2017年03月27日

歌詞和訳:"Some Things Cosmic" by Angel Olsen

AngelOlsen-PitchforkMusicFes-2013-Capture.jpg
*下動画のキャプチャー画像。*最後に歌詞の和訳載せてます。

下の埋め込み動画は、エンジェル・オルセンの「Some Things Cosmic」、2013年ピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァルでのライヴ演奏。彼女の穏やかな歌声に浸り、静かに聴き入る観客の姿が映しだされる瞬間はこの動画のハイライトの一つだと思う。オルセンの歌声は誠実だ。今日もし100人の観客を目の前にし歌っていたとしたなら、明日は101人の人に聴いてもらおう、そしてあさっては102人の人に、という風に、決して先を急がない。自分の届けられる歌声を、一人一人本当、大切に伝えているように見える。ステージではギター片手に、マイクの前にりりしく立つ。派手で奇をてらったパフォーマンスをして、短い注目を浴びることなんて決してしやしない。そんな事をしなくても、自分の歌がちゃんと皆の心の奥に響くことを知っているんだろうな。いつまでもつい口ずさんでしまう歌ってそういうものなんじゃないかと。

この曲はオルセンの中でも一番好きな曲で、歌詞の訳をしたかった。歌詞の中で使っている言葉自体はシンプルで、難しい単語なんかはないけれども、どうにも意味が深く読めるせいで色々考えはじめてしまった。和訳の下に記した(グレー文字の)注釈にもあるように、"cosmic force" のところで止まったり、" I don't mean my body" の mean や、冒頭の "draw" の意味合いが難しくて、そのまま放置した状態になっていた。見てみると、下書きをしたのが一年前の二月だった。




Angel Olsen - "Some Things Cosmic" - Pitchfork Music Festival 2013

エンジェル・オルセン「Some Things Cosmic(宇宙にちらばるもの)」歌詞和訳
* 上の邦題は歌詞の内容からイメージして、僕が勝手に付けたもの。
メロディに合わせた詞の改行・分断はせず、なるべく意味の通る一つの文になるようにした。
またコーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。



Before we draw my dear dear friend, I promise you my word. If we should part my dear dear love, you know you're in my heart. And though I may be getting older, know that I'm going with you, know that I'm hanging on to the things that you said.

大切な友を思い描く前に、僕は君に約束するよ。
もし、ぼくの大事な愛が引き裂かれたとしても、僕の心の中には君がいる。そしてそう、僕は年をとっていくんだろう。それでも君と一緒にいるんだろうね。そして君の言ったことに捉われ続けるんだ。


* my word: "You have my word" で「約束する / 保障する」って言い回しがあって、いいフレーズだなと思った。他 "on my word" で「誓って / 必ず」というのがあったり、英語圏では「自分の言った言葉(my word)」が、その人の「責任」や「信頼」を表すものとして捉えられているのかな? キリスト教文化による、神との契約が何よりも先にあることも背景にありそうだし。言葉や文字の記録が人を定義し、社会を形成・発展させてきた文化がこうしたところに滲み出ているような気がした。


I've felt my soul rise up from my body when I look into your blue eyes.
If cosmic force is real at all, it's come between you and I...
I want to be naked, I don't mean my body, I don't need my body, I'm floating away.

君の青い瞳をのぞきこむと、僕の身体から魂が湧き上がるのを感じるんだ。
もし宇宙の真理が存在するとでもいうのなら、それは君と僕とを隔てるもの。
僕はありのままでいたい。身体は重要じゃないんだ。身体なんていらない。僕はどこかへと漂い消えてゆく。


* cosmic force: 単純に訳すと「宇宙の力」になるけれど、精神的・スピリチュアルな深い意味がやっぱりあるように思う。宇宙の法則というかそういう感じのもの。宇宙論の言葉を使うと「人間原理」に近いんじゃないかと思い、少しそのニュアンスを残した造語で "宇宙原理" というのも考えてみたり。そして、母に聞くと「運命みたいなものかな?」という返事があって、ああ確かにその言葉はすごくしっくりとくる。それをヒントに天命や宿命のような意味合いも考えてみた。結局今回は僕のファースト・インプレッションだった "宇宙の真理" にした。と、けっこう真剣に訳してるんだな。


"Some Things Cosmic" - Lyrics (*歌詞は「 Songmeaning.com 」から)
http://songmeanings.com/songs/view/3530822107859446129/


"Some Things Cosmic" by ANGEL OLSEN (at NYC, Apr. 2011)
Cap-AngelOlsen-SomeThingsCosmic-16.Apr.2011.jpg
http://tavola-world.seesaa.net/article/434028332.html
以前、この曲のインストア・ライブを紹介していた。リンク先にある動画では「Some Things Cosmic」のあとに「Drunk And With Dreams」を続けて歌っている。


ピッチフォークでの貫禄を見せたライヴ演奏ももちろんいいけれど、上リンク先のインストア・ライヴ・パフォーマンスは、よりエモーショナルだ(観客の数はずっと少ないとは思うが)。まだこの曲を発表して間もない頃、そしてデビューしたての時期ということもあってか、オルセンは、最近のあくの抜けた歌い方とは違った特徴的な歌い方をしている。抑揚的な声、そして何か魂の奥底から湧きあがるものを観客にぶつけているようなところがあり、心震えるものがある。
"Some Things Cosmic" は2010年にカセット・テープでリリースした彼女のデビューシングルに収録されている。このカセットは6曲入りでミニアルバムといった趣、2011年にBathetic Recordsよりアナログ盤で再発された。カセット・ヴァージョンの "Some Things Cosmic" はエコーが効いていて幽玄的、歌詞をほんと大切に歌っている感じがして新鮮だ。がらんとした廃墟の中で録音したかのように乾いた音で、マジー・スターのデビューアルバムが思い浮かぶ。

"Some Things Cosmic"のオリジナル・ヴァージョン:
https://www.youtube.com/watch?v=W0f6c9BYI48

Angel Olsen ‎– Strange Cacti (オリジナルのカセット・テープと再発盤のレコジャケ)
AngelOlsen-StrangeCacti.jpg
https://www.discogs.com/ja/Angel-Olsen-Strange-Cacti/master/327460
(画像は discog.com より)


これまでに歌詞を訳したミュージシャン一覧: だいぶタイトル、増えてきた。

The Cure(ザ・キュアー) / Jannine Weigel(ヤンニーン・ワイゲル) / SAHA(サハ)
Wire(ワイヤー) / New Order(ニュー・オーダー) /
Porter Robinson & Madeon(ポーター・ロビンソン&マデオン)
Charity Children(チャリティ・チルドレン) / Angel Olsen(エンジェル・オルセン)


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2017年02月08日

歌詞和訳:"A Forest" by The Cure


The Cure - A forest *最後に歌詞の和訳載せてます(+PDF版も)。

TheCure-AForest-7inch.jpg
https://www.discogs.com/ja/Cure-A-Forest/release/237453
*画像は discogs.comより

「A forest」のレコジャケとコレクター話
この曲のシングル盤カバー・ジャケットにはデザインのクレジットが載ってないが、2ndアルバム・アルバム "Seventeen Seconds (1980)" からシングルカットされたものなので、アルバムのデザインを担当していたビル・スミスによるものだと思う。写真のポジ・ネガ像を表と裏に配置し、バンド・ロゴを入れただけのシンプルなデザイン。ここしか置く場所がない、という位絶妙な場所にレイアウトされた白抜きのロゴは、正方形の枠内で、写真下半分の暗くなった部分と上の明るい部分との濃度バランスを保っている。そして、曲名が(良く見ないとわからないくらい)すごく小さくなっている点からも、全体のデザインを優先して作られたんだと思える(メジャー・レーベルだと曲名を大きくしろなど、営業優先的な意見の方が強くあって、デザインとしてバランスの悪い仕上がりになることが多い)。この雰囲気たっぷりな森の写真は、想像力を引きたてる何かがあるような。ポジ像反転した裏ジャケの黒い部分を拡大しよく見ると、そこには写ってはいないはずのものが…ギャー! てなことはありません。

ザ・キュアーのスリーヴ付・初期シングル(1980年はじめ頃まで)は、僕が学生時代、レコードをよく買っていたときからすでにレアだったため、なかなか手が出なかった。なので、こうしてweb上でこの時期のジャケを見ただけでも、条件反射で思わずオオッ! とため息が出てしまう。刷り込みって怖い。「A Forest」のアナログは見かけなくはなかったが、店頭では5,000円位してた。日本の中古レコード屋で値付けされていたレコードの価格を、今一度考えてみると、数の少なさに対する欲しい人の割合、つまり需要と供給からくる適度な価格調整はもちろんあっただろうし、それが一番反映されるものだは思うが、もう一つ、海外買い付け費用が上乗せされていて、それが大まかな価格ラインを保ち底上げしていたのはもっと想像つく。今のように航空運賃は安くはなかったし、為替の手数料、滞在費は当然のこと、日本への送料だって重量あっただろうからバカにはできない(特にユーロ誕生前のヨーロッパのローカル・カレンシーと日本円の交換には相当手数料がかかっていたように思う)。現地のレコードはまだ安くても、日本に送られ店に並ぶとどうしても、倍々くらいにはなっている。値段がそういうもんだと一度認識してしまえば、それがいわゆる相場価格になって、買う側にも定着してしまうし、また基準にもなってしまう。僕たちが店頭で見ていたレア・レコードの値段っていうのは、どこまでが本来のものだったんだろう? 最近のネット・オークションなどでの落札額をみていると、当時も今もさほど変動ないものが意外とあって、このあたり、状態のいいレコードの希少度はより増してはいるが、今度は求める人が微減してきている表れなのかなとか、まぁケースバイケースにはなるんだと思うけれども、価格の変遷を色々想像し見ていくと面白い。
そういえば、イギリス盤の7インチ・シングルは初回プレス分にだけ紙のジャケットが付いている場合が多い。これにはひとつ理由がある。シングル曲の売れる期間というのはよっぽどのヒット曲でない限りそう長くはないため、レコード会社は早々と売り切って、在庫を抱えたくはない。そのため(特にインディ・レーベルの場合は)プレス数は多く見積られない。初回生産分は捌けたものの、売れ行きの勢いが続くとは期待できないがバックオーダーがある程度あった時など、シングルの再プレス盤にはたいてい(印刷コストを抑えた)内袋だけしかない、ジャケなしのレコードが市場に出回る。


「A forest」のちょっとした思い出
僕にとって「A Forest」は、けっこう思い出ある曲で、聴くとその当時、学生だったときの記憶が甦ってくる。その昔、クラスメート3人とバンドを組んでいたことがあって、そのときに演奏していたのがザ・キュアーの曲だった。確か「A Forest」と「The Walk」という2曲を最初に演っていた。皆ビギナーだったから難しくない曲を、という理由でまず選んだ。僕たちのバンドは楽器のパートでもめることは無く、ドラムス、ギター、ベース、キーボードとそれぞれ第一希望の楽器ですんなりと振り分けできた、誰がヴォーカルを取るかという問題だけを残して。思春期の自意識過剰さから遠慮を口にしながらも、誰もが「お前やれよと」いう一声が自分に向けられるのを待っていて、引き下がりすぎないようにわずかな自己アピールも忘れず見せるのだった。そうして、いざスタジオに入り練習していくうちに、ちょっと別な問題が出てくる。僕のいたクラスは女子の数が3/4ほどと、男子の割合が少ない状態で、ごく一般的な学級構成とは違っていた。その数少ないクラスメートの中でメンバーを集めたものだから、音楽の趣味とバンドへの真剣度合いがどうにもかみ合わず、僕を含めた手探りでのんびりやって行こう派と、いや、テクを追求して学校で一番になろうぜ派の二つに分かれるようになってしまい、段々と方向性が合わなくなってゆく。結局この小さな溝は埋まらず、学園祭のステージに出ることを最初の目標にはしていたものの、バンドは夏休みになる前に自然消滅した。僕にとっては、自分に楽器演奏の才能はないという事がはっきりと分かったので、とてもいい機会だった。

今回改めて歌詞を見てみると、ザ・キュアーの詞ってシンプルだけど、想像力膨らむというか、頭の違ったところで別なイメージが湧くところがある。この曲は不思議の国のアリスとカフカっぽい雰囲気があって、シュールな世界へと入っていけそうだ。


ザ・キュアー「 A Forest(少女喪失の森)」歌詞和訳
* 上の邦題は歌詞の内容からイメージして、僕が勝手に付けたもの。キュアーの歌が持つファンタジー性やユーモアがうまく出てるような感じがして、個人的には気に入っているんだけど、どうだろう。

* 歌詞は「 Songmeaning.com 」から(アドレスは最下記に)。
メロディに合わせた詞の改行はせず、なるべく一つの文になるようにした。またコーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。



Come closer and see, see into the trees, find the girl while you can
Come closer and see, see into the dark, just follow your eyes
I hear her voice calling my name, the sound is deep in the dark
I hear her voice and start to run into the trees

近づいて見てごらん、茂みの中をじっくりと。女の子を見つけてみて。
近づいて見てごらん。暗闇の中を覗きこんで、視線をたどるんだ。
僕の名を呼ぶ彼女の声が聞こえる。その声は低く暗闇の中で漂う。
彼女の声を聞き、僕は茂みの中へと走り出す。


* 参照した歌詞サイトでは下線部の箇所が "if you can" と書いてあるが、アルバム・ヴァージョンを含め他いくつかのヴァージョンを聴いてみるとロバート・スミスは「while you can」と歌っている。


Suddenly I stop but I know it's too late, I'm lost in a forest all alone
The girl was never there, it's always the same
I'm running towards nothing again and again and...

僕はふいに立ち止まる、もう手遅れだと分かっているけれど。
僕はたった一人、森の中で迷ってしまった。
女の子はそこにはいなかった。いつも同じだ。
僕はどこを目指していいのかわからず、ただ走っている、何度も何度も…。



The Cure "A Forest" - lyrics (Songmeaning.com)
http://songmeanings.com/songs/view/7498/


ローリング・ストーン誌が行った「読者が選ぶザ・キュアーのベスト・ソング」で「A Forest」は2位に選ばれている。ザ・キュアーにはメロディのいいポップな曲が他に沢山あるし、さほどポップでもなくまた大ヒットをしたわけでもないこの曲がなんで人気なんだろ? と、この結果にはちょっとビックリしたが、まぁ、ファンはちゃんと分かってるということか。
Readers' Poll: The 10 Best Cure Songs (Rolling Stone, June 2016)
http://www.rollingstone.com/music/lists/readers-poll-the-10-best-cure-songs-20160629/a-forest-20160629



PDF版(*上記事のテキストをPDFにしたもの / A4 / 0.2MB):
A4-BLOG-TheCURE-Forest-LyricsTranslate.pdf



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2017年01月10日

歌詞和訳:"Finish Line" by Jannine Weigel


Jannine Weigel - Finish Line (Official Video)
*最後に歌詞の和訳載せてます。

この曲、メロディも歌詞もアレンジもすごくいいのに、第一印象で、音と MV の映像がいまひとつかみ合ってないような気がした。何だろう、ショーケースの中に生身のお人形を閉じ込めるスタジオ・セットは、90年代頃のエイベックス系 MV を連想させるし、K-POP 風のダンサーを従え踊りを見せるところなど、特に目新しいものでもなくそこがちょっと惜しいように思うも、何度か見ているうちに慣れてしまったり。まぁでも、きっと腕利きのヘアメイクがばっちりといい仕事をしてくれたお陰で、赤紫の髪やPearlyなメイクは主役をより大人っぽくみせているし、彼女の歴代 MV の中では断トツにカワイイ。この曲のMVは全部で3バージョンあって、上の埋め込みがオフィシャル、もう一つは引いたカメラアングルで全体の踊りを見せる「Dance version」で、残り一つが歌詞だけを載せた「Official Lyric Video」。リリースは2016年の5月。去年の夏によく聴いていた。




ヤンニーン・ワイゲルという女性シンガー。彼女をタイのテイラー・スウィフト、というと大げさかもしれないので、歌姫ぐらいで止めておいた方がいいのかもしれないけれど、まぁでもタイを中心に東南アジアではけっこう人気があるのは確かだと思う。日本でも彼女を紹介している記事は沢山あるので、知ってる人も多そうだ。 "Jannine" という名前はタイ語なのかと思っていたら、ヘブライ語が由来らしく "God is gracious(神は慈悲深い)" の意味だそう。僕は、テイラー・スウィフトの「Blank Space」をカバーした動画を見て彼女のことを知ったんだけれども(タイ語アクセントのあるねちっこい発音で歌っている)、「アナと雪の女王」の主題歌をカバーした You Tube での動画が多分一番有名だと思う。縞々のフードをかぶって、けな気な表情で歌うやつ。

JannineWeigel-LetItGo-capture.jpg
Let It Go (OST.Frozen) - Demi Lovato cover by Jannine Weigel
https://www.youtube.com/watch?v=k9YDgOM2who


about Jannine Weigel(簡単なプロフィール):
ぎりぎり20世紀の2000年にドイツで生まれたタイとドイツのハーフ。"Millennials" と "ジェネレーションZ" の両方にかかる世代(あるいは狭間か)になるのかな。その後、2010年にタイへと移り住み、モデルやコマーシャルの仕事を始めるも、歌手に興味が向き、約3ヶ月ヴォイス・トレーニングを受けたあと、タイで人気の子供向け歌番組「Singing Kids」に出演し3位を獲得。2012年、タイの有名なエンタメ企業 GMM Grammyと契約する(日本のAvexみたいな感じかな?)。アーティストになるまでの訓練期間を経たのち、ソロ・シンガーとしてデビューする。ひとつ今の時代だなと思ったのは、デビューに至るまでのインターン(プロモーション?)期間に You Tube で沢山のカバー曲をアップし、彼女の歌声を浸透させる方法をとってファンを増やしていったところ。

Jannine Weigel (official & wiki)
https://www.jannineweigelofficial.com/
https://en.wikipedia.org/wiki/Jannine_Weigel



ヤンニーン・ワイゲル「フィニッシュ・ライン」歌詞和訳
*歌詞は「 Musixmatch.com 」から(アドレスは最下記に)。
コーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。


Right now I wanna feel my feet on the ground
Somehow I know I'm moving but I won't look down
Though my heart is racing it won't stop, I'm breathing strong but I won't drop, and every corner that I turn, I'm Pushing harder feel the burn, but I'll never fall

今は地に足をついていたいの。前に進んでいるのはわかっているけれども、下を見ないでいよう。
心がはやって止まらない。息を強く吸いながら、でも落ちないように。
そして、曲がり角に来るたび、熱い気持ちを感じていっそう自分を急き立てる。だけど屈しはない。


* 「I'm moving」は引っ越すよ、だと思うけどトライリンガルのハーフの女の子が使うタイ・イングリッシュのように感じるので(日本でもネイティヴ英語とは違った意味に変化し定着した和製英語があるように)、ここは広い意味合いでの「Move」なのかと。


Even though you're tired push on through, don't give up you'll get through
People always say what you can't do, but just stay true push on through
Oh I tried and I tried and I tried and I tried
Couldn't see where it begins, couldn't see how it would end, but I know oh I know yeah, I know the victory's mine, when I cross the finish line

たとえ疲れていても、自分を押し通して、あきらめないで乗り切るの。
君には出来ないだろう、なんて人はいつも言うけれど、前進し続ける気持ちに忠実でいて。
ああ、何度も何度もやってみた。始まりがどこなのかわからない、どう終えるのかもわからなかった。
でも、分かる。ゴールラインを越えたときが、私の勝ちなの。


*「Victory is mine」=私の勝ち、勝利はもらった、の意味。


Look up the sun is coming out from the clouds above
The rain is gone there's no stopping now
Though your heart is racing it won't stop, you're breathing strong but you won't drop, and every corner that you turn, you're Pushing harder feel the burn, but you'll never fall

ねえ見上げて。上空を漂う雲から太陽が顔を出している。
雨はすっかりと止み、もう邪魔するものはない。
君の気持ちははやって止まらない。息を強く吸いながら、でも君は落ちはしないだろう。
そして、君が曲がり角に来るたび、熱い気持ちを感じていっそう自分を急き立てる。
だけど君は屈しない。


*「fall」は歌詞の流れから、降伏、降参の意味合いでとった。


"Finish Line" Jannine Weigel - Lyrics (Musixmatch)
https://www.musixmatch.com/ja/lyrics/Jannine-Weigel/Finish-Line

JannineWeigel-FinishLine-MV-Capture.jpg
*MVから取ったキャプチャー画面。


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2016年12月21日

歌詞和訳:"Всего лишь три слова" by SAHA


SAHA - Всего лишь три слова (Simply three words)
*最後に歌詞の和訳載せてます。


ロシアン・ポップスの動画をサーフしていたときに見つけた「SAHA」というロシアの女の子3人によるユニット。キリル文字表記じゃないから「サハ」という発音でいいのだと思う。彼女たちは2015年の10月にファースト・シングル "Аргентина (Argentina) " を発表し、活動歴は一年ちょい、とまだ短い。
"Аргентина" の MVは、森の中をさ迷い歩いていた女の子(ヴォーカル)が、そこからどうにか抜け出し、辿りついた先の荒涼とした土地で暮らす友達(?)と合流するという始まり方だった(干上がった大地に廃船が転がっているシーンは、中央アジア・アラル海にある船の墓場のように見えるど、現地でのロケなのかな? CG合成っぽい感じもするけど)。そして、彼女らの元に大きな木箱が送りつけられる。開けて中を見るとマイクスタンドや楽器が入っていて、それを取り出し演奏をするという流れ。続いてリリースされたこのシングル「Всего лишь три слова」の MV は "Аргентина" の続編といった感じで、映像のトーンで繋がりがある。二つの MV に共通しているのが、衣装や小道具、乗り物などがスチームパンクっぽいテイストで登場すること。これが音作りと女の子たちのキャラクターにぴったり合っていてセンスの良さを感じる。ロシア語のEDM(トランス風だけど)はなんか新鮮だ。彼女らは、2日前の12/19に新曲 "Пьяная / ПРЕМЬЕРА " のMVをユーチューブにUPしたばかり(今回ヴォーカルが変わった?)。

たいていアルファベットで検索すると、すぐに英語圏でのサイトや記事等に引っかかるものだけれども、彼女たち、SAHAの場合は英語圏での紹介記事がさっぱりと見当たらず、ロシア語の記事がいくつかあるだけだった。その中で詳しく書いていそうなものが一つあったので、そのロシア語記事をグーグルの英語翻訳にかけて、なんとなく読んでみた。もちろん僕はロシア語のことは全くわからないので(読み・発音が少し分かる程度)、「ロシア語→英語」のグーグル訳がどれくらいの精度かも分からない。ただ、直接「ロシア語→日本語」にするよりかはいい結果になっている感じはする。情報がないよりまし、という程度で簡単に紹介。正確さは自信なく、3-4割くらいでみてもらえれば。
多分、日本でこのユニット「SAHA」の紹介は初じゃないかな。


SAHA profile

メンバーは以下の三人。
Саша Супруненко(サーシャ・スプルネンコ)このユニットでの歌い手。
Юля Сорокина(ユーリヤ・ソローキナ)ダンスなしでは生きられないほどの踊り好き。
Милина Тодореску(ミリナ・タドレスキー)兄が人気バンド「EMOTION」のリード・シンガーをしている。

Инна Мошковская(イナ・モスコフスカヤ)とАндрей Француз(Andrey Frantsuz / アンドレイ・フランツ = 作詞作曲を担当している)の二人が企画したプロジェクト・ユニットがSAHA。彼女(イナ・モスコフスカヤ?)は「Junior Eurovision」「Sanremo Junio」「Детская Новая Волна(New Wave)」の制作にかかわっていた。2014年、プロダクション・センター「PARADIZ」の局長でプロデューサーをも務めるイナ・モスコフスカヤの元に、サーシャ、ユーリヤ、ミリナを女の子らによる創造的なグループとして引き合わせたところからこの音楽プロジェクトのアイデアが生まれた。

Проект SAHA (プロジェクト・サハ)
http://oopsmusic.ru/saha/



サハ「Всего лишь три слова(フスィヴォ・リシィ・トゥリ・スロヴァ)」歌詞和訳
*歌詞は「 lyricstranslate.com 」から(最下記にリンク先あり)。
コーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。

この曲はロシア語で歌われていて、ロシア語の歌詞を Kamer Terzioğlu さんが英語に訳したものがある。その英訳を元にして今回、日本語訳にした。
● ロシア語歌詞 → 英語訳 → 日本語訳 という手順。

元の歌詞自体が短いものなので、重訳してもその意味が大きく違ってることはないと思うが、こういう風に、二回別な言語で変換することで、本来あるニュアンスのようなものが削られたり、あるいは付け加わったりしているかもしれない、っていうのは何か面白いなぁと。



Cold, snow, and the silence around. Wind noise and annoying hearing.
Lips burning, takes away the thought. I can not tell you everything,
but sorry...

あたりは寒く、雪が降り、静まり返っていた。風の音と耳障りな音だけがある。
唇が荒れ、何も思いつかない。あなたに全てを言えないの。でもごめん。



Do you want to understand? Give me a chance to be.
Do you want to keep? So show me how to live.
And trust; sky in the palm (the sky will leave the water).
It may then become a big star!

わかってくれる? 生きるチャンスをちょうだい。
あなたはこのままでいいの? だったら生き方のお手本を示してみて。
そして、頼りは手の平に掴んだ空(その空は海から離れるだろう)。
そうして大きな星になるのかも。



Only three words! Just three words: "I will always side by side."
A longer, believe me, I do not need anything! Only three words!
Just three words ...

三つの言葉だけで! 三つの言葉で言ってほしい「いつもそばにいるよ」と。
ずっと私を信じて。私は何もいらないの。三つの言葉だけでいい! 三つの言葉だけで。


*下線部英語訳の元になっているロシア語歌詞は以下の一文。たしかにロシア語では三つの言葉だ。
日本語訳で意味と語感を合わせると「ソバ ニ イル」といった感じになるのかな。
Всего лишь три слова: "Всегда буду рядом".



Do not hold up to twenty times. I can not sleep and I can not leave.
Holding hands, I feel like a thread. Just tell me, can you forgive?

二十回もはぐらかさないで。眠れないし離れられないの。
手を握ることで、繋がりを感じる。許してくれる? って言ってほしい。




" Only three words! " (english translate: Kamer Terzioğlu)
http://lyricstranslate.com/en/%D0%B2%D1%81%D0%B5%D0%B3%D0%BE-%D0%BB%D0%B8%D1%88%D1%8C-%D1%82%D1%80%D0%B8-%D1%81%D0%BB%D0%BE%D0%B2%D0%B0-only-three-words.html

SAHA-Simply3Words-MV-Capture.jpg
*上動画のキャプチャー画像。

Backstage: съемки клипа SAHA - Всего лишь три слова
https://www.youtube.com/watch?v=NrVTIhHdzv8
MVのメイキング動画。後合成じゃなくて、撮影用の人工雪降らせてたのか。



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2016年11月16日

歌詞和訳:"Shelter" by Porter Robinson & Madeon


Porter Robinson & Madeon - Shelter (Official Video)
(Short Film with A-1 Pictures & Crunchyroll)
はじめにナレーションがあって、曲がはじまるのは0'49"から。最後のシーンがじわっとくる。


DJ・クラブシーンではものすごく有名らしい、ポーター・ロビンソンとマデオンの二人。彼らが初めてコラボした楽曲「シェルター」がえらく話題になっていた。というのは、辿っていくうちに知った情報で、この曲を知るきっかけはTumblrを見ていたとき、目にとまったMVのキャプチャー画像だった。僕はほとんど(全くといって)アニメは見ないので、最初、それは何かの作品に出てくるキャラクターなんだろうというくらいでしか思わなかった。ただ、オレンジの光に包まれた女の子の絵を見た瞬間にハッとなって、即リンク先へと飛ぶ。そこにこの「Shelter」の動画があった。はじめは何か新作映画の予告か、その主題歌の映像なんだろうなという印象がしたけれども、音と映像のリンクがしっかりしていたし、何かの予告編的な編集されたものでない映像は、魅せるストーリー展開があった。そうして、ポーター・ロビンソンとマデオンの楽曲に合わせて作られたショート・ムービーだというのが見ていくうちにわかった。
この音楽とアニメーションのコラボレーションが実現したいきさつは、日本のアニメ好きなポーター・ロビンソンが、自分たちの新曲に合わせたMVを創るにあたって、脚本とイメージを考え、それを日本の映像制作の会社に持ちかけたことがはじまりだったとかで、詳しい記事はほんとありがたい(ダフトパンクと松本零二のコラボによる一連のMVを思い出すも、ポーター・ロビンソンとマデオンの二人はダフトパンク繋がりで知り合った仲だったり、やっぱり何か細い糸で続いていた)。にしても、このショート・ムービー、音と映像の透明感がめっちゃ綺麗で、けっこうこの世界に浸ってしまう。この曲にしても、ダフトパンクもそうだけど、音のつくりは 10cc の系譜にあるんだなと思う。

このアニメーション、キャラクターはいかにも日本的だし、日本語のセリフなんだけど、ストーリーやコンセプトにアメリカの血が入っているせいか、純日本産のアニメよりも、どこかドライな感じがして、そのちょっとした差異に新しい何かがあるような。そして、ユーチューブにこの曲の各国語訳が続々上がっているのを見ているうちに、ふと思う。中国語の訳などは全部漢字になった歌詞が、動画の透明感とのギャップを感じて新鮮だったりする。これアルメニア文字とかが出てくると、もっと異世界感たっぷりになるんだろうな。



ポーター・ロビンソン & マデオン「シェルター」歌詞和訳

Porter Robinson & Madeo "Shelter" - Lyrics
*歌詞、バックグラウンド・ストーリーは「 sheltertheanimation.com 」と youtube から。
歌詞は、小文字の「i」と大文字の「I」等、細かな表記の違いがあり統一されてない。オフィシャル・サイトにも日本語訳があった。そこでは「僕」という人称を使っていて、この動画の主人公として登場する17歳の女の子・凛を連想しにくかった。


Background STORY
未来的シミュレーターの中で孤独に暮らす17歳の少女「凛(リン)」は、 毎日永遠の命が続く無限の美しいバーチャルリアリティーの世界で目を覚まし、タブレットを使ってシミュレーターを操作し、自分のための新世界を空想し創造しつづけている。しかし、現実世界の凛は実は昏睡状態にいて、その体は小さな宇宙船内のVRシミュレーター内に…



i could never find the right way to tell you
have you noticed i've been gone?
cause i left behind the home that you made me but i will carry it along

あなたに上手く言えなかった。
私がどこかに行ってしまった、って気づいた?
あなたが造ってくれた家をあとにしたから。でも私は一緒に持って行くの。



mm it's a long way forward so trust in me
i'll give them shelter like you've done for me and i know i'm not alone
you'll be watching over us until you're gone

この先は長い道のり だから私を信頼して。
あなたが私にしたように、私は彼らにシェルターを用意するの。
そう私は一人ぼっちじゃない。
あなたがいなくなるまで、私たちを見守ってくれるのだから。



when i'm older i'll be silent beside you
I know that words are not enough and they won't need to know our names or our faces but they will carry on for us

私が年を取ったら、あなたのそばで何も言わずにいる。
言葉では表せないことを知っているから。そして彼らは私たちが誰だかなんて知る必要もない。
でも私たちのために続けてくれるはず。

(私が彼らに贈ったシェルターを大事に使い続ける、ということかな?)


Capture-MV-PorterRobinson&Madeon-Shelter.jpg
"Shelter" - screen shot (from youtube)
http://tagong-boy.tumblr.com/post/152811487261/




10/18 (tue) の22:15に、渋谷モディ(旧マルイシティ渋谷)の建物正面に設置された街頭LEDビジョンで、「Shelter」の映像が世界で最初に公開された。そのときの告知と様子がポーター・ロビンソンのツイートで。当日はけっこうファンが詰め掛け、集まっていたみたい。




SHELTER
http://sheltertheanimation.com/


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2016年10月24日

歌詞和訳: "To See You Smile" by Charity Children


Charity Children - To See You Smile
*最後に歌詞の和訳載せてます。


8ミリ・フィルムの思い出
8mmフィルム・カメラで撮ったシーンを挿入した上動画のMVを見ていると、ふと懐かしい記憶が甦ってきた。カラー・フィルム映像のもつ色褪せた色調や荒い画質から湧き上がってくるデジャヴ的な感覚ではなく、僕の小さかった頃の記憶がふわっと広がる。まだ僕が幼稚園(だったかな?)に通うかまだその前のとき、機械好きの父がよく8mmフィルムで、遊んでいるところを撮ってくれた。僕はといえば、カメラを向けられるとやっぱり意識してしまって、じっとはしていられず、だけども何をしていいのかさっぱりわからないもんだから、変な仕草ばかりしていた。そういった照れ隠しの姿がそのときのフィルムに残っている。
まだ、オートフォーカス・カメラなんて未知の世界で(写真用の)カメラもさほど普及してなかった頃だった。写真のカメラは、レンズを前にじっとしていなければいけなかったので、なんとなく身体の記憶にある。父の構えるこの 8mmカメラをどんな風に認識し、写真用カメラとの違いを、子供ながらに少しは分かっていたんだろうか、というあたりは、今思うと興味のあるところ。撮影場所は家の庭だったり、近所の公園だったりたわいもない場所だった。撮られていた瞬間のことは全く覚えていないが、その前後のシーンはまだ少し覚えていたり、記録されてない時間の方が自分の記憶の中で残っているのは何か不思議な気がする。撮られている間の記憶が、フィルムに転写されて自分の中からすっぽりと抜けてしまったんだろうか? なんて。こんな感じで僕を撮影したフィルムがある程度揃うと、父はフィルム編集機を使ってつなぎ合わせ、ちょっと長めの映像にまとめていた(8mmフィルム一本の録画可能時間はおおよそ3分ほどだったと知るのはずっと後になってからのこと)。今だと、動画データをPCなどに放りんで、編集ソフトを使えばコンマ秒単位で映像の編集が出来るけれども、フィルムの場合は巻いたリールのコマを順番に見ながら、意図する位置でフィルムをカットし、次のフィルムの頭部分へと繋いでゆく。当然それは手作業で、幅のないコマの余白を上手く切ってゆくのは根気のいるものだった。そして、切ったフィルムのはじとはじをぴったりと合わせ、透明テープのようなシールでピタっとくっつけるのだ。こうした工程を手際よくこなす父の動きは子供にとっては、えらく不思議に見え、何をしてるのかはさっぱり分からないけれども、かっこよく見えた。ときどき、いらないフィルムのはじをもらって、僕も同じように真似して8ミリ・フィルムを切ったりつなげたりして楽しんでいた。連続するひとコマひとコマは、どれも同じに見え、違いなんてまったくわからなかった。どの部分が要らなかったのか、そうした取捨選択の判断も、当時はフィルムの繋ぎ方と同じように不思議なものだった。
フィルムのつなぎ目は、段差なく上手にくっつけないと映写機で回しているときに、中のローラーに巻きついたり、途中で止まってしまったりする。月に一度か、二、三ヶ月に一度くらいの頻度で、上映会をやっていた。見るのは、もちろん家族だけだけど、これがけっこう楽しくて、たいていは日曜日の夕食後、押入れから映写機を引っ張り出し、部屋の白壁に映像を映し出していた。カーテンを閉め、部屋の電気を消し、僕たちは映像が流れるのを待つ。父はその間に、映写機の角度やピントを調節しながらレンズを動かしていた。プラスティックのリールに巻き取られるカラカラという音と、モーターの音が響く。音は付いてない映像のみ。そうしていざ始まると、カメラを向けられ撮られていた記憶なんてすっかり忘れているもんだから、壁に大きく映る自分の姿は自分ではないような感覚があって、変なことをしている自分が、自分とは違うまた別な人に見えたりした。家族みんなで、笑いを誘う場面ももちろんあって、そこは何度見ても同じところで笑いが起きる。そうした印象的な定番シーンが、フィルムのタイトルや通称みたいになっていて、次回次々回のリクエストの対象になる。映写機に何度もかけられると、繋ぎ合わせたフィルムはやっぱりずれてくるもので、時折上映中にフィルムが止まったり、映写機の中で絡まったりして、上映会が早々とお開きになったりもした。
僕が大きくなってくると、少し撮られることに抵抗を感じはじめたんだろうと思う。それとも生意気になって無邪気さがなくなったのかもしれない。あるいは、父の仕事が忙しくなって関心がそっちの方にいっていたのかもしれないし、単にカメラの調子が悪くなっていただけかもしれない。ただ、だんだんと父が 8mmカメラを持ち出すことが少なくなっていったのは確かで、僕もそのうちに家に 8mmカメラがあったことを忘れてしまった。

撮影者と被写体だけの間でしか関係し合わない記録映像。何かを表現しようとしたわけでもなく、誰かに見せようとしたわけでもなく、ただ撮りたいと思って撮られた、何てことはない映像のもつ純粋さって、どんなものにも勝るんだなとふと思う。もちろんそうしたものは、全く事情のわからない他の人からすると、ただ流れてゆくものの一つにすぎないのだろうけれど。何もかもが多くの人に見られ、知られなければいけないということはない。静かに眠るこうした記録を、起こしたりせず、そっと見守っているだけでもいいんだよな。


* * * * *

この夏に良く聴いていたチャリティ・チルドレン。詳しいプロフィールや活動遍歴などをあまりHPに載せてないのでメンバー構成がよくわからないが、女性ヴォーカルの Chloë Lewer(クロゥエ・レヴァー)と ウクレレ弾きの Elliott McKee(エリオット・マッキー) 、この二人のカップルを中心にメンバーが集まって活動しているグループのよう。曲の映像を見るとバックパッカー的な Busker 風のスタイルで、世界各地を点々としながら演奏をしているようで、いつも新鮮な場所で新鮮な眼差しで自分たちのいる場所と、そこでの出会いを楽しんでいるんだろうなと思えたり。そういう感性が歌やメロディにも出ている感じがして、スッと耳に馴染んでくる。これ、めっちゃいい曲だな。


チャリティ・チルドレン「To See You Smile」歌詞和訳

"To See You Smile" by Charity Children - Lyrics
https://www.musixmatch.com/ja/lyrics/Charity-Children/To-See-You-Smile
*歌詞は「 musixmatch.com 」から。
コーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。


A thousand times I've seen you cry
It seems your face is never dry,
so this time I will say goodbye, my lover
I'll leave here at the break of day
Tread lightly as you calmly lay, although it seems I never may recover

もう数え切れないほど、君が泣くのをみてきた。
その泣き顔はもう乾かないんじゃないかって思うほどに。
今度こそ、僕の愛しい人にさよならを言わなきゃ。
太陽が顔を出したら、ここを出ていこう。君がすやすやと眠っている横をそっと歩く。
気が変わるなんてことはきっとないんだろうと思いながら。



To see you smile (*repeat)
君の笑顔をみるんだ。君の笑った顔をね。


I think perhaps we were too bold in fits of blinding love
We told each other that we would grow old together
and now the lines that mark your face are not from age but from heartbreak
We dreamers now must separate forever

一途な愛が激しくて僕たちは思い上がりすぎた、と思うんだ。
一緒に年をとっていこうって、互いに言い合ったね。
それで、君の顔についたシワは年齢によるものじゃなく、失恋から生まれたものだって。
夢見る僕らは、いまここで分かれ道を選ばなきゃ、この先ずっと。



You and I, you must agree, work better as a memory
It's the present, which will always be our flaw
So leaving our once perfect bliss
We seal the end with our last kiss but there's one thing I'll miss forevermore

君と僕、思い出としてならうまくいくんだと、君は同意してくれるだろうか。
今現在、これっていつも僕らの欠点だね。
だから、これまでの僕らの完璧な幸せにさよなら。
最後のキスで締めくくろう、でも永遠に、寂しさに暮れることが一つある。




Charity Children
http://charitychildrenband.com/


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2016年10月07日

歌詞和訳: Wire - "Outdoor Miner" (7inch version)


Wire - "Outdoor Miner" 7inch version
*最後にこの曲の歌詞と和訳を載せてます。

この曲については以前に一度(2012年5月)書いていて今回で二度目。歌詞の訳をしている際、ユーチューブで何か面白い音源(カバーやデモ・テイクなど)がないかと探していたときに見つけたのが上動画(音のみだけど)。wow! シングル盤ってアルバムとヴァージョンが違ってる! と初めて知ることに。レコード屋巡りをしていた学生の頃、あまり見かけなかったこのシングルがまさか未聴音源だったなんて、、と一人妙なタイムスリップ感に浸ってしまった。シングル・ヴァージョンはアルバム・テイクよりやや長めでアレンジも少し違う。後半に入ってくるピアノとコーラスが清々しく、ワイアーのクールな音ともよく合っている。そして、ワイヤーの歌詞は、歌いやすいメロディとは正反対に、たいてい意味がよくわからず難解な印象がある。この「Outdoor Miner」でもそれが当てはまっていた。ところが、最近この曲についてを語っているメンバーのインタビューを見つけて、長い間さっぱり理解できなかった歌詞の意味が、少し解けたような気がした。



『Chairs Missing』に入っていたワイアー史上最もポップな曲と思える「Outdoor Miner」は、どんなふうに作ったか覚えてますか?

グラハム:「Outdoor Miner」の歌詞は、夏のある朝、起きてすぐに書いたんだ。歌の内容は、それぞれ異なる生物...主に昆虫たちの、異なるライフサイクルについてのもので、彼らの誕生、生活、そして死について書いている。ヒイラギの葉を食べて、葉の上に目に見えるくらいくっきりした食べあとを残すサーペンタイン・マイナー(注:羽虫の幼虫の一種、葉潜性昆虫)などについてフォーカスしてる。サーペンタイン・マイナーの食べあとは人生の旅...みたいな?

WIRE interview(Cookie Scene)、より
(質問・文:伊藤英嗣 / 翻訳:HigherFrequency / 2011年6月)
http://www.cookiescene.jp/2011/06/post-205.php



ワイヤー「アウトドア・マイナー(屋外の抗夫)」歌詞和訳

Wire "Outdoor Miner" - Lyrics (Song Meanings)
http://songmeanings.com/songs/view/3530822107858623127/
*歌詞は「songmeanings.com」から。コーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いている。歌詞サイトなどにある英詞の表記は、たいていメロディに合わせて改行表記され、そのため言葉が短く区切られ断片的になっていることが多い。それに合わせ読んだり訳をすると、文章としての繋がりがなくなって、意味が伝わりにくくなるように思う。なので、メロディやフレーズ単位で細かく区切らずに、なるべく歌詞をひとまとまりの文として読めるようにした。


No blind spots in the leopard's eyes can only help to jeopardize the lives of lambs, the shepherd cries

死角のないヒョウの目に捕えられると、子羊たちの命を危うくするだけでしかない。羊飼いはそう叫ぶ。

An outdoor life for a silverfish,
Eternal dust less ticklish than the clean room, a houseguest's wish

シミ(西洋紙魚)の野外活動。来客が望むもの、それは清潔な部屋よりも気遣いがいらない無尽の塵。

He lies on his side, is he trying to hide?
In fact it's the earth which he's known since birth

寝そべって、それで隠れようとしているの?
それは虫が生まれたときから知る大地のいとなみ。


Face worker, a serpentine miner, a roof falls, an under-liner of leaf structure, the egg timer
エカキムシという坑夫は ― 天盤落下にも見舞われる ― 葉の組織に線を描く者の限りある命。


* serpentine leaf miner: ハモグリバエの幼虫のことを、英語では「曲がりくねる(葉の中の)坑夫」というようで面白い表現だなと思った。ガーデニングをしている人たちにとっては目の敵といってもいい、やっかいな害虫「エカキムシ」と言った方がわかりやすい。

* 'roof falls in' で「災難が起こる」「何もかもうまくいかない」という言い回しがある。歌詞では「Face worker(坑夫)」や「miner(鉱山労働者)」という言葉が出てくるので、'roof'は鉱山・炭鉱内部の屋根のことかと。葉の中(での人生)を右に左に揺れながら(serpentine)、前に進むエカキムシの山あり谷ありな苦労を二重に言っているようにも思える。

* the egg timer : =「ゆで卵用の数分間砂時計」から「砂時計の残された時間」という意味合だと思い、それぞれの生き物に与えられた命の時間(神の定めた寿命)という風に解釈した。唐突にこの言葉が出てくるので、歌詞との繋がりがいまひとつよくわからず。ただの韻踏みかもしれないし、単にイメージ連想の面白さを狙ったものなのかも。



" Outdoor Miner " のUK盤7インチ・シングルのジャケット表裏。
Wire-OutdoorMiner-7inch.jpg
*レコード・ジャケットの画像は「Discog.com」から

「Outdoor Miner」のシングルは、大阪のレコード屋ではほとんど見かけなかったので、店に置いてあったレコードは珍しく、わりとじっくりと見ていたような気もするが、裏面のデザインはまったく覚えてなかった。あれ、こんなんだったかな? と当時の記憶をたどってもやはり知らないループにはまるだけで、今回初めて見た感覚がし、ちょっと新鮮だった。ワイヤーはシングルで聴くというよりも、アルバム一枚を通して聴くファンが多かったように思う。日本では、中古輸入盤屋の海外買い付けレコードで入ってくるぐらいだった為、いいコンディションのものを見かけなかった。「Outdoor Miner」には、2,000円位の値段がついていたけれども、それほど良いコンディションでもない中古盤をこの値段で積極的に買う人はあまりおらず、レコード屋ではわりと売れ残り組の部類にはいっていた。店側からすると回転率の悪いレコードの一つだったんだろうな、と当時を思い返してみる(アルバムは入荷するとすぐに売れていたのに)。アルバムでは飽き足らず、シングルにまで手を伸ばしコンプリート・コレクションするような熱心なファンがさほどいなかっただろうから、この7インチ盤を求める需要は少なく、また供給もあまりないために、値段は大きく下がることもなく極端に上がることもなかった。





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2016年09月04日

歌詞和訳:"Windows" by Angel Olsen


Angel Olsen - "Windows" (Official Video)
*最後にこの曲の歌詞と和訳を載せてます。


エンジェル・オルセン、2014年リリースの2ndアルバム「Burn Your Fire for No Witness」からのシングルカット曲。(2013年に出演時の)ピッチフォークのライヴ映像で彼女のことを初めて知って、それからユーチューブにあるミュージック・ビデオやライブ映像などを見ていくうちに、この曲がじわりと耳の中に残るようになった。天窓から注ぐ光によってできた光だまり、そこからこぼれ落ちてくるような歌声は、けだるく幽玄的で憂いがある。彼女の曲の中でも1、2番目に好きな曲。MVの監督はリック・アルヴァーソン(Rick Alverson)という人で、アメリカのテレビドラマ・シリーズ「The Comedy」が彼の代表作として名が挙がっていた。このドラマの本編は見たことがないけれど、いくつかの予告編やこのMVの撮り方を見るなかでは、人物に焦点が向かう王道路線の構図と、それを生かす光の回し方、全体のカラートーンを丁寧に描写できる監督だという感じがした。

ミュージックビデオの映像は、あまり人の手が入っていない山林の広い原っぱのシーンからはじまる。(母親役演じる)オルセンが二人の子供を連れ、郊外にある別荘地(あるいは田舎の家、それともずっと昔に住んでいたのかも)へと向かう。自然豊かな景色の中にわびしく建つ邸宅。休暇のときに訪れるくらいだろうから室内に生活感はみられない。椅子やインテリアは以前訪れたときのまま。彼女はいつか来た日を思い出し、懐かしんでいる様子だ。子供たちは、普段とは違う見知らぬ場所なせいか大はしゃぎしている。そのうちに、いたずら心が芽生えオルセンの顔にジェルを塗り始める。子供らは、まるで粘土遊びをしているかのようでとても無邪気だが、彼らとは反対に彼女は椅子に座ったまま微動だにせず、されるがまま。そして突然、場面が変わり(3'10"-)、オルセンはエリザベス朝時代に流行った襞襟(ひだえり・Ruff)の衣装を身につけ、美術館か画廊の展示物であるかのようにたたずむ。音楽のクライマックスと共にMVはこのシークエンスで終わってゆく。と、前半にある廃屋でのシーンは歌詞とのつながりはあるが、最後の17世紀前後のクラシカルな衣装のシーンは歌詞との関連性がよくわからない。この、二種類の映像の繋がりがちょっと良く分らずで、戸惑うものものはあるが不思議と音楽とは合っていて、イメージがふくらむ感じはする。奇妙な衣装をまとったオルセンの姿は、違う道を選んでいたら叶っていたかもしれない自分の夢を表しているのか、それとも過去の華やかな場にいた自分と今ある状況とのギャップを連想させるためか。あるいは何か心のうちにあるものを擬人化したものなのか。見終えたあとに、よりじわりと染みこむような余韻の続く音楽とMVだった。
この曲は乾いたギターの音と効果的なピアノ(&オルガン?) そして、空間的な録音など、カウボーイ・ジャンキーズのアルバム(1990年頃の)を彷彿させるものがありどこか懐かしい感覚になる。

AngelOlsen-Windows-PV-Capture.jpg
"Windows" Angel Olsen, Music Videoのキャプチャー画面


エンジェル・オルセン「ウィンドウズ」歌詞和訳

シンプルな英語なので、訳を書くほどでもないかもだけど、歌詞の中にある "we must throw our shadows down" というフレーズがずしっと響いたので、やっぱりUPしておこうと思った。オルセンの歌詞はわりと短くシンプルなものが多いが、その分言葉ひとつひとつに広く解釈できるところがあって、どこか哲学的な印象を受ける。この曲でも、「影を投げすてる」と歌うことで、光の存在をより強く与えているように感じる。「光」と「影」の捉え方や意味することは聞く人がそれぞれ、さまざまに解釈できるだろうけれど、端的に、光=生、影=死、という受けとり方でいいのだろう。「影」というものを生み出す「〜光を受けた私たちの身体(BODY)〜」は、死を同時に併せ持ち、光と影この両方を抱えながら人の命(生活)はあるのだと、という風に歌っているように思えた。「Windows」は「心の窓」になるのかな。


Angel Olsen "Windows" - Lyrics (Song Meanings)
http://songmeanings.com/songs/view/3530822107859473991/
*歌詞は「songmeanings.com」から。コーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。また、歌の中で聴き取れる箇所を()内に追記した。


won't you open a window sometime, what's so wrong with the light
wind in your hair, sun in your eyes, light

たまには窓でも開けてみない? 光に当たるのもそんなに悪いもんじゃないよ。
髪に風がからまり、瞳のなかに映る太陽。光を。


we throw our shadows down, we must throw our shadows down
we live and throw our shadows down
it's how we get around in the sun

私たちは影を投げ落とす、影を投げ捨てなければならないの。
影を投げ捨て生きていくの。
そうして日の当たる場所で人生を歩んでゆく。


why can't you see, ( i can't see )
are you blind, are you dead already, are you alive

なぜ見えないの? 私にはわからない
盲目なの? もうこの世にはいないの? 生きているのかしら?




PDF版(*上テキストをPDFにしたもの / A4 / 0.1MB):
TagongBoy-Translate-AngelOlsen-Windows.pdf







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