2017年03月09日

世界の鉄道:ゲージ610mmのビルマ鉱山鉄道(ビルマ・シャン州)

cap-Burma-MinesRailway-Namtu-Lopah.jpg
下動画のキャプチャー。


Burma Mines Railway, steam train from Namtu to Lopah, Myanmar


世界で最も乗り心地の悪い鉄道、あるいは世界最悪の鉄道と称され、二度と乗りたくない鉄道の筆頭に挙げられるビルマの鉄道だけれども、それはいわゆる旅客営業路線での話。中国雲南省に接するビルマ北東部、シャン州にある「ボードウィン(Bawdwin)鉱山」を走る鉱山鉄道の路線景はなかなか魅力的だと思う。


ビルマの鉄道は英国が統治していた1877年に建設された。この当時ビルマは、インド総督の支配下にあり、鉄道はインドの技術の元で進められていた。インドではメーターゲージからより大きな広軌へのグレードアップが行われているところだった。そうなると、以前のメーターゲージ用のレールが大量に余ってしまう。そこで、その古い鉄道資材をビルマへ運び込み、再利用することで解決させた。

● 参照・要約:「世界の鉄道旅行案内」櫻井寛(講談社現代新書・p172-173)



建設当時は旅客運輸というよりも資源資材の貨車輸送が主だったろうから、きっと線路さえ伸びていれば大きな問題はないというぐらいで、乗客の快適さは二の次だったんだろうと思う。これはビルマだけでなく、インドとビルマの間にあるバングラデシュにもいえ、当時イギリスが南アジアの範図をどのように区分けしていたのかが鉄道のゲージから見て取れる。バングラデシュでは首都ダッカを境に、東部地域(ビルマ側)がメーターゲージ路線で、西部地域(インド西ベンガル州側)がインドと同じ広軌幅のゲージが敷かれている。


ビルマ第二の都市「マンダレー」から雲南省方面へ向かう途中に、「ラーショー」という温泉で有名な町があり、そこを中継地として北西50kmの方角に「ナムトゥ(Namtu)」という小さな町がある。ここが「ビルマ鉱山鉄道」の起点となって、ボードウィン鉱山までの線路が伸びている。マンダレー・ラーショー線の「ナミャオ(Namyao)」で分岐して、ナムトゥ経由で終点のボードウィンまでの全長約80km。
この路線、今の時代とは到底思えないというか、一世紀以上も時間が経過してないようなたたずまいがあってノスタルジー感を誘う。動画を見ているうちにも、まるで20世紀初頭にタイムスリップしてしまったのかと錯覚してしまったり。ビックリなのが、この鉄道のレール幅。ゲージが 610mm で、これはダージリン・ヒマラヤ鉄道と同じ狭さ。どこかおもちゃの線路(車輌)っぽさを感じたのはきっとそのせいだ。そして、この鉱山鉄道にはもう一つ面白い場所がある。途中、立体スパイラルになった場所があり、蒸気機関車がここで立体交差する瞬間なんかすごく絵になりそう。勾配があるために、機関車の前部に砂がどっさり積んであって、搭乗員がコレを線路に撒きながら車輪がスリップしないようにしている。

BurmaMinesRailway-Namtu-26.Nov-2009.jpg
The Burma Mines Railway in Namtu: The Wallah Gorge Spiral
上写真は右リンク先より: http://farrail.com/


「ナムトゥ」への行き方はちょっと面倒だ。ヤンゴンからならば、まずマンダレーまで行き、マンダレーからさらに温泉で有名な町「ラーショー」へ行く。そして、そこから北西約50km先に進んでやっとの到着となる。ビルマの交通事情の悪さは、鉄道、道路ともに相当なものだから、こうして想像するだけでも疲労感がまず真っ先に頭をよぎる。チェンマイ〜マンダレー便があるのなら、そのルートで入った方がきっとよさそう。と、わりと真剣にルートのシュミレーションをしてしまったり。このナムトゥ、旅情報ではあまり出てこない地名だから今回、初めて知った。標高は約560m。熱帯の地域だけれども朝晩は霧が出たりして寒そう。上動画の最初の部分はナムトゥ駅周辺のマーケットの様子が映っていて、見ているとなんだか行きたくなってくる。近年は民主化と合わせて、解放政策が進んでいて以前は入域禁止だったこの場所も入れるようになったおかげで、この鉄道のいい写真や動画がけっこう見れるようになった。


Burma Mines Railway - wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Burma_Mines_Railway

posted by J at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界の鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック


バンコク ホテル格安プラン