2017年02月17日

2.14は初ツイート記念日


Julian Assange
https://twitter.com/julianassange

アサンジがツイッターを始めたようで、初 tweetしたみたい(アカウント自体は2011年に取得していた)。最初のツイートは、いっとき流れた彼の死亡説に関するもの。検索でそれが予測変換の上位になっていた画面を添え、噂に懸念を見せたもの(今検索してみると、cat と twitter だけになっていた)。


* 追記:

"Rumors of my death have been greatly exaggerated (in a curious plot)"

https://twitter.com/julianassange/status/831534671146188800


上はアサンジの初ツイート。マーク・トゥエインの引用からもじったものだという指摘ありで、興味深い。「トム・ソーヤーの冒険」で有名なトゥエインだけれど、ジャーナリストとしての顔も持っているから意外とそのあたりを踏まえているのかも。


"The reports of my death have been greatly exaggerated."
"The reports of my death are greatly exaggerated."
(Another version)
by Mark Twain(Samuel Clemens)

http://www.thisdayinquotes.com/2010/06/reports-of-my-death-are-greatly.html



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2017年01月13日

映画「神聖なる一族24人の娘たち」


映画『神聖なる一族24人の娘たち』予告編


変な映画だった。まぁでも、それを期待して観にいったわけで、その期待していた通りのものが作品にあって楽しく観れた。

ロシア、モスクワの東600kmの場所にある「マリ・エル共和国」という小さな自治共和国を舞台にした映画で、たぶんその土地に残る言い伝えや民間伝承みたいな逸話をベースに、嘘かホントかわからないようなエピソードに仕立て、現在の世界と絡めている。登場する24人の娘たちのある日常を繋ぎ合わせた短篇オムニバスのような感じだった。変わった映像やトリッキーな映像は、もう見慣れているはずだけれども、この予告編からも垣間見れる素朴な映像とシュールさはけっこう新鮮。昔抱いていたロシアの不思議でキッチュなイメージって、こんな感じだったよな、と改めてまだまだ知らない世界があるし、(映像技術を駆使し予算をかけなくても)そういったものを作りだせるんだと思ったり。

観終わったあとの余韻は、ガルシア=マルケスの短篇集「エレンディラ」の読後感とも通じる、幻想と現実の間に置き残されたような、ふわっとした浮遊感ある世界。「エレンディラ」は南米大陸の幻想譚だが、そのユーラシア大陸版といった風に思えた。原題は「Небесные жены луговых мари (英題:Celestial Wives of the Meadow Mari = 草原マリ・エル共和国の神聖な妻たち)」。邦題はほんと上手く付けられている。


映画は去年の9月に日本で公開されていた。僕はほんの数日前にこの作品の予告編を偶然 Youtube で見て、瞬間観たいスイッチが入る。ああ、きっと公開からは随分経っているし、さすがにもう観れないか、なんてあきらめ半分、一応上映館がないかを調べてみたら阿佐ヶ谷の映画館で 1/7 - 1/20 までの間上映していることを知る(なんて呼ばれたようなタイミング!)。「ユジク阿佐ヶ谷」という50人弱がキャパのミニシアター。僕の観た回にはおおよそ8割ほど入っていて、女性比率が高く7-8割ほど。予想していた以上に観客が集まっていたことにやや驚く。そのうち20代後半〜30代位の人がほぼ半数で他の年齢層はまちまちだった。変な映画だけに、どんな人たちが観にやってくるのだろうと、客層なんかもちょっと気にはなった。


来週いっぱいやってるよ。


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2016年12月29日

しゃべる、ギター


Crankin' Up the 3-String Shovel Guitar!

ニック・ケイヴの「Higgs Boson Blues(ヒッグス粒子のブルース)」をしみじみ聴いていると、その歌詞の中に "10 dollar guitar" というのがあって、たぶんチープな入門用のギターのことなんだろうなと少し気になり調べているうちに、そういや、オイル缶をボディにして作る "Oil can guitar" ってのがあったなぁと思い出す。で、ユーチューブでいくつかオイル缶ギターの作り方と演奏を探し、堪能したあとに、奇妙なシルエットをした楽器を抱えるサムネイルが目に入ってきて、即飛んでいったのがジャスティン・ジョンソンという人の動画だった。それが、シャベルを改造した3弦のギターだった。この人、他にも奇妙な改造ギターをいろいろ作って演奏している。そしてまたプレイがめちゃくちゃ上手いし、カッコイイ。ハンギング・チェアにもたれ、オイル缶ギターで "while my guitar gently weeps" を演奏しているのもあって、それもまたサマになっていたり。どことなく喋るギターの名手、スティーヴ・ヴァイを思わせるルックス、こういうのをギタリスト顔っていうのかな。



Bottom Percussion Patax 2
https://www.youtube.com/watch?v=W6ooEb9Fod0
おしりや胸をパーカッションにして演奏してるアホな動画。もう絵がくだらなすぎて、にやけてしまう。

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2016年12月18日

段ボールで作るレコード・プレーヤー


DIY: Cardboard Record Player

段ボールを使って、手動式レコード・プレーヤーを作る動画。たしかに、原理からしてみればこんなシンプルなことで出来てしまうんだけど、考えもつかなかった。盤は痛みそうだけど。ヴィニール・レコードの場合、こうした原始的な仕組みで音が聴けるのはなんか強みだな。


selbstgebautes Grammophon / Minimalist gramophone by Livia Ritthaler
https://www.youtube.com/watch?v=iQikPNOPSUc
こっちはもっとシンプルに。中心軸をコマ回転させるスタイルで、紙を円錐状に丸めたスピーカーを取り付け音を鳴らしている。揺らいだ音がレトロ感たっぷりですごくいい。


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2016年11月08日

Hysterical Literature (Russian Version)


Литературный Оргазм Алина (Literary Orgasm reading)
https://streamable.com/280v

上動画は、ロシア版の「Hysterical Literature」。たしか以前、下のキャプチャー画面をとったときには「Literary Orgasm reading」という名前がついていたけれど、いつの間にかそういった表記などが消えていた。ロシア版は「朗読する」という点が強調され、若干オリジナルのものとは、コンセプトが違っている(コンセプトの詳細は下記参照)。動画に登場のモデル、アリーナが手にしている本はポーランドの作家 Janusz Vishnevsky(ヤヌース・ヴィシュネフスキー)の "Loneliness on the net" というタイトルの小説(これも表記・詳細が消えていた)。
5'30" を過ぎたあたりが、多分いいところ。オーチン・ハラショー


Hysterical-Literature-Alina-Capture.jpg
*上動画のキャプチャー画像。 



ヒステリカル・リテラチャー
NYを拠点に活動しているフォトグラファー兼映像作家のClayton Cubitt(クレイトン・キュビット)という人が "Hysterical Literature" というシリーズの映像作品を2012年から発表していた。僕が知ったのは、オランダの女性バンド「ADAM」の "Go to Go" というMVが話題になっていたとき。ユーチューブで、このミュージック・ビデオを見ていたら、関連動画のなかで表示されていた。

"Hysterical Literature" が、どういう映像作品かというと、モデルとして登場する女性に愛読書(?)を持ってきてもらい、テーブルを前にして朗読してもらうというもの。もちろんそれだけじゃただの朗読動画になってしまうので、仕掛けというか違った要素がある。映像には映らないが、テーブルの下、椅子に座る女性には事前にバイブを仕込んでいて、本を朗読する姿を定点観測的に撮りながらも、しだいに感じはじめる彼女たちの表情を映しとっている。この瞬間が、この作品のハイライト。

前半はすまし顔でただ本を読んでいるだけだから、映像的には地味だけれども、後半に進むあたりからじわじわ女性の様子が変わり、そのうちに悶えはじめ、最後は座って朗読するどころじゃなくなって、大声を上げたりしはじめる。最初と最後のギャップ差が、映像を見る側にとってはややサディスティックで、けっこう面白い。外国人という目で見ているせいか、どこかモデルたちのリアクションにはユーモラスを感じてしまう。多分、こういうのは日本ではあんまり受けないだろうな。モノトーンで撮っているせいか、やっていることのわりに品を感じてしまうあたりに何か不思議さがある。

ひとつ書いておきたいのが、この作品のタイトルとコンセプトの関係。けっこう上手く紐付けされていて、ああ上手いことテーマと結びつけたんだなぁと思った。"Hysterical Literature" は、そのまま「ヒステリックな文学」という意味だけど、"historical literature(歴史的な文学)" とかけたもの。そして、女性モデルたちの朗読する本との繋がりをも付けている。動画の中で彼女たちが読んでいる本は、"historical" にちなんでリクエストを受け、少し意識して選んだのかもしれない、わりと古典名作が多く、ウォルター・ホイットマン「草の葉」や、ヘンリー・ジェイムズ「ある貴婦人の肖像」、アンソニー・バージェス「時計じかけのオレンジ」などなど(本はモデルのセレクトだから、全部が古典名作ではなかったりする)。そして、なんでバイブが関係あるの? というフェミニストたちが噛み付いてきそうな疑問にも、ちゃんとした意味づけで答えることができる。その昔(といっても19世紀末ごろ)、女性のヒステリーを抑えるために開発されたのがバイブレーターで、当時は立派な医療器具として登場したのだった。こうして "Hysterical Literature" という言葉を軸に、朗読小説とバイブ、そして作品コンセプト、この二つを層として重ねるあたり、クレイトン・キュビットの(深読みできる)センスにちょっと関心してしまう。

発表後、この "Hysterical Literature" は話題になったようで、見た人が自分も同じように朗読し、その動画を投稿していたり、ロシア版としてはじめる人がいたりした。今でもそうした映像がユーチューブや Vimeo にいくつか残っている。各種、ひと通り見た中で、ロシア語版に登場するモデル "Alina" が、かわいかったんで上動画で貼った。オリジナル版を見たい場合は、下記リンク先よりどうぞ。


hysterical literature
http://hystericalliterature.com/

http://www.huffingtonpost.com/2015/01/15/clayton-cubitt_n_6472188.html



MV-ADAM-Go2Go-Capture.jpg
ADAM - Go to Go (MV-Capture) from youtube


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2016年10月01日

何度目かの来日


Klaus Nomi - Wayward Sister

"Viva Hate Tour"でのオープニング曲。オペラ調のクラウス・ノミ「Wayward Sister」がかかり、会場が一気に高揚した。


そしてオープナーの“Suedehead”が始まった瞬間、果たしてオーチャードホールのような会場でどんな反応が起きるかと思いきや、会場の四方八方から100人程のファンがモリッシーめがけて猛突進、ステージ前にはいきなりもみくちゃのカオスが出現する。



モリッシー、4年半ぶりの来日ツアー速報レポート。
英王室、米大統領選etcに向けられた痛烈なメッセージとは?

http://ro69.jp/news/detail/149169?rtw


おー、来日の情報は教えてもらって知っていたけど、公演はきのう、おとといやったか。横浜の公演は突然キャンセルされたみたいで、こういう気まぐれさは相変わらずだなぁ。しかし、ファンがステージに殺到するというモリッシー・ライブでの風物詩だったものが、まだ続いているのにびっくり。

初来日のときは、ほんとひどかった。会場の損害費用で大赤字になったとか、そういう伝説のあるモリッシーのはじめての日本公演(踏みつけられた数百あるパイプ椅子は、折れ曲がり千切れ、槍のようになっていて危険だった)。そのときの大阪城ホールでは、前日の福岡公演が大荒れになったため、厳戒な警備がしかれていた。会場内はファンの暴走を食い止めるため、警備員が増員され、「ファン対主催者」みたいな、変な構図になっていた。そういた中でもやっぱり、熱烈なファンのステージ乱入は避けられず、十数人ほどが警備の目(と手)をかいくぐってステージに上っていた。スミス・ファンを自負していた僕もそのうちの一人で、なんとかステージに上がることができた(そのあと警備員に捕まり、会場の外に放り出された)。いま思うと、思い出に残るライブだったな。モリッシーは飛行機嫌いで有名だったため、来日は二度とないだろうということで、当時のファンたちはこのときだけは! と盛り上がっていたような気がする。
でもなんだろ、モリッシーに限らず来日するのを待つ必要はないんだよな。別に日本でしかライブをやらないわけじゃない。見にいきたくなったら、昔とはちがって気軽に、どこへでも行けるようになったのだから。


Morrissey : Viva Hate 'Live' (Full Concert)
https://www.youtube.com/watch?v=EHcAB9pP4sA


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2016年06月16日

名作「Pulp」がちくま文庫から

pulp.jpg
「パルプ」チャールズ・ブコウスキー(柴田元幸・訳)
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480433473/

長らく絶版になっていたブコウスキーの「パルプ」が、ちくま文庫で復活! これ待ってた人相当多いんじゃないかな、とtwitterやアマゾン・レビューをのぞくと案の定盛り上がってた。皆、やっぱり待ち望んでいたんだなぁ。
僕が、はじめて読んだブコウスキーの小説がこれだった。スピード感のあるストーリーで、一気読みし、ものすごいインパクトがあった。何だこれは? ってのが第一印象でそれから色々とブコウスキーの過去作品を読むようになり、そのきっかけになった一冊。なだけに思い出深い。ブコウスキーの最高作との呼び声も高く、柴田さんの翻訳もまた素晴らしい。なんで絶版になっていたんだろう? って首をかしげたくなるくらい、面白い本なのに。
何気なくアマゾンでミルハウザーのペーパーバックを探していたら、ひょこっと表紙のアイコンが現れ思わず飛んでいってしまった。いや、まったく知らなかったんでびっくり。最近、海外文学の復刊多い気がして、ちょっと嬉しいものがある。
「村上柴田翻訳堂」シリーズで復刊した、フィリップ・ロス「素晴らしいアメリカ野球」も気になる。今は新潮文庫から去年出たブルガーコフ「犬の心臓」を読んでいるところ。やっぱブルガーコフは描写がうまい。




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2016年06月12日

sometimes it Snowden in April...not June


Nine Inch Nails - Ghosts I - 2


自分たちの秘密の世界は、切りはなされたべつの世界で、あたしは半人間たち(ハーフ・ピープル)の島に永久追放されたものだと思っていました。けれども、トマス、そこは切りはなされてはいないのです。神は教えてくれました ―― それはあたしたちを取り巻く現実世界のまんなかにあって、ただドアをひらいて外に出れば、自由になれることを。

「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」ジョン・ル・カレ(村上博基訳)、より
(ハヤカワ文庫NV・p101)




エドワード・スノーデンを追ったドキュメンタリー映画「Citizenfour」を観る。海外サイトには監督ローラ・ポイトラスがどうやってこの極秘取材を進めたのか等、時系列をふまえた記事やインタビューが数多くあって、またそれぞれにボリュームもあり関心度の高さがわかる。興味ある記事もいくつかあったので、僕は辞書をひきながらのんびり読んでいこう。ようやく日本でも公開。この映画は、時事性の強い映像作品でもあるから発表時に渦巻いていた期待熱はやや冷めたところはあるが、その間にもスノーデンの告発&亡命が導火線となっているだろう「パナマ・ペーパーズ」の問題が起こったりもして、少しは追い風にはなっているんじゃないかと思う。少し経てば、きっと専門的な人などが詳しい情報を交え、webやblogなどでアップしてくれるだろうから、そういったのにも少し期待。僕は普段から、さほど映画を観ているわけではないし映像に関しても疎く、そういった能力はないので勢い感想くらいしかかけないや。まぁ、でもそれについて考え、少し書くことで理解の度合いは増えるだろうから、何もしないよりかはいいかなと思ったり。そのときに観たり聴いたりしたものについて、自分がどう感じたか等々を書くのは、やっぱりその瞬間にしかできないもので、あとからでは、当時の新鮮な感情(や考え)を思い出すのはなかなか難しい。ちゃんと見れてないこともあるだろうし、思考が至らないことばかりだけれど、それもそのときの自分なのだから、と、最近はあまり気にすることもなくなってきた。ということで以下、映画「Citizenfour」についてのあれこれ。こうして、映画や映像にinfluenceされ、何でもいいからちょっと書いてみたくなる、ってのはやっぱりいい作品だという証拠なんだろうな。何か素敵なものに触れると自然と言葉が湧いてくる、例えたどたどしくっても、それが自分の受け取った「何か」なのだろう、と。

「Citizenfour(2014)」は、ポイトラスの "9/11 Trilogy(9.11三部作)" の3作目、締めくくりにあたるのだそう。「My Country, My Country(2006)」「The Oath(2010)」と合わせた、彼女の映像3作品がDVD-BOX SETとしてパッケージングされている。


3 years ago in June
そうか、スノーデンがアメリカの情報収集・監視機関NSAの内部告発をし香港に逃亡、このスクープをすっぱ抜いたガーディアンのグレン・グリーンウォルドによる報道がちょうど三年前の今ぐらいの時期だった(途中、各国の街の電光スクリーンにそのときの報道シーンが映る)。スノーデンの滞在していた香港のミラ・ホテル、10階で秘密裏に行われていた取材の様子を中心に構成された映画(ここはデザイナーズ・ホテルとして改装したらしくインテリアなど、わりとお洒落。取材映像の仕上がりを意識して選んだのかな? なんて後で思う)。スノーデンはお互いの連絡には、PGP(Pretty Good Privacy)という暗号ソフトを使うように提案し、簡単な仕組みをレクチャーする。自分のいた諜報世界のことをよく知っているだけにとにかく慎重だ。このくだりは暗号と戦争の歴史にもつながってくるので、興味深いものがある。どんな重要な情報を持っていても、それをプロテクトし目的地へ放り投げる術を持っていなければ、たしかに諜報活動の場合仕事をしたことにはならない(サイモン・シン「暗号解読」は暗号技術のテクニカルな話もふまえつつ、歴史や思想的な話も盛り込んでいて読みやすく面白い)。暗号史という切り口で、この映画を観てみるとまた違った発見があるのかも。

1分でわかるPGP(村川研究室)
http://www.wakayama-u.ac.jp/~takehiko/pgp.html

緊張感の漂うなか取材は進む。スノーデンの飄々とした口ぶりと反比例するように、アメリカのスパイ組織(CIA)による地球規模で行われている監視体制の全容が見えてくる。それとともに、彼らは事の重大さと自分たち(ジャーナリスト)が抱えられるような問題でもないことがわかってくる。世界中の誰もが知らない大きな秘密を共有してしまった(スノーデンをのぞく)三人は、後悔しようにももう後にはひけない。映像を通し、観ている側にもそれが伝わり手に汗握る。スノーデンはくつろぐベッドから手を伸ばし、電話機を持ち上げてみせる。そして片手でつかみ直すと真剣な表情に変わる。次いで「通信回線一本あれば、ホテル内の盗聴も接続機器の遠隔操作も(地球の裏側からでも)可能なんだ」と冷静に言う。その事実を知っているものだけが口にし言葉にできるリアリティ。多くのユーザーが使っているパソコンにも勝手にメモリーチップや隠しコードなどが組み込まれ、僕たちはおそらく気づかないまま使い、また買い替えているのだとも。こうしてグレンが普段使っているノートブックの小さなからくりをいとも簡単に見破る。全世界での一斉に報道された後、スノーデンはアメリカ政府から追い込まれ(恋人や家族も)、とても切羽詰った逃亡劇へと場面は展開する。ほんと映画以上に映画的だし、ドラマティックで非現実の世界。こんな世界が実際にあるんだな。そして今もごく一部の人間が、多くの人たちを常に見張っているというのも変わらない。きっとアメリカのトップ、オバマですら知らない事実もあるだろうし、一体誰がこの国をコントロールしているんだろう? なんてことを観ながらぼんやりと考える。

ジュリアン・アサンジもちょこっと登場する。モスクワの空港で身動きの取れなくなったスノーデンに対し、チャーター機を飛ばして、エクアドルかベネズエラ(だったかな?)に亡命させるよう電話でウィキリークスの編集長の女性に語っていたのがかっこよかった(まるで、タクシーを呼び寄せるかのような、ごく自然な振る舞いをみると、やっぱり彼はエリート中のエリートなんだろうな。それとも欧州は、そういう需要がさほど珍しくないのか)。「アメリカCIAの秘密を暴露した青年が、どこか亡命先と命の保障を希望してるんだけど、手助けしてやれないかな…」と、いつもの、あの抑揚のない冷静な口調で受話器に向かって話す。アサンジもこの突然の逃亡劇ニュースには驚きを隠せない様子だったが、スノーデンには何かシンパシーを感じている風でもあり、いつかめぐり合うだろう同胞を待ちわびていたような感じもした。このときアサンジ自身も、在ロンドンのエクアドル大使館から一歩も出れない状況だったから、彼の申し出はより意味を持つ(この映画のなかでのアサンジは、ミステリアスな雰囲気をかもし出していてガンダムのシャアっぽい)。それにしても、ロシア域内に入った瞬間にスノーデンのパスポートを失効させたり、当然なのかもしれないがありとあらゆる妨害工作を働く国家と、それから守ろうとする人たちの攻防というか頭脳ゲームがあるのもこの映画の見所のひとつだった。
他観ていて思ったのは、ほんと西洋の社会って論理というか理論で動いているんだな、ということ。アメリカのもつ巨大な権力だったなら、組織を裏切った人間一人二人くらいなら、秘密裏に殺害することも出来ただろう。けれども、スノーデンを取り囲むジャーナリストや法律家たちは、メディアの持つ裏の刀、大衆の関心を引き寄せるという部分をうまく利用し、頭脳と知恵を駆使して命のセーフネットを張る。このあたりはけっこうシビレるものがある。異端児対世界最大級の国家、という構図で後半は進んでゆく。高層ビルや近代的な建物、モバイルやモニタールームなど最新の機器が写りこむが、やってることはほとんど中世の世界だ。

911以降、アメリカ政府の監視体制が、一般市民に対しより広くやりやすくなったと映画の中では何度も繰り返されている。いまだに、いろんな説が飛び交う911だけど、一番の目的は、この暴露で知ることになった〜世界中の名もなき市民を一人残らず(合法的に)監視する法律〜を成立させる為だったんじゃないだろうかと思えたり。

Citizenfour - Soundtrack
エンドロールが流れ、そういや印象的なシーンで頻繁に流れていた音楽って誰の演奏なんだろう? とふと気づきクレジットを目で追っていくとナイン・インチ・ネイルズだった。映像のトーンに良く合っていたせいか、既存の音源だとは思わず、てっきりこの映画のためのオリジナル音源だと思っていた。それだけに意外な選曲だった。(イタリアのノイズ音楽家)マウリッツォ・ビアンキの「 FIRST DAY - LAST DAY 」を彷彿させるアンビエントな感じや、This Heatの1st、ソニック・ユースの「 Providence("Daydream Nation" に収録)」あたりの音響(音像?)感もある。都市と人、あるいは人と都市、存在としての有機体が巨大な無機物に囲まれ磨耗してゆき、なにかポロポロと心が壊れ・剥がれていくような空虚さ。荒廃的な雰囲気が漂いつつも、その中にわずかな再生の芽を感じさせる、そんな触感のあるいい曲だな。この曲を収録したナイン・インチ・ネイルズのアルバム「 Ghosts I-IV 」は全編インストゥルメンタルらしく、いくつかを聴いてみると、現代音楽にも近いアプローチがあったりして、彼らに抱いていた -ノイジー&ゴス- という印象ががらっと変わった。ノイズ・インダストリアルとアンビエント・ミュージック、街の雑音コラージュ、そしてサティ(風のピアノ)の組み合わせって、1990年前後には出尽くしたところがあり、もうそれほど斬新なところはないけれど、まだモダンというか知的な音作りの可能性が残っているところがある、とも感じたり。



From Inside the Snowden Saga:
How Laura Poitras Covertly Shot Her New Film, Citizenfour

(by Matt Patches / Vanity Fair - Hollywood / Oct. 23, 2014)
http://www.vanityfair.com/hollywood/2014/10/laura-poitras-citizen-four


How Laura Poitras Helped Snowden Spill His Secrets
(By PETER MAASS / NY Times / Apr. 13, 2013)
http://www.nytimes.com/2013/08/18/magazine/laura-poitras-snowden.html



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2016年05月14日

毛皮のコートを着たニシン


Японцы пробуют российские роллы, суши и
≪селедку под шубой≫

スプートニクの人気記事にロシアの寿司紹介があったので、つられて見る。海外の寿司文化って素材も違うし目にも楽しく興味あるけど、日本ではああいうのは本来のスタイルじゃない、といった風潮がまだやっぱり残っていて、どこか敬遠されがちだったり少し残念。味覚の違いもあるんだろうけど、そろそろ、逆輸入で取り入れた新しい日本の寿司っていうのを食べてみたいなと思ったり。
で、上動画で知った「毛皮のコートを着たニシン(セリョートカ・ポド・シュボイ)」という不思議なネーミングの料理が気になった(コートの下のニシンとも)。ロシアの名物料理みたいで有名だとか。塩漬けにしんに、ビーツとサワークリーム、じゃがいも&マヨネーズなどを重ねたものらしい。おいしそう。動画の女の子もカワイイ。一番いいのは、毛皮のコートを着た美人かな。

Herring under a Fur Coat (Russia Today)
http://russiapedia.rt.com/of-russian-origin/herring-under-fur-coat/

ちょっと話はそれるけど、最近木綿豆腐にバルサミコ(熟成したやつ)をかけるとウマイことに気づいて、良く食べている。豆腐を、カッテージチーズのブロックだと考えてみれば、さほど変な組み合わせでもないように思えたり。


日本人、ロシア流の「スーシィ(寿司)」にトライ (スプートニク)
http://jp.sputniknews.com/videoclub/20160512/2124673.html

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2016年05月04日

ちくまのミステリー

BooksChikuma-Apr-2016.jpg

アンナ・カヴァンに気をとられていたので、マクロイの「あなたは誰?」を買いそびれ、本屋さんの平積みだったものがだんだんと減っていき、さらに買いそびれてしまう。ぼくは中古本だとマーキングや書き込みがあっても多少平気だけど、新品で買う場合はとにかくキレイじゃないと気がすまない、というところがある。考えてみればCDやDVDだって、誰かが封を開けたり視聴したものを、抵抗なく買う人はいないだろう、そう変でもない、か。で、新宿の書店ではもうきれいなものがなくて、気がついたら池袋へと足を伸ばしていた。

ミステリーはけっこう未ジャンルだった。ページの進み具合はいわゆる純文学ものよりは早いので、少し古典的なものから読みはじめてみようかと。最近は長らく絶版だったものが新訳になって出ていたり、コーナーに賑わいあってなんか嬉しい。にしても、マクロイはほんといいな。つい最近出たばかりの「二人のウィリング」は三、四日ほどで読み終えた。ベイジル・ウィリング博士のシリーズ。プロットに凝るというよりも、読者を物語の世界へと引きこむような文章に魅力を感じる。長編以外でもSF・ファンタジータッチの短編などもあって、短篇集「歌うダイアモンド」もすごくよかった。彼女の作品に通じるのは知識の豊富さが、ストーリーに深みを与えていて、あまり女性作家っぽくないところ(というと怒られそうだが、文章が論理的なのではじめは男性作家だと思った)。

チェスタトンは前から気になっていたもので、何から読んだらいいのかわからず、よく行く古書店に置いてあったものを手にした。イギリスの作家っぽいシニカルな言い回しが好みの分かれるところかも。ディケンズの「荒涼館」は、ミステリー小説の要素が強いことで有名らしく、一度読んでみようかなと思った(これ全4巻もあって、めちゃくちゃ長い!)。でも、集中力がいるから、たぶんしばらくは読まないだろう。


 アガサ・クリスティもディケンズの愛読者で、この『荒涼館』をとりわけ好み、脚本化しようと考えたこともあったが、登場人物が多すぎて、魅力的な人物を多数カットしなくてはいけないと気づいてあきらめたという。


海外クラシック・ミステリ探訪記 - チャールズ・ディケンズ『荒涼館』
http://fuhchin.blog27.fc2.com/blog-entry-409.html
海外ミステリに詳しい S.フチガミさんのブログ(ちくま・マクロイの翻訳者)。
未邦訳のタイトルの紹介もたくさんあって、めちゃくちゃマニアック!



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