2016年11月08日

Hysterical Literature (Russian Version)


Литературный Оргазм Алина (Literary Orgasm reading)
https://streamable.com/280v

上動画は、ロシア版の「Hysterical Literature」。たしか以前、下のキャプチャー画面をとったときには「Literary Orgasm reading」という名前がついていたけれど、いつの間にかそういった表記などが消えていた。ロシア版は「朗読する」という点が強調され、若干オリジナルのものとは、コンセプトが違っている(コンセプトの詳細は下記参照)。動画に登場のモデル、アリーナが手にしている本はポーランドの作家 Janusz Vishnevsky(ヤヌース・ヴィシュネフスキー)の "Loneliness on the net" というタイトルの小説(これも表記・詳細が消えていた)。
5'30" を過ぎたあたりが、多分いいところ。オーチン・ハラショー


Hysterical-Literature-Alina-Capture.jpg
*上動画のキャプチャー画像。 



ヒステリカル・リテラチャー
NYを拠点に活動しているフォトグラファー兼映像作家のClayton Cubitt(クレイトン・キュビット)という人が "Hysterical Literature" というシリーズの映像作品を2012年から発表していた。僕が知ったのは、オランダの女性バンド「ADAM」の "Go to Go" というMVが話題になっていたとき。ユーチューブで、このミュージック・ビデオを見ていたら、関連動画のなかで表示されていた。

"Hysterical Literature" が、どういう映像作品かというと、モデルとして登場する女性に愛読書(?)を持ってきてもらい、テーブルを前にして朗読してもらうというもの。もちろんそれだけじゃただの朗読動画になってしまうので、仕掛けというか違った要素がある。映像には映らないが、テーブルの下、椅子に座る女性には事前にバイブを仕込んでいて、本を朗読する姿を定点観測的に撮りながらも、しだいに感じはじめる彼女たちの表情を映しとっている。この瞬間が、この作品のハイライト。

前半はすまし顔でただ本を読んでいるだけだから、映像的には地味だけれども、後半に進むあたりからじわじわ女性の様子が変わり、そのうちに悶えはじめ、最後は座って朗読するどころじゃなくなって、大声を上げたりしはじめる。最初と最後のギャップ差が、映像を見る側にとってはややサディスティックで、けっこう面白い。外国人という目で見ているせいか、どこかモデルたちのリアクションにはユーモラスを感じてしまう。多分、こういうのは日本ではあんまり受けないだろうな。モノトーンで撮っているせいか、やっていることのわりに品を感じてしまうあたりに何か不思議さがある。

ひとつ書いておきたいのが、この作品のタイトルとコンセプトの関係。けっこう上手く紐付けされていて、ああ上手いことテーマと結びつけたんだなぁと思った。"Hysterical Literature" は、そのまま「ヒステリックな文学」という意味だけど、"historical literature(歴史的な文学)" とかけたもの。そして、女性モデルたちの朗読する本との繋がりをも付けている。動画の中で彼女たちが読んでいる本は、"historical" にちなんでリクエストを受け、少し意識して選んだのかもしれない、わりと古典名作が多く、ウォルター・ホイットマン「草の葉」や、ヘンリー・ジェイムズ「ある貴婦人の肖像」、アンソニー・バージェス「時計じかけのオレンジ」などなど(本はモデルのセレクトだから、全部が古典名作ではなかったりする)。そして、なんでバイブが関係あるの? というフェミニストたちが噛み付いてきそうな疑問にも、ちゃんとした意味づけで答えることができる。その昔(といっても19世紀末ごろ)、女性のヒステリーを抑えるために開発されたのがバイブレーターで、当時は立派な医療器具として登場したのだった。こうして "Hysterical Literature" という言葉を軸に、朗読小説とバイブ、そして作品コンセプト、この二つを層として重ねるあたり、クレイトン・キュビットの(深読みできる)センスにちょっと関心してしまう。

発表後、この "Hysterical Literature" は話題になったようで、見た人が自分も同じように朗読し、その動画を投稿していたり、ロシア版としてはじめる人がいたりした。今でもそうした映像がユーチューブや Vimeo にいくつか残っている。各種、ひと通り見た中で、ロシア語版に登場するモデル "Alina" が、かわいかったんで上動画で貼った。オリジナル版を見たい場合は、下記リンク先よりどうぞ。


hysterical literature
http://hystericalliterature.com/

http://www.huffingtonpost.com/2015/01/15/clayton-cubitt_n_6472188.html



MV-ADAM-Go2Go-Capture.jpg
ADAM - Go to Go (MV-Capture) from youtube


posted by J at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | favourite | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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