2017年10月19日

歌詞和訳:"Gravity" by Anekdoten


Gravity - Anekdoten

北欧スウェーデンのプログレ・バンド「アネクドテン(Anekdoten)」。
Anekdoten は英語の Anecdote にあたるスウェーデン語で、話や奇談の意。バンドについてはあまり詳しいことは知らず、とくに追いかけて聴いていたわけでもないんだけど、この「Gravity」という曲がほんと好きで、聴きはじめるとけっこうエンドレスになっていることが多い。2003年6月リリースのアルバムより。
もし、全盛期のキング・クリムゾン(アルバムで言うと「暗黒の世界」から「RED」にかけて)が、タイムスリップをして、現在にやってきたらきっとこんな感じの音で演奏をしていたんだろうなと思ってしまう。メロトロンの大洪水をバックにして、歪んだギターと泣きのメロディが足踏み合わせ重戦車のごとく突き進んでいく感じがけっこうたまらない。
今回訳詞では、重厚でドラマチックな音楽に合った幻想SF風の神秘的な歌詞に合わせ、各単語もそれらに見合った意味合いになるよう、かけ離れない程度に少し強調してみた。例えば「fiery angels」は(燃え立つ天使たち → 炎をまとった天使たち)という風に。



アネクドテン「重力」歌詞和訳

Anekdoten "Gravity" - lyrics (songmeanings.com)
http://songmeanings.com/songs/view/3530822107858715614/
メロディに合わせた詞の改行・分断はせず、なるべく意味の通る一つの文になるようにした。
またコーラス・パートやサビのリフレイン等で歌詞が重複する箇所は省いてます。



Soon an angel's leaving, they're ruled by laws of gravity.
Soon this door is closing and you'll never know unless you go.
No, you'll never know if you won't go.
Wishing well of wonders, glitter box of dreams inside lie bitter pills.
You know I never wanted to sing for your lover,
but the angels sang of love and outside the night was falling.

間もなく一人の天使が去り、重力法の支配下となる。
すぐにこの扉は閉まり、君は行かなければ分からない。
そう、もし行かないのなら決して分からないだろう。
奇跡の願い井戸と、苦い薬の入ったキラキラ輝く夢の箱。
僕が君の恋人のために歌いたくなかったのはわかるだろ。
天使たちは愛を歌い、外はすっかり夜になっていた。

* laws of gravity : ニュートンの万有引力の法則の英語綴りは「Newton's law of universal gravitation」。歌詞では、laws of - となっているので、法律・法令の意味でとった。


Fly - fiery angels, kiss the sky, won't you shine your light down on me?
Fly - through the blazing cosmic eye, no, you'll never know if you won't go.
Eleven ways to lose your mind, seven ways to shine,
four doors that may take you in, one that's closed behind.
I should have seen you leaving but I never thought you'd go.
No, I never thought you'd walk away.

さぁ飛んでゆけ! 炎をまとった天使たちよ。限りなく空高くへ。その明かりで僕を照らしてくれないか。
さぁ飛べ! めらめらと燃える宇宙の目を突き抜けて。しかし、行かないのなら決して分からないだろう。
正気を失うための11の方法。そして輝くための7つの方法。
君を引き入れる4つの扉。後ろで1つが閉まった
君が去るのを気付くべきだった。しかし、行ってしまうとは決して思わなかったんだ。
そう、君がどこかへ行くだなんて考えはしなかった。

* 「11」と「7」と「3」 : 出てくる数字には何かの意味があるんだろうな、と思い考えてみたら、この三つはちょうど素数だった。三番目に登場する4つの扉は1つが閉まったわけだから、開いている扉は残り3つということになる。見えない法則だったり、神の定めた規律(逆らえない運命)みたいな意味合いを示しているのかもしれない。


It's getting dark, too dark to see and angel's a long time gone.
Too many things I can't combine with logic reason.
How can I tell the black from white if all is black and blue?
God knows where I'm going when the keeper waves me through...

暗闇が訪れ、何も見えない。帰りの遅い天使。
つじつまのあわないことが沢山だ。
もしすべてが黒と青(全身あざだらけ)なら、どうやって、善悪の判断をつけられるんだ?
番人が僕に手を振り通してくれるとき、僕がどこへ行くのかは誰もわからない。

* tell black from white : 「善悪の判断をつける」(直訳:白と黒を見分ける)
http://eow.alc.co.jp/search?q=%5Btell%5D+(A%7C%7B1%2C2%7D)+from
このイディオムと続く「black and blue(あざになるの意)」の箇所は、色と二つの意味がかかった言葉遊びになっているんだろうな。






Anekdoten - Gravity ( Live at Progressive Circus, Malmö, Sweden 2016 )
https://www.youtube.com/watch?v=EHGY8qknbmY
このライヴ・ヴァージョンもすごくいい。



これまでに歌詞を訳したミュージシャン一覧: タイトルが、だいぶ充実してきた。

The Cure(ザ・キュアー) / Jannine Weigel(ヤンニーン・ワイゲル) / SAHA(サハ)
Wire(ワイヤー) / New Order(ニュー・オーダー) / The Wake(ザ・ウェイク)
Porter Robinson & Madeon(ポーター・ロビンソン&マデオン) / Felt(フェルト)
Charity Children(チャリティ・チルドレン) / Angel Olsen(エンジェル・オルセン)
Robert Wyatt(ロバート・ワイアット) / Eno-Moebius-Roedelius(イーノ・メビウス・ローデリウス)
Anekdoten(アネクドテン)


posted by J at 09:00| Comment(0) | 洋楽の歌詞和訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月18日

これ見たいんだな。


すぐわかる『宝石の国』

コミックの絵のトーンが好きだったんで、(ぼくにしては珍しく)読んでいた漫画がTVアニメ化されて喜んではみたけけど、うちはテレビがないから、見れないや。こういうときはちょっと悔しい。

身体が砕けて(割れて)またくっつく、というキャラクターはカルヴィーノの小説「まっぷたつの子爵」を少し連想するものがあって、見る人の想像を膨らませたり、いろんな解釈ができて、深く語れそうな要素があるような感じがする。余白と線を生かした絵が、透明感と空虚さ、神秘感を広げてくれる。
カルヴィーノの小説に登場するメダルド子爵というのは、トルコとの戦争で砲弾を受け真っ二つに身体が割れてしまい、片方が善、片方が悪となって物語が展開してゆく。

宝石の国.jpg



posted by J at 14:00| Comment(0) | favourite | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月17日

木工ボンドのレコード


Wood Glue Record
最初は木工ボンドのレコードをどうやって作ったかの説明があって、1'05" からそれを再生している。


世の中、ほんと変わったことをする人がいるんだな。木工ボンドでレコードを作った人の動画があってちょっとビックリした。再生した音も意外と(想像してたのより)悪くなく、レコードの材料ってけっこう何でもいけるんじゃないかと思ったり。この人は、スタンパー(レコードをプレスするときに使う金型で、レコードは逆の凹凸になっている)をe-bayで落札し(しかも2枚=35ドルという破格値で!)、レコード・クリーニングに皆が使っていた木工ボンド・パックの動画を見たあと、スタンパーに木工ボンドを塗って剥がせば、レコードになるんじゃないかと思いついたみたいで、実際に木工ボンドを薄く4層ほどに重ね塗りしたあと、16フィルム用の缶ではさんで平坦にならし、「木工ボンドのレコード」を仕上げた。とか。

ひとつ気になったのは、スタンパーがオークションで売られていたこと。これさえあれば何枚でもレコード・プレスが可能になるわけだから(実際は金型が磨耗して音の劣化があるのだと思う)、スタンパーというものに著作権というか、そういった音源の管理・権利の概念がどれくらい含まれているんだろう? という疑問。構造上、スタンパー自体には音の再生能力はないわけだから、これがレコードやCD、カセット・テープのように音を記録したメディアとして認識されるものなのかを、考えてみるとなんか奇妙な気持ちになる。にしても、レコードが音の記録メディアとして主流でなくなった時代になって、こういったものが流出してしまうという哀しい一面と、これらが厳密に管理されていたからこそかつての巨大な音楽産業というものが成り立っていたという一面、しかもそれらが今個人で所有することができて、(技術の進化で)簡単な樹脂成形機さえあれば、オリジナルのレコードがプレスできてしまうという、なんとも複雑で、でも興味深い側面が今のネットメディアを通して見れ、色々考えることができ発想がいろんなとこに飛んでいきそうなのはすごく面白い。



posted by J at 09:00| Comment(0) | fav. - sound | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする