2017年03月22日

ピンチョンとオザケンが繋がる、意外なライン



驚くべきことに世間にはピンチョンを読んでいる女性は想像以上に多いようで、一体何故ピンチョンなぞ読む気になったのだと訊くとほぼ例外なく小沢健二の影響だと言われて、まったくもって訳が分からないと思っていたのだが、小沢健二は学生時代に柴田元幸に師事していたのを知って納得した。


fumi(2017年3月6日)さん、より
https://twitter.com/fumi_1980/status/838777442055553024


ピンチョンの調べものをしていたら、ツイッターに面白い情報があったので、ちょっと気になり飛んでいった。最近は以前よりピンチョンの知名度上がっている気配がけっこうあって(トランプの影響でバカ売れしてるハヤカワ文庫のオーウェル「1984」での解説もまた後押ししてるだろうし)、何でだろう? と思っていたら上ツイートにあるような理由が少し関係しているのかな。にしても柴田さんとオザケンって、こんな繋がりがあったとは、うーんビックリ。そして、もひとつ似たような関係性を加えると、ピンチョンはナボコフに師事していたというエピソード。
オザケンの1stアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」って、カポーティのエッセイ集の冒頭に書いてあるアラブのことわざ "The dogs bark, but the caravan moves on." と(訳が)同じやったんで、きっとそこから引用したんだろうなと思っていたんだけど、上ツイートに書いてあるように柴田さんに師事していたという話を聞くと、その線はやっぱり濃厚な感じ。大元は当時フランスが統治していた、たぶんマグレブあたりのアラブ語・ことわざがまずフランス語に訳され、さらに英語圏に広まった感じなんだろう。そして、1990年代に日本のポップミュージックの中で使われたと。言葉が地球を半周して、しかも十年二十年と残る作品の中に組み込まれ僕たち多くが知るところとなった。もし、日本在住のアラブ圏の人たちが、「犬は吠えるが」のアルバムを目にし、「あれ、これって俺たち故郷のことわざと似てるな」なんて気づいたとき、「言葉」が人を介し世界をぐるり一周したことになる。




The Dogs Bark but the Caravan Moves On – Arab proverb
T. Capote use it for an anthology title: The Dogs Bark(anthology)

https://forum.wordreference.com/threads/the-dogs-may-bark-the-caravan-goes-on.1660568/



Les chiens aboient, la caravane passe.
【逐語訳】 「犬が吠え、隊商は通る」(犬は吠えるがキャラバンは進む)

北鎌フランス語講座 「やさしい諺(ことわざ) 4」、より
http://hayasiya7.hatenablog.com/entry/2016/05/19/015058



で、けっこう貴重な対談を載せた記事があったんで紹介。文学とネオアコ、みたいな感じ。オザケンの2nd「LIFE」ってポール・オースター読みながら作っていたとか、これ、面白い話だな。



小沢 本を読むときは、レコードとかかけるんですか。
柴田 本を読むときはあまりかけないけど、翻訳してるときは必ずかけますね。だから、訳した本と特定のアルバムが結びつくのよ。たとえば、ポール・オースターの『孤独の発明』とフリッパーズ・ギターの『カメラトーク』なのね(笑)。
小沢 いやいや、やめてくださいよ(笑)。僕は逆に、『孤独の発明』読みながら次のアルバムつくってましたよ。なんだか反響してますね。

昼の軍隊さん、より
「LES SPECS 1992年11月号 小沢健二×柴田元幸」
http://hayasiya7.hatenablog.com/entry/2016/05/19/015058

posted by J at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | - 書籍 - | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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