貯水湖場所は、首都ソフィアとトルコ・イスタンブールのちょうど中間地点、よりやや南にある場所といえば、だいたいの位置がわかるんじゃないかと。
貯水湖の水際にはごつい岩があって、それを真っ二つに切り崩し一本の線路が走っている。そのすぐ先にはカルジャリ橋(Кърджали)という橋が架かっている。ここを蒸気機関車が走りぬける光景が、なかなかいい。岩山と静かな湖、そして橋。さらには掘っ建て小屋なんかもあったりして、こうしたものがほぼ一点に揃ったロケーションというのは、鉄道風景としてはよくできた場所だなと思う。この撮影スポット、ブルガリアの鉄道ファンの間ではわりと有名らしく、ユーチューブにはこの近くから撮影した動画がいくつかあった。にしても、あまりにも絵になる要素が揃いすぎていて、鉄道模型のジオラマを見ているような錯覚になる。



Steam locomotive train 03.12 BDZ...


BulgarianSteamLocomo-StudenKladenetsReservoir-2.jpg
БДЖ 46.03 пристига в Кърджали с атракционен влак
*キャプチャーの元動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=VgKBI-u6GF4
季節は初夏? 緑が散らばる景色もまたいい。


List of dams and reservoirs in Bulgaria - wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_dams_and_reservoirs_in_Bulgaria
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2017年04月27日

世界の鉄道:雲上の駅を目指すスノードン登山鉄道(ウェールズ)

Csp-SnowdonMountainRailway-Wales.jpg
* 下動画からのキャプチャー画像


湖畔を走る鉄道があったらきっといい光景だろうなと思って、そんな動画を探していた。深い山の緑と遠くにかすむ山の稜線を背景に列車が走り、その姿が鏡のような湖面にも写って二重の世界が見れたりすると、とても絵になるなぁ、なんて思い浮かべながら。そうしたイメージに合うものは見つからなかったが、ウェールズにあるバラ湖鉄道がなかなか風情があってよかった。豊かな緑の中をゆっくりと走る鉄の塊、相反する二つの要素だけれども、歴史を経ているせいかこの場所では意外と馴染みがいい。そして、ウェールズには蒸気機関車が未だ多く走っていることも知る。なんでもウェールズは地下資源が豊富で、石炭もその一つ。産業革命のエネルギー源として潤った地域だということで、蒸気機関車が現役の交通手段として活躍しているのも納得いった。そこから、ウェールズの鉄道動画をいろいろ見始める。バラ湖鉄道は雰囲気あるんだけど、ちょっと地味な感じがしたので、もう少し新鮮な鉄道風景を求めていくうちにスノードン登山鉄道の動画に行き当たった。スノードン山は標高1,085mほどの低い山だが、煙を吐きながら尾根をのろのろと走るここの登山鉄道の光景は、時間を忘れて楽しめる何かがある。標高1,000mちょっとってどんなもんだろう? 僕の知ってる山で照らしてみると、金剛山(1,125m)や桜島(1,117m)よりわずかに低いくらいでなんとなく高さの見当がついた。

さらにもう一つ。ウェールズの蒸気機関車は「機関車トーマス」シリーズのモデルになった事で有名だそうで、確かにナロー・ゲージのこじんまりとした蒸気機関車たちは、それを思わせるシルエットをしている。「機関車トーマス」は、ウィルバート・オードリー牧師が書いた物語「汽車のえほん」を元にして制作されたイギリスのテレビ番組。そこから絵本やアニメの人気シリーズになって現在に至る。僕も子供の頃に読んだか、見た記憶があってちょっと懐かしかった。「スノードン登山鉄道」も「汽車のえほん」第19巻「山にのぼる機関車(原題:Mountain Engines)」に登場。本の中では「カルディーフェル登山鉄道」として描かれている。


Snowdon Mountain Railway 2016 Drone Footage


「機関車トーマス」の原作になった「汽車のえほん」シリーズとそのモデルになった鉄道

W.Awdry-MountainEngines-book.jpg
* 画像は下記リンク先より
Mountain Engines : http://ttte.wikia.com/wiki/Mountain_Engines
山にのぼる機関車:http://ja.ttte.wikia.com/wiki/%E5%B1%B1%E3%81%AB%E3%81%AE%E3%81%BC%E3%82%8B%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A


TalyllynRailway.jpg
Talyllyn's No1 Talyllyn shows off new 2015 livery( *画像は下動画より)
https://www.youtube.com/watch?v=V4Xk5Cgw7lQ
タリスリン鉄道は輸送量の減少から1940年代後半に廃線になったが、イギリスの鉄道ファンらがこの鉄道の保存を望み1951年に一部再開、その後ボランティア活動によって残されることになった世界で最初の保存鉄道となった。「汽車のえほん」を書いたウィルバート・オードリー牧師も当時、物語の執筆という形でこの保存運動に手を貸す。オードリー牧師は、廃線危機に見舞われたこのタリスリン鉄道を題材に、汽車のえほんシリーズ第10巻「四だいの小さな機関車」を書き発表した。


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2017年04月11日

世界の鉄道:サンタクルーズのビーチを走る列車(アメリカ・カリフォルニア州)

SCBG-Beach Train-Pacific Avenue-Santa Cruz.jpg
* 下動画からのキャプチャー画像


SCBG 2641 Leads The Beach Train Across Pacific Avenue, Santa Cruz, CA

海岸線を走る鉄道はけっこうあると思うけど、ビーチのウォーキングエリア、そのど真ん中を突っ切って走る列車って、今まで見たことが無かった。場所は、カリフォルニア中部にあるサンタクルーズというビーチ・リゾート(サンフランシスコの約100km南)で、The Santa Cruz - Big Trees and Pacific Railway という鉄道会社が観光用に走らせているもの。路線は山あいのフェルトン(Felton)という場所から海辺までの約13kmをつないでいて、通称ビーチ・トレインと呼ばれているみたい。椰子の木を背景に大きな列車がぐんと現れるのは何か奇妙な光景だ。このどでかいディーゼル・トレイン、車輌中ほどには乗客を沢山収容できるオープンスペース的な荷台みたいなのが連結されている。ちょっとアトラクション的要素もあって、確かに(何でもありな)観光列車なんだけどインパクトでかいというか、ビーチに列車は似合わないというか。


スピーダーという電動トロッコみたいな乗り物
Speeders-SantaCruz.jpg
Speeders Hit The Rails In Santa Cruz(画像は下記リンク先の動画から)
https://www.youtube.com/watch?v=kHQAO9y8rbU

上ビーチ・トレインの動画をいくつか見ているうちに、とある小さな乗り物が線路の上を走っているサムネイルが目に止まった。トロッコのような、あるいはゴーカートの鉄道版のような、変なシルエットをした車両がびゅんびゅんとレールの上を滑っている。調べてみると「スピーダー」という電動の乗り物で、軌道自転車(Draisine)の一種だとか。ピックアップトラック等の車体を一部流用し製造しているそうだ。レールバスの小型版みたいな感じで何かカワイイ。これに乗るとフェルトンからサンタクルーズまでを一気に走っていける。山から海までを満喫できて楽しそうだな、これ。

Speeder - wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Speeder

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2017年03月24日

世界の鉄道:マンションの中に駅がある! 重慶のモノレール(中国・重慶市)

Chongqing-Liziba-China-TheGuardian-Mar.2017.jpg
Best photographs of the day (The Guardian, 19 March 2017)
https://www.theguardian.com/news/gallery/2017/mar/19/best-photographs-of-the-day-st-patricks-day-parade-and-kolkata-taxis


「世界の鉄道」シリーズも今回で10回目。これまでは面白そうなキーワードや興味ある言葉などから検索して、自力で動画や画像を探したものをピックアップしていたけれど、今回はニュース記事から知った情報。最初見たときはすごいびっくりした。
英サイト、ザ・ガーディアンの「今日のベスト・ショット」というコーナーがあって、週末あたりにわりとよく見ている。このコーナーは、その日、世界中で撮られた写真(フォトエージェンシー等から編集部に送られたもの)の中から、エディターの人たちがこの日の出来事を最も良く現しているものをセレクトしたもので、その写真の数々を見ていると、同じ一日の中、世界にはすごい瞬間がこんなにもあったんだなと思ってしまう。写真の選び方から、ザ・ガーディアンの方向性が垣間見えたりして、そういう意味でも面白かったりする。
https://www.theguardian.com/news/series/ten-best-photographs-of-the-day

そのコーナーの3/19付記事にあった一枚の写真に目が止まる。19階建てのマンションの中から列車が出てくる写真(6階から8階をぶち抜いて中に駅がある)。ややくたびれた建物の外観からアジア圏、多分中国のどこかだろうとは想像はつくが、これまで見たことのないシチュエーションと構図だったので、瞬間的にこの場所がどこなのかという事とその詳細を知りたくなった。ガーディアン記事のキャプションにはアルファベット表記の「チョンチン(重慶)」とだけしかなく、情報として物足りない。なのでそこから調べてみるが、ヒットした他のネット記事なんかも同じような情報か流用写真だけしかなく、重慶のどのあたりにあるのかは具体的には載ってなかった(ガーディアンに載ったこの写真が発端になっていたのかどうかはわからないが、その翌日あたりにまとめ記事や動画がいくつかあった)。仕方ないんで、まず重慶のメトロの路線図を探し、同時に動画を見ながら地形と路線図の合いそうな箇所を付き合わせ、そこから予想した駅名を検索ワードにして、調べていく内にどの場所かが絞れた。始めの頃に見ていた動画の中で川沿いの風景がちらっと映っていたのが幸いし、闇雲に探す手間は省けたがそれでも10分弱はかかっている(ほんと、こういうのはも少し詳しく書いてくれよと思いつつ、けっこう重慶に行く気満々になって探している自分もいたりして)。それにしてもマンションの中に駅があるなんて、SF映画のようだ。その建物に住んでいれば、一歩も「外」の空間に出る必要なく生活が出来てしまうという、J.G.バラードの「ハイライズ」にも通じる世界。

ここは、重慶モノレール2号線の「Liziba(李子坝 / *ba は簡体表記: "土へんに貝")」という駅。けっこう複数の路線が交錯する中心部にあったので驚いた。重慶は中国でも大きな都市のひとつだし、人口も多いはずなのに、何で今までこれが話題にならなかったのか不思議な気もする。Lizibaという場所が分かってからは、もう少し別な動画も引っかかってきたりして、撮ってる人はやっぱりいた。ただ、Youtube上にある動画はどれもあまりいいものがなく、またいいのが見つかりそうな予感もないんで深く探すのはやめた。駅名を割り出すのでけっこう時間かかったもんね。wiki によると、この2号線は2005年に開通、事業工費の約半分が日本からの融資(円借款)だそう。

重慶軌道交通の路線図(画像は下記リンクより)
RouteMap-ChongqingRailTransit-Large.jpg

RouteMap-ChongqingRailTransit-Liziba.jpg
CRT's Route Map : http://www.chongqingtrip.org/transportation.htm



重慶軌道交通二号線 (1) Chongqing Rail Transit Line 2
* 0'30" あたりからマンションの中にある Liziba駅に到着する。


Train goes through the centre of a 19-storey block of flats in China's 'Mountain City'. A special railway station was built into the block of houses, set into the sixth to eighth floors. Residents can hop on Chongqing Rail Transit No.2 at their own Liziba station.
https://www.youtube.com/watch?v=BAOQb6I3Qf8


重慶軌道交通(Chongqing Rail Transit)- wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E6%85%B6%E8%BB%8C%E9%81%93%E4%BA%A4%E9%80%9A



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2017年03月18日

世界の鉄道:陸のタグボート「パナマ運河の船舶牽引機関車」(パナマ)

PanamaCanalTrain-Mule.jpg
下動画のキャプチャー。


Panama train

パナマ運河の両岸で、ちょこまかと走る小さな機関車を見つけ興味をもった。この機関車、短距離運搬用小型電気機関車の意味を持つ「Mule」とも呼ばれている(wikiによると、川崎重工製の車両に三菱重工製の駆動用ギアなど、日本製のものが使われているとか)。「Mule」は極一般にラバのことだけど、他運び屋なんかを指すこともあるようで、こき使われてもそうへこたれない、ちょっとタフなイメージがあったりするのかな。陸のタグボートみたいだ。

パナマ運河はパナマ地峡を開削して造られたもので全長約80km。太平洋と大西洋側(カリブ海)をつなぐ重要な場所、ということは改めて書くことでもないだろうけど、一応確認。運河全長、約80kmのうち43kmちょいが「ガトゥン湖」という人造湖になっていて運河航路の半分を占めている。この湖は海抜高度が26mあるため、(海抜ゼロ地点となる)運河の入口と出口に閘門という大きな水門をいくつか設けて、段階的に水位を上げ下げし船の浮位置をコントロールしている。そしてパナマ運河の閘門で仕切られた水路(閘室)を通るとき、船は(エンジンを止め)自力で航行できないので、前に進むためには何かに引っぱってもらわなければならず、その牽引用の動力源として船舶牽引機関車が大事な役目を果たしている。このパナマ運河のMuleは、ラック式鉄道(歯軌条鉄道)というちょっと特殊な方式が採用されていて、レールの中央に歯車がかみ合うもう一本のレールが敷かれている。これがあるために機関車の牽引力が増し、船を引っぱったり、上動画にもあるように急勾配(約27度)をも一気に上れるということだ。


PanamaCanal-Locomotive.jpg
Panama Canal Locomotive Electrics "mulas" (7'12"-)
https://www.youtube.com/watch?v=wfwPpMGfbiA
Muleがタンカーを引っぱっている動画のキャプチャー(上リンクより)。


The Falkirk Wheel (Scotland)

高低差ある水位間で船などを移動させる方法は閘門以外にもいくつか方法があるみたいで、その中でもスコットランドにある「ファルカーク・ホイール(Falkirk Wheel)」という回転式ボートリフトが、未来的なデザインでめっちゃカッコイイんで、鉄道とは少し話それるが運河繋がりということでついでに紹介。

wiki-FalkirkWheel-halfwayround.jpg
上画像は「ファルカーク・ホイール(wiki)」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB


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2017年03月09日

世界の鉄道:ゲージ610mmのビルマ鉱山鉄道(ビルマ・シャン州)

cap-Burma-MinesRailway-Namtu-Lopah.jpg
下動画のキャプチャー。


Burma Mines Railway, steam train from Namtu to Lopah, Myanmar


世界で最も乗り心地の悪い鉄道、あるいは世界最悪の鉄道と称され、二度と乗りたくない鉄道の筆頭に挙げられるビルマの鉄道だけれども、それはいわゆる旅客営業路線での話。中国雲南省に接するビルマ北東部、シャン州にある「ボードウィン(Bawdwin)鉱山」を走る鉱山鉄道の路線景はなかなか魅力的だと思う。


ビルマの鉄道は英国が統治していた1877年に建設された。この当時ビルマは、インド総督の支配下にあり、鉄道はインドの技術の元で進められていた。インドではメーターゲージからより大きな広軌へのグレードアップが行われているところだった。そうなると、以前のメーターゲージ用のレールが大量に余ってしまう。そこで、その古い鉄道資材をビルマへ運び込み、再利用することで解決させた。

● 参照・要約:「世界の鉄道旅行案内」櫻井寛(講談社現代新書・p172-173)



建設当時は旅客運輸というよりも資源資材の貨車輸送が主だったろうから、きっと線路さえ伸びていれば大きな問題はないというぐらいで、乗客の快適さは二の次だったんだろうと思う。これはビルマだけでなく、インドとビルマの間にあるバングラデシュにもいえ、当時イギリスが南アジアの範図をどのように区分けしていたのかが鉄道のゲージから見て取れる。バングラデシュでは首都ダッカを境に、東部地域(ビルマ側)がメーターゲージ路線で、西部地域(インド西ベンガル州側)がインドと同じ広軌幅のゲージが敷かれている。


ビルマ第二の都市「マンダレー」から雲南省方面へ向かう途中に、「ラーショー」という温泉で有名な町があり、そこを中継地として北西50kmの方角に「ナムトゥ(Namtu)」という小さな町がある。ここが「ビルマ鉱山鉄道」の起点となって、ボードウィン鉱山までの線路が伸びている。マンダレー・ラーショー線の「ナミャオ(Namyao)」で分岐して、ナムトゥ経由で終点のボードウィンまでの全長約80km。
この路線、今の時代とは到底思えないというか、一世紀以上も時間が経過してないようなたたずまいがあってノスタルジー感を誘う。動画を見ているうちにも、まるで20世紀初頭にタイムスリップしてしまったのかと錯覚してしまったり。ビックリなのが、この鉄道のレール幅。ゲージが 610mm で、これはダージリン・ヒマラヤ鉄道と同じ狭さ。どこかおもちゃの線路(車輌)っぽさを感じたのはきっとそのせいだ。そして、この鉱山鉄道にはもう一つ面白い場所がある。途中、立体スパイラルになった場所があり、蒸気機関車がここで立体交差する瞬間なんかすごく絵になりそう。勾配があるために、機関車の前部に砂がどっさり積んであって、搭乗員がコレを線路に撒きながら車輪がスリップしないようにしている。

BurmaMinesRailway-Namtu-26.Nov-2009.jpg
The Burma Mines Railway in Namtu: The Wallah Gorge Spiral
上写真は右リンク先より: http://farrail.com/


「ナムトゥ」への行き方はちょっと面倒だ。ヤンゴンからならば、まずマンダレーまで行き、マンダレーからさらに温泉で有名な町「ラーショー」へ行く。そして、そこから北西約50km先に進んでやっとの到着となる。ビルマの交通事情の悪さは、鉄道、道路ともに相当なものだから、こうして想像するだけでも疲労感がまず真っ先に頭をよぎる。チェンマイ〜マンダレー便があるのなら、そのルートで入った方がきっとよさそう。と、わりと真剣にルートのシュミレーションをしてしまったり。このナムトゥ、旅情報ではあまり出てこない地名だから今回、初めて知った。標高は約560m。熱帯の地域だけれども朝晩は霧が出たりして寒そう。上動画の最初の部分はナムトゥ駅周辺のマーケットの様子が映っていて、見ているとなんだか行きたくなってくる。近年は民主化と合わせて、解放政策が進んでいて以前は入域禁止だったこの場所も入れるようになったおかげで、この鉄道のいい写真や動画がけっこう見れるようになった。


Burma Mines Railway - wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Burma_Mines_Railway

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